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2013年 9月議会の一般質問
日本共産党の立身万千子です。
私は、市民の付託を受けたこれまでの4年間、少しでも住みやすい横手市を築くために市民の皆さんの期待に応えるべく、全力で取り組んでまいりました。
国の動きが年々市民福祉から遠のく方向に進む中で、地方自治体として何ができるか、市長に問題を提起し、職員の皆さんと議論を重ねながら懸命に取り組んできた4年間でもありました。
今、国政に目を転じると「企業が世界一活躍できる国にする」という言葉が如実に表している通り、安倍首相は国会で圧倒的多数の議席を得たことによって、国民不在で多国籍に進出できる大企業や大資産家の利益を最優先に、施策を進めていると言わざるを得ません。コツコツと毎日を暮らしている国民多数にとっては「史上最も大がかりな社会保障制度の後退」としか実感できない情勢下にあると、私は実感します。
その中でも、横手市では様々な工夫を凝らして市民の暮らしや福祉・教育などの施策を進めてきたと思っています。
私は今回の一般質問において、市民の声が横手市政にどれだけ生かされてきたかを振り返り、それを踏まえてこれから横手市が取り組むべき課題は何かを市民みんなで考える必要があると思う時、喫緊の課題でもある「横手市における、社会保障施策の到達点と、課題について」質問します。
1. はじめに、医療についてです。
子どもの医療費無料化を中学生まで拡充することについて質問します。
長年に渡る市民の要望を受け、少子化問題を克服する一方策として、乳幼児医療費を無料に!という課題を、市では県の施策に上乗せして小学校卒業までの子ども達に分け隔てなく入院・外来ともに無料にしました。国は、全国の地方自治体が大変な努力をして無料化年齢の延長を実施しているにもかかわらず、いまだ制度化しないばかりか逆にペナルティをかける有様です。しかしそれに屈せず横手市では医療費無料化の範囲と年齢の幅を広げてきたことを評価するものです。
その上で、お隣の大仙市など先進自治体にならい医療費無料化の拡充を更に前進させることができないか、市長のお考えを伺います。
2. 次に国民健康保険について質問します。
具体的には、医療費の一部負担金減免の周知徹底を強化していただきたいということです。
今、私どもの会派では市民の皆さんに広くアンケート調査を行なっておりますが「アベノミクス効果を実感するか」という設問に対し、99.8%ほどの人は「ノー」と回答されています。
それどころか、正職員でも社会保険はつかず、国民健康保険に加入している市民が多く、重い税に苦しめられている実態は、国民健康保険税の滞納者が非常に多いという決算資料を見ても明らかです。それを逆手にとって社会保険加入者の保険料を3割に引き上げるという国の姑息なやり方こそ糾弾するべきであり、国民は誰もが75歳になれば後期高齢者医療制度に組み込まれますし、人生最後まで社会保険の被保険者ではいられないのが現実です。
ご承知のように国民健康保険税の重税たる最大要因は、国が自らの責任をどんどん放棄してきたことです。国庫負担が10年前に5割だったところから、今や3割に満たないという現実を直視するべきではないでしょうか。
そのもとで、横手市は三年計画で、一般財源からの法定外繰入を断行しました。これからの横手市に何ができるか…を模索する時、医療費の減額免除をもっと考慮できないか提起するものです。
医療費の2割・5割・7割という法定減免はありがたいです。それに市長が特別に認める独自の減免と、医療費の一部負担金を減免することについて周知を徹底させて頂きたいと切に要望します。
この点については、2011年に厚生労働省通達で基準が緩和されたと聴いております。当市の現状と今後の方向性をお聴かせください。
3. 三つ目に、子ども・子育て支援について質問します。
少子化傾向の著しい当市にとって、一般不妊治療・引きこもりの親子対策・幼稚園と保育園に就園する前の親子への自主活動支援・乳幼児健康診断の95%以上の実施率と相談事業など、キメ細かに取り組んできていることは評価に値すると思います。
そして今、国の制度改定の下で、いわゆる幼・保一元化が現実的課題にのぼり、数少ない横手市の子ども達が心身ともに健やかに成長するためにどう手立てするかが問われています。
国の施策の問題点は、安上がりに子どもを収容しがちな株式会社の参入を奨励することであるとはっきりしてきました。私は、せめて現在の施設面積や保育スタッフの基準が守られる環境で、体全体を使っての心身の発達を保障するのが子ども支援であると考えます。
学童保育(放課後児童クラブ)についても、国の方針が文部科学省主導の「放課後子ども教室」にシフトされるにせよ、横手市の子ども達にとって小学校高学年の放課後はどうあるべきかを深く議論していく必要がある!と私は思います。
そこで、学齢期の子どもたちに教育の機会均等を保障することが第一と考え、次の2点を質問します。
@ 要保護・準要保護の児童生徒に対する就学援助における生徒会費とPTA会費を支給することについてお尋ねします。
4年前、国は就学援助事業の財源を国庫支出金から地方交付税に適用替えしました。その結果「財政事情の芳しくない地方自治体は、本来就学援助に使うべき財源を縮小することを余儀なくされるであろう」と見込んだ国が、新たに生徒会費・PTA会費・部活動費の3つの項目を増やしても良いと通達しました。
以後、横手市の状況はどうだったでしょうか?同じように苦労している中で、就学援助の対象になる世帯の収入基準を生活保護家庭の収入の1.5倍までに広げた自治体もあれば、お隣の大仙市のように生徒会費とPTA会費の適用を考慮し始めた自治体もあります。
我が横手市は、生活保護世帯の収入を基準にして1.3倍までとし、平成24年度の実績では被災者を含む準要保護で、小学校286人、中学校175人に適用しています。要保護にあたる生活保護家庭の子ども達に対しても同様ですが、生活保護費も就学援助費用も横手市の負担分は普通交付税措置の部分ですから、結果的には横手市の裁量で適用できるはずのものですので、部活動費用に関しての考え方も含めて市長の方針を伺います。
A 子ども・子育て支援の2番目の質問は、学校給食についてです。
ここでは特に子ども達の健康を守る立場から、アレルギー対応についてと食材の放射能測定についてお尋ねします。
ご存知のとおり、現在はTPP(環太平洋連携協定)の問題が緊迫している状況ですが、我が横手市議会は基本的に全員一致で日本のTPP参加に反対する決議を挙げました。しかし、安倍内閣はTPP参加を表明し推進する方向に走っています。これからの私たちは「TPP参加反対」ではなく「TPP参加から撤退」させることで一致団結し、秋田県の経済をなんとしても守らなければならないと憂慮します。
TPP参加の影響で、私が今、最も懸念するのは「食の安全安心」がないがしろにされてしまうことです。既にTPP参加前の段階で経団連会長の出身企業である住友化学は、世界一の遺伝子組み換え事業を推進するアメリカのモンサント社と提携し莫大な利益を得ることをもくろんでいます。TPPに参加し軌道に乗ってしまえば植物の種のみならず魚も肉も食物すべてに遺伝子組み換え操作が横行し、「TPP参加企業を妨害するから」という理由で食品表示もできなくなることが目に見えています。そうなると、中身のはっきりしない様々な発ガン物質やアレルギー原因物質を、毎日口に入れざるを得なくなる事につながります。
特に成長期にある子ども達を、何としても健康被害から守らなければならないのではないでしょうか。
その点を踏まえ、先般発生した小学生のアレルギーショック事故を教訓として、具体的に当市の学校給食におけるアレルギー対応をどう充実させるかを伺います。
次に、学校給食における食材の放射能測定は、今後も重要と考えるものですが、市長の方針はどうでしょうか。
危機管理としての位置づけで、昨年度途中から県の測定器と同様の器械が平鹿地域局に設置されました。専門の担当者が配置され、各給食センターから食材1キログラムを一日2回順番に持ち運んで測定すると、以前の本会議で私の質問にご答弁いただいた経緯があります。その後の実施実績と今後の対策を伺います。
4. 最後に高齢者福祉、とりわけ介護の問題を質問します。
10年前に介護保険が誕生しました。そのとき国は何と言って私たち国民を納得させたでしょうか。「長い間、家族が犠牲になってきた在宅介護から社会で介護する方法に変える」と言い、公的保険のひとつとして介護保険ができたことは記憶に新しいと思います。
しかし国は、10年の間に5段階の「要介護」から、軽度な「要支援1と2」を作り7段階のシステムにしました。それを平成27年度以降は、要支援の人を介護保険から外し、市町村のお金で単独事業としてやりなさい・・・と市町村に丸投げする方向です。
NPOやボランティアを活用すればよいという考えのようですが、市町村にも民間にもそのような受け皿は、残念ながらありません。
とりわけ横手市では国のモデル事業も取り入れて、認知症予防に力を注いできました。認知症の初期や早期が本人も家族も大変な混乱をきたすことが明らかなのに、法改定では「重度の人に給付を重点化する」と言っています。横手市では現在、40床の特別養護老人施設を2つ整備中で、ありがたいことではありますが、大多数の市民は介護保険の保険料をまじめに納めながら、有料の施設を前にして財布と相談するしかありません。今後在宅での介護をどう進めていくお考えかお聞かせください。
以上で私の質問を終わりますが、この秋に、安倍内閣は、生活保護法の改定と生活困窮者自立就業支援の法律を国会で決めようとしています。前の市議会で反対陳情が不採択になった「生活保護基準の引き下げ」が決まれば、単に生活保護受給者に留まらず、国民全体の暮らしや仕事に大きな影響を及ぼすことを、私は陳情の賛成討論で明らかにしました。
年金の引き下げについても、年金受給者は自分の手元の年金額に直面して、大きな目減りに怒りを募らせています。
生活保護費の基準は年金・税金・介護保険・保育料・就学援助そして最低賃金をも左右します。秋田県の最低賃金はようやく665円に引き上げられたと報道されましたが、生活保護費の基準を引き下げる法律が決まれば、有無を言わさずどんどん引き下げられることは目に見えています。
今、国民・市民の立場に立って、暮らし・福祉を守らなければどんな世の中になるか、容易に想像がつくのではないでしょうか。
今こそ行政と議会が市民と力を合わせて、安全安心で健康に暮らしていける横手市を作っていかなければならないと思います。
市長や職員の皆さんはその先頭に立たれて、奮闘されることを切に要望して質問を終わります。
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