終戦記念日と横手市成人式によせて
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「終戦記念日と横手市成人式によせて」

はたちを迎えられ、成人式にご参加の皆さん、今日はおめでとうございます。
私たちは横手市に住んで、平和を願い、核兵器の廃絶を求めて運動している様々な団体です。皆さんに「核兵器を地球からなくそう」という署名のお願いをしています、ぜひご協力をいただき、お一人お一人の大切な平和へ思いをニューヨークの国連本部に届けさせてください。
皆さんの誕生を楽しみに待っていた親御さんやお祖父さん・お祖母さん達は、皆さんがこの世で産声を上げた時どんなに喜ばれたことでしょう。そして今、これまでの長いようで短かった20年間を懐かしく、いとおしく振り返り、私達周りの大人は皆さんのこれからの人生を健康で幸せに平和のうちに生き抜いてもらいたいと願わずにいられません。
ちょうど68年前の今日、日本は長く続いた戦争を終わりにしました。すくなくとも第二次世界大戦の5年間で、日本人は300万人、アジアの人々800万人、そして世界中で2000万人もの人々が命を奪われました。
戦場には行かなくても「銃後の守り」を固めようと本土で頑張った人々にも原子爆弾を始めとする殺人兵器が容赦なく襲いかかりました。広島・長崎の原爆被害者は、半世紀以上経った今でも後遺症で苦しめられています。とりわけ戦争末期には皆さんのような前途有望な青年たちが13万人も出陣を余儀なくされ、神風特攻隊や人間魚雷などで多くの尊い命が奪われました。無念の死を遂げざるを得なかった当時の若い人々は、もっと学びたかったでしょうし、恋もしたかったでしょう。世の中の役に立ちたいという高い志も戦場に散ってしまいました。
皆さん、戦争に「正義」はありません。どんな理由であれ、戦争は絶対にしてはならないのです。
今、地球上では色々な所で紛争が起きています。けれどもその「紛争」を「戦争」にしてしまえば、核兵器が存在する限り、人類は滅びてしまいます。武力ではなく話し合いを徹底させて紛争を解決することが、現代の人々がとる道であって、実際にアセアン諸国連合では、話し合いで紛争問題を解決する方法をとっています。
これをお手本にして、私たちの日本も平和な社会を実現していこうではありませんか!
けれども今、自民党安倍内閣は日本の侵略戦争の反省の上に生まれて戦争放棄を謳った「憲法9条」を変え、再び海外で戦争する「国防軍」をつくろうとしています。
「自民党改憲草案」では「国際平和」という言葉で武力行使を可能にしたり、秘密保全法を制定して「機密保持」を共生したり、裁判などを認めない、いわゆる軍法会議(これは審判所という言葉にしています)などが盛り込まれています。そのために権力者の想いのままに憲法を変えやすくする「憲法96条改憲」を狙っているのです。「自民党憲法草案」は、天皇を「元首」にすることや、国旗・国歌・愛国心の強制など、戦前の「大日本帝国憲法」に戻させ、国のカタチを変えてしまう恐るべき内容です。
「蟹工船」で世界的に有名な作家・小林多喜二を始め、戦争に命がけで反対した、真の愛国心篤い若者達は、治安維持法によって弾圧されその犠牲者は数十万人に上ります。彼らの「反戦平和」「主権在民」「生活向上」などの主張は、戦後の平和憲法にしっかりと生かされました。
よく憲法を変えたい人々は「アメリカ言いなりで造られた憲法だから良くない」と言います。しかし歴史をひも解けば、拷問を受け虐殺された治安維持法犠牲者たちと、それ以前の明治以来の自由民権運動などにまで遡る日本中の人々の主張が、今の憲法には脈々と受け継がれているのです。
先月、安倍首相はTPP(環太平洋連携協定)に参加を表明しました。加盟している12か国のうち、ダントツに貿易の力を持つのはアメリカです。日本の政府はそのアメリカとの事前協議でさえ「守るべきものは守る」と日本の国民向けには言っておきながら、何ひとつ主張せずアメリカ言いなりで事を進めました。
日本でTPP参加によるメリットを享受できるのは、ほんの一握りの大企業と大資産家だけであり、特に秋田県は農業や医療の面で大打撃を受けると県職員が試算しています。
日本の未来・秋田の未来・横手市の将来を担う新成人の皆さん、これからの人生が平和のうちに、健康で、生きがいのある仕事に就けて、幸せに生きることができるように、どうか兵核兵器廃絶・平和の署名にご協力くださいますよう、お願いします。 |