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日本共産党の立身万千子です。
信じられないほどの大雪に見舞われた私達のまち横手も、季節が巡って緑豊かな景観のまちとなり、恵まれた自然に囲まれて子ども達が育っています。どの子どもも明日の横手の担い手として健康で伸び伸びと成長し、平和な社会で活躍してほしいと誰もが願っていることは確かです。
その大人の願いを公的支援として支えてきた保育制度が大きく変わろうとしています。国は来年度から就学前の子ども達への手立てを新しい制度に変えていくと決めました。
昨今の子どもの置き去り事件や餓死事件などの報道を目の当たりにし、私たち大人が果たすべき役割を再確認する責務を痛感して「新しい子育て制度」について質問します。
1. 新しい制度の中で、最も懸念される点は、従来の、自治体が責任を持って保育サービスを提供する形態から、利用者と施設側とが直接契約を結ぶ仕組みに変わろうとしていることです。
しかも、戦後60年以上にわたって続いてきた、子どもと子育てを巡るシステムを大幅に変えるという一大事にも係らず、来年4月に新制度をスタートすることだけを掲げて、中身は固まっていない状況にあり、保護者からの問い合わせが殺到するであろう市町村担当部署のご苦労は大変なものとお察ししますが、私達横手市議会でも今年度中に、保育設備や定員などについて、国が設定する基準を参酌して、関連する条例を議決しなければなりません。
@ そこで、横手市の「子ども子育て支援事業計画」策定にあたり、次の5つの点を質問します。
1) 全国規模の課題である「保育の必要要件」についてです。仕事を捜している最中でも保育所が受け入れてくれるか、また二人以上の子を持つ親が育児休暇を取得した場合に、上の子が保育所に通えるのか、など現在横手市が実施しているサービスを、昨年実施したニーズ調査を踏まえて今後も維持するのかどうか、対応を伺います。
2) 保育料金についてです。これは大森病院の院内保育所のような事業所内保育などと契約した場合ですが、特に短時間保育の契約者が緊急な時間延長や一時預かりなどを申し込むとすれば、オプション価格としてこれまでより高額になるのか、それとも低く抑えるのかお尋ねします。
3) 新しい制度では、無資格の保育士でも構わないとする小規模保育を認めています。それを実施したいという事業所に対し、設備と運営の基準をどう設定するのか伺います。
4) いわゆる学童保育は、保護者のニーズを尊重し、横手市では毎年増設するという先進的な取組みをしてこられました。その点は評価しつつも、現在でさえ国が望ましいと設定している40人定員を大幅に上まわっている横手市の状況を憂慮するものですが、新しい制度下での設置・運営基準はどうするのかお尋ねします。
5) 国は、幼稚園と保育所を合わせた形態になる「認定こども園」の設置を促進しています。一般的に幼稚園は「教育」に重きを置き、保育所は「養護」をする施設と捉える傾向があります。しかし子育てについて「教育と養護」の区別で格差をつくるべきではないと私は考えます。どの施設もすべて質の高い保育を目指しているという意味で平等な立場にあるはずです。市長は「認定こども園」をどう位置付けておられるか、お聞かせください。
A 次に、所謂「子育てに関わる3つの法律」に関して質問します。主に学童保育に関わる小学生までの年齢を対象とする子育て支援事業が、子育て三法に則って実施していることは理解できます。しかし中学校入学時から18歳までを対象とした取組みは、何に則って実施するのでしょうか。
以前の私の質問に対する答弁では「次世代育成支援事業計画」に基づいた施策を引き継いでいくとのことでしたが、市長のお考えを今一度お聞かせください。
B 最後に、子育て支援において非常に重要な施策といえる「医療費無料化」について、横手市では、小学校卒業まで実施しています。これを近隣自治体のように中学校卒業の年齢にまで拡充することは、少子化問題の著しい横手市で最も必要な施策のひとつと考えます。ぜひ実施に踏み切ることを要望しますがいかがですか。
2. 次に横手市の認知症対策について質問します。
国は、全国13自治体でのモデル事業を実施しており、2015年度から介護保険制度を変える方針を出しています。しかも「医療介護総合法案」という、国民にとっては単独でも重要な、医療と介護を合体するというお粗末な位置づけをしていることに、私は憤りを禁じえません。
様々な問題を含んでいるその法案で特に懸念されるのは、要支援1と2の区分を保険からはずすことです。横手市内の要支援認定者の中でも認知症状が認められる人は数多く存在するため、デイサービスやホームヘルプの事業を介護保険で手立てしてこそ認知症予防の意義・効果があると考えることから、次の8点について質問します。
@ まず、横手市の最新の実態をお聞かせください。
介護認定を受けていない特定高齢者と要支援・要介護の各区分認定者と介護保険利用者の数、さらに認知症対応型事業所の数を伺います。
A 認知症についての正しい理解を深める手立てと実施事業の検証についてお尋ねします。
B 認知症の予防を、これまでどのように推進してきたのか。そして今後の課題は何かを伺います。
C 認知症の早期発見と、発見後の対策はどうかをお尋ねします。
D 認知症高齢者の見守り、特に横手市で3年前から実施している徘徊見守り訓練の成果と課題は何か、お聞かせください。
E 横手市が国のモデルケースとして取り組んできている地域医療連携推進事業は認知症対策も含めた在宅介護など地域包括ケアの先進事例と考えます。その評価も交えた医療と認知症対策の連携について、実情と課題は何かお尋ねします。
F 権利擁護について、横手市は市民後見人の養成を率先して実施してきましたが、その実情と今後の課題をお聞かせください。
G 認知症の人を介護する家族への支援体制について伺います。
最近の裁判で、徘徊高齢者が鉄道事故にあった際、家族が鉄道会社から損害賠償を求められる判決が出ました。しかし家族だけで認知症高齢者の介護をすることは大変難しいとの切実な声があがっています。横手市としての、家族支援の基本姿勢を伺いたいと思います。
以上が通告した私の質問ですが、
先般、マスコミ報道で、横手市に住む高齢者が行方不明になった例や一人で電車に乗って想定外の遠方まで行き、警察間の連携が取れずに7年間保護され続けた例が紹介されました。
ご家族の勇気ある取材受け入れによって、「徘徊」という問題の深刻な状況が市民に伝わったところですが、この数年間、私のみならず様々な議員の一般質問や常任委員会での論議でキーポイントとなっているのが、「釧路方式」と呼ばれる個人情報保護について条例で取り扱う例外規定と、「市民協働によるネットワーク構築」であろうと考えます。
すなわち、命にかかわることには条例の遵守を超えてでも個人情報を共有しなければならないこと。そして自助・共助・公助の名の下に「行政と議会は車の両輪で、行政の限界は市民協働に委ねる」といった方法ではもはや地方自治は立ち行かなくなっており「市民・行政の首長・行政の職員・議会の四輪駆動で輝く自治体をつくっていこう」という時代に突入しているということを、私は訴えたいと思うのです。
そのためには、行政職員は自らの望み・想いをきちんと持ち、問題解決の意欲を共有する職場環境があって初めて、市民の願いに寄り添うことが可能になります。
数年前、大仙市でイキイキ職場宣言のフォーラムが開催され、その時の講師の言葉が「働く職員の満足度が高くなければ、そこに暮らす市民の満足度は生まれない」……というものでした。このフォーラムには当時の市長も職員も議員も横手市から大勢参加しておりました。
講師の川越胃腸病院院長の言葉でもあり、優良事業所として表彰された株式会社「横手運送」の代表者の言葉でもありました。
「働く職員の満足度が高くなければ、そこに暮らす市民の満足度は生まれない…」。今からでも遅くはありません。
市長!ぜひ職員、議員そして市民との四輪駆動で力を合わせ、子どもとお年寄りが安全に安心して暮らせる、満足度の高い横手市をつくっていきましょう。このことを強く呼びかけて、私の質問を終わります。
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