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   2014年3月議会の一般質問
 
  「2014年3月議会の一般質問」

 日本共産党の立身万千子です。
 今、開かれている国会は「好循環実現国会」と称されて、安倍首相の論理である「収益を上げた企業が労働者の賃金を引き上げることによって、企業収益と日本の経済を“好循環”に導く」というものです。
 もちろん賃上げ自体は国民・市民の切実な願いです。しかし企業側は、総理大臣に賃上げを「お願い」されても収益の大部分を内部留保に回しているのが実態と言わざるを得ません。
 そして2014年度政府予算案には、社会保障の負担増と給付減が並びます。医療費では70〜74歳の窓口1割負担を今年4月以降に70歳になる人から順次2割に倍増することが決められました。
 また生活保護の生活扶助費は.5%削減され年金保険料は毎年10月に上げられて、年金の支給額は1%減らされます。さらに、2015年は介護保険料の見直し年にあたり、引き上げが予想されます。
 そして6月からは、復興特別住民税の負担が始まります。個人住民税に年額1000円が上乗せされ10年間負担が続く一方で、復興特別法人税は前倒しで減税し、来月には廃止するという不公平な事実が明らかになっています。
 市長は施政方針で「景気の持ち直しが期待されている」と言われました。しかし、現実にはアベノミクスの金融緩和で生活必需品の価格高騰が深刻になっています。灯油代や電気代は高値水準が続き、乳製品の値上げも発表されました。農業を基盤とするわが横手市でさえキャベツや白菜、ネギなどの生鮮野菜も高騰しています。
 このような状況下で来月から消費税が引き上げられれば、前述の社会保障の負担増・給付減を合わせると新たに10兆円の負担が加わります。
 負担増はとりわけ低所得者や中小零細企業に深刻な影響を与えることになり、貧困と格差が拡大して国や県、そして横手市の財政にも悪影響を及ぼすことは明らかです。これでは市長が期待されても景気は冷え込むばかりではないでしょうか。このことは、専門家はもちろん一般国民も強い懸念を持っているのが現状です。
 加えて連日マスコミ報道が繰り返される安倍首相とその周辺の言動は、戦前の治安維持法を思い出す…と戦争を体験されたお年寄りは非常に心配されています。即ち、自分の国土が攻撃されなくても同盟国が攻撃を受けたら、日本の自衛隊が武器をもって地球上のどこへでも戦争をしかけに行くことになる「集団的自衛権」の主張。これには自民・公明といった与党の中からも懸念する声があげられています。
 武器には武器、目には目を、という時代はすでに終わりました。世界各地で起こっている「紛争」を「戦争」にしないための努力をするASEAN諸国連合のような活動が世界の方向になると私は思います。
 しかし、安倍首相はご承知のように「戦前の日本を取り戻す」というスローガンの下、時の為政者の命令に疑問も呈さず素直に従う人材づくりのため「教育再生」に躍起になっていると言わざるを得ません。
 @ 教科書検定基準の改定A道徳を教科に格上げB教育委員会制度の廃止C6・3・3・4の学制を見直し、飛び級などで少数のエリートを育成D全国一斉学力テストの成績を公表し序列化・差別化を促す…など強引な方針を打ち出しています。中でも教育委員会の廃止論については与党内でも矛盾が広がり看過できない状況です。
 そこで私は今回、教育問題に絞って一般質問をしたいと思います。
 今市議会では教育委員長から横手市の教育方針が提示されました。
 私は、自分の頭で考え、違う立場の人とも共感できる人間。自分の命も他人の命も大切と思うことのできる人間になることが、学校教育でも生涯学習でも大切な目標だと考えます。それを踏まえ、教育環境整備を進めるため横手市の教育課題において、次の点について質問します。


1. はじめに就学援助の実態と、そこにおける横手市の課題についてお尋ねします。
横手市就学援助費交付要綱には、第一条で「家庭の経済的理由により就学が困難な児童生徒の保護者に対して、横手市が学用品費・医療費(中耳炎や虫歯など6つの学校病が対象)・学校給食費・修学旅行等就学に要する費用を援助する」と明記されています。横手市の場合、他の自治体よりも配慮が行き届いており準要保護児童生徒の世帯は生活保護基準の1.3倍の所得が支給の基準になっています。ところが昨年、国は生活保護基準を下げました。すると準要保護の基準も影響を受けてしまいます。それに対し全国で切実な運動が展開されて、先月2014年度の就学援助基準は据え置きが決まり、学用品費などの単価が増額されることになりました。まずは一安心ですが問題は準要保護世帯に対し2010年度から国庫補助ではなく、普通交付税に変わったことです。各自治体の財政事情によって地方交付税の使い道を就学援助ではない事業に回すことが実際に多くあります。そこで、次の質問をします。

@ 横手市における準要保護児童生徒の実態と、2014年度に向けてどのような手立てを考えているか、お聞かせください。

A 国は2010年度から部活動費・生徒会費・PTA会費の3項目を支給内容に含むことを決めました。しかし以前の市議会で質問した私への答弁は「部活動費の支給は困難」というものでした。国が認め、北海道では53%にあたる95の自治体が実施している例もありますし、ぜひ前向きなお考えを期待し、部活動費への対応策についてお尋ねします。


2. 次に特別支援教育の動向と今後の方針について質問します。
 教育方針では「関係機関との連携推進による特別支援教育の充実」を教育環境整備の大きな項目に位置づけています。特に障がいを持つお子さんの特別支援教育は、本人はもちろん家族や地域における横並びで寄り添った連携体制が必要と考えます。就学前からの系統的な連携が大事なことは言うまでもありませんが、各学校で「特別支援教育コーディネーター」を中心とした支援体制の充実が図られているということで、ここ数年の動向をお聞かせいただきたいと思います。とりわけ次の2点について詳しくお尋ねします。

@ 教育方針に明記されており、今後継続体制をとるという「横手市自立支援協議会:子ども部会」と、就学サポートファイル「すこやか」を活用した成果と今後の課題についてお尋ねします。

A いわゆるグレイゾーン(境界域)に位置するのではないかと思われる子どもたちへの手立ては保護者や医療機関・子育て支援関係機関などとの連携が特に重要で、かつ困難が伴うものと推測されます。どんな手立てがなされているか、お聞かせください。


3. 次にキャリア教育の位置づけについてお尋ねします。
 教育方針では「自分の将来を切り拓く力や望ましい職業観を育むキャリア教育の充実」を掲げています。今年度の「次世代ものづくり人材育成事業」で「横手市キャリア教育研修会」を実施したとの報告を頂き、市として小学校・中学校間の共通理解を図ったこと・各中学校の職場体験学習を質的に向上させる取り組みを継続するなど、きめ細かに工夫されていることに敬意を表します。確かに学校での職場体験学習がきっかけとなって医療の道に進んだり教育分野を目指して努力を惜しまずがんばる子どもたちがいることは頼もしいかぎりです。
 しかし職業選択が難しく、希望を持って就ける職業が狭められている今日、この町で生まれ育った子どもたちが働きたくても働く場所がない、あるいはようやく仕事が見つかっても無権利状態で働かされるなど困難な状況があります。学校教育を通して問題解決のできる社会人に育てる手立てはないものか、その点についてお考えを伺います。


4. 最後に学校給食をはじめとする食育について質問します。
 市長は、ご自身の公約に「食育の推進」を挙げられました。そして今議会の施政方針に「農業は当市における基幹産業であるとともに、市内の環境・文化・景観等に幅広く影響し、地域コミュニティ形成の中心にもなっている産業であり、そのためにこれからは“つくる・食べる・提供する”までをひとつのプロセスとして捉え、全市民と一緒になって横手市の農業の形を考えていく」と述べられました。
 「地域価値創造構想」を策定し6次産業化を推進するための直売や食事提供の場を設けてこれらの設備を利用しながら“総合的な食育”を行う・・・とのことですが、市長が意図される「食育」とはどのようなものか、食育基本法にてらしても、どうもよく見えてきません。市民にわかりやすくお聞かせいただきたいと思います。

A次の質問は、安全・安心な食べ物を、子どもたちにどう提供するかという課題についてです。
 安全で安心できる食べ物とは、合成保存料や合成着色料などの添加物を含む食品や、遺伝子組み換え食品、化学調味料、放射性物質、農薬などを最大限排除した食べ物であり、それを調達するには作った人の顔が見える食品を追求することが今、私達大人が子どもたちに果すべき責任ではないでしょうか。
 市長は「地域の特色ある農産物を学校給食に提供する食育推進を事業化する」と述べておられます。教育方針でも「主要野菜15品目の秋田県産使用率目標35%を上回ること・生産農家の協力を得ながら地場産食品活用の推進」と明記されています。アレルギー対応も含めて、具体的にどう進めていくかを伺います。
 食の教育に不可欠な学校栄養職員・栄養教諭の役割が益々重要になっていますが、子どもにとって、お昼の給食のみならず家庭の食習慣が大きく成長を左右することはいうまでもありません。
 教育方針でも指摘しているように小児生活習慣病予防のためにも、特に子どもの食教育に横手市として力を注いでいくことは、非常に重要な施策であり、ぜひ明快なご答弁を求めるものです。

 以上で私の通告した質問は終わりますが、市長室移転と組織機構に係る庁舎内変更の問題は、市民にとって非常に重要と考えます。市民や議会あるいは市役所内部での充分な議論がなされた上での提案なのか、その唐突さに疑問を払拭できかねます。とりわけ横手地域に住む市民にとって身近であるべき横手地域局の機能が南庁舎へ移ることについては、様々な市民組織なり町内会・自治会を通して納得が得られるまで説明と議論を徹底するべきではないでしょうか。市長室の横手庁舎移転については頷けるものですが段取りのプロセスに時間をかけた丁寧さが必要ではないかと、最後に訴えて発言を終わります。







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