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日本共産党の立身万千子です。私は、会派を代表して質問します。
今年の夏は、毎日が猛暑の記録を更新するという異常気象が続きました。そして、今年は全国的に台風や大雨に見舞われ、土砂崩れや大洪水など、広範囲な自然災害が人々に襲い掛かりました。
とりわけ広島市においては、ハザードマップは作られていたのに間に合わなかったということが報じられ、大きな問題になっています。このことは、けっして他人事ではありません。
横手市においては、一昨日行われた秋田県総合防災訓練の経験から日常生活での様々な市民同士の連携や、行政と市民との連携の在り方が大変重要だと再認識した市民が多かったのではないでしょうか。
地方自治体の存在と役割は、まさに市民の生命と財産と暮らしを守ることにこそあり、このことを市長はどう認識し今後の市政運営を考えておられるのか、その決意を改めて伺うものです。
今や、人口減少社会の到来、加えて税収や国からの交付金等の大幅減少が予測される中にあって、我が横手市を守り、発展させるために山積みされた課題のひとつとして私は、地域資源を有効に活用するという面から考えてみたいと思います。そこで質問です。
1. 市長! 横手市の資源を何であると、お考えでしょうか?
市長は就任以来「横手市は農林業が基幹産業である」というお考えを前面に出されており、今後はそれに沿った施策を展開されることと受け止めております。
ちなみに、4年前の国勢調査によりますと、横手市の面積の54%が山林。田畑や樹園地といった耕地面積は26%。さらに65歳以上の人口割合が31.4%という結果が出ています。
高齢化社会の先行き不安が全国的に広がっている中、とりわけ高齢化率が全国のトップレベル、中でも農業分野の高齢化が深刻になっている市の現状を見据えたとき、市長は耕作放棄地を含めた農山林を、どうご覧になっておられるのでしょうか?
私は、各地で既に始められている、新しい切り口のバイオマス構想をもとに、一見活動停止に見える耕作放棄地が地域の新しい資源となる「宝」の可能性を秘めていることをご紹介し、市長の農業未来像を伺いたいと思います。
2. 次に、横手のバイオマス構想の実態と今後の展望についてお尋ねします。
横手市でも合併後の10年間、バイオマス関連の取り組みがなされてきました。しかし先日の決算特別委員会で質疑に出たように、実証の段階で低迷している原因は何なのでしょうか?
バイオマスとは「再生可能な、生物に由来する有機性資源で、化石資源を除いたもの」と定義されていますが、木質バイオマスを活用した町づくりを進めている北海道下川町の環境未来都市推進本部長によると「資源のあるところに産業が生まれる。エネルギーの自給が雇用を増やし、人口減少を食い止める」ということで、地方自治体の課題を乗り越える有効な手段としての前向きな姿勢がうかがえます。
この下川町の事例を紹介しますと、材木としては使えない間伐材の切れ端や、河川の流木や街路樹を刈り込んだ枝などを半年以上乾燥させた後に砕いて、ペレットよりも安価なチップの状態で、公共施設などのボイラー燃料にし、熱を供給するだけではなく、発電も行なっており、関連事業所も増えて雇用促進につながっているという好循環の仕組みが全国のモデルになっています。
また、長野市においては、森林組合から木材を購入するなどして、薪割り作業で雇用を生み「薪ステーション」を設置して地域のストーブやキャンプ場、パン屋さん、温泉の加熱に熱供給しており、基本方針としては小水力と太陽光の3分野を取り入れ、太陽光から電力を供給するという取り組みをしています。国での固定価格買い取り制度の見直しを凝視しながら売電も展望しているとのことです。
以上を見れば、今まさに、本気になって「バイオマス・タウン」の実現に向かって、取り組まなければならないのではないでしょうか。これまでの横手市のバイオマス対応の検証を含めて、市長のお考えをお聞かせください。
3. 横手市にも活かせるバイオマス資源は何かを追求し、バイオマスを活用した「バイオガス産業」でエネルギーの地産地消を目指す取り組みについて質問します。
私は、横手市の資源は山林に加え、耕地あるいは耕作放棄地であると考えます。
今、国の減反廃止策によって、農業者は大変な困難に直面しています。飼料用米や特別栽培米などの生産に切り替えるとしても、例えば飼料用米を消費するに足る畜産業が、TPPとの兼ね合いで経営が危ぶまれている問題などがあり、日本農業の行方は混とんとしていると言わざるを得ません。
そのような状況の下、耕作放棄地を使って「稲わらバイオマス」を採用する自治体が出てきています。
もみ殻にする作業手順がなく、稲わらでメタンガスを発生させ、残る二酸化炭素を水素で分解させて天然ガスと同じ物質にし、自動車の燃料にする取り組みとしてバイオガス・プラントが経済産業省の補助金や過疎債を使って普及しつつあります。
熱の供給と発電・売電にまで発展している事例もあり、実証を踏まえて事業展開する価値は大いにあると私は考えますが、いかがでしょうか?
市長が強調される「食」の地産地消と同時に「エネルギー」の地産地消をぜひ実現し、雇用が増え、人口が増加する豊かなまちづくりのためにも、このことを考え、取り組むべきとご提案申し上げ、私の代表質問を終わります。
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