自然災害におけるジェンダー視点…被災地支援活動から見えてきたもの
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「自然災害におけるジェンダー視点…被災地支援活動から見えてきたもの」
みやぎジョネットのリーフレットです。女という文字が走っているように見えるでしょ。
8月8日大仙市交流センターで、みやぎジョネット代表:草野祐子さんの講演がありました。
これは県南男女共同参画センターと大仙市が共催して企画されたもので、とかく防災や被災地支援に女性の視点が不足している〜と阪神淡路大震災の頃から指摘されてきた、大切な課題にどう取り組むか!という問題意識をもって参加しました。
もともと講師の草野さんは、DVや性暴力による被害女性の保護といった活動をされてこられたそうです。そして東日本大震災により、ご自身も仙台市で被災され、大変な暮らしを強いられながらも被災地に出向いて支援を続けられる中で、必要に迫られて「みやぎジョネット」を立ち上げたとのことです。
主な活動内容は、全国からの支援物資を被災地女性へ届けること・各種支援プログラムによって、女性一人一人が復興することを支援し、女性のニーズを調査して政策への提言をしていくことと言われました。実際に震災後最初の2か月間は、緊急支援物資の調達と被災地への提供を行い、次の段階として避難所の片隅でサロンを開催し心のケアや女性のエンパワーメントのお手伝いをしたそうです。
最初に始めた「軍手人形づくり」は、男性も参加し、徐々に笑顔を見せてくれたとのこと。その次の段階は、サロンを通して女性リーダーを養成すること・就労起業の支援・コミュニティを形成する支援・そしてその調査・政策提言と活動を発展させてこられているのでした。
その説明の中に、被災地の凄惨な現実や、避難所の非人間的な環境などを具体的に伝えてくださいました。
復興はマスコミ報道を通しても、遅々として進んでいません。復興庁の実態を見るにつけ、怒りを抑えられませんがこの「ジョネット」の先進的な活動を始めとしてもっともっと被災者自身の自立が可能になるためには、行政との連携が不可欠であると、草野さんも強調されました。
ひとつの行政単位ではなく、日常の地域間連携が大切で、災害が起きてからでは遅い・・・と言われました。
国連女性の地位委員会で採択された「自然災害におけるジェンダー平等と女性のエンパワーメント」決議も紹介されたとおり、
*復興においては、女性および脆弱なグループの参加を確保する。
*防災・救援・復興の各段階で平等に参画の機会が確保されることなど包摂型(差別のない)の社会の構築が、災害に強い社会を作り、災害が起こった後の救援・復興などのあらゆる場面でジェンダーの視点が生かされる。〜〜
このことを日本の政府はもちろん、国民一人ひとりがきちんと意識できるようになるまで、粘り強く活動することが必要なのだと、今日の草野さんの講演を聴いて痛感しました。
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