重要伝統的建造物群保存地区選定記念シンポジウム
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「重要 伝統的建造物群 保存地区 選定 記念シンポジウム」

2月11日、増田ふれあいプラザ・コンベンションホール(増田まんが美術館)で、一大イベントがありました。
日本で106番目となる保存地区に選定された理由を文化庁の文化財部から主任文化財調査官である島田敏男氏が基調講演され、二つのパネルディスカッションがありました。
第一部は「重・伝・建地区の先輩に聞く…その効能と増田の魅力」として、先輩である長野県塩尻市・島根県大田市・岐阜県高山市・山口県萩市の担当職員さんがパネラー、工学院大学建築デザイン学科の後藤治教授がコーディネーターを務められました。
第二部では「”暮らしの中で伝統を守り、活かす”まちづくりとは?」として九州からおいでのリクルートライフスタイル客員研究員である佐藤真一氏がコーディネーター、4人のパネラーが地元増田や県観光連盟、秋田魁新報社の方々でした。
10年ほど前から増田の内蔵については「商家の奥に漆塗りの離れのような蔵が隠されているらしい」というので「地域のオンリーワンさがし」から内蔵の写真集を作り、「蔵の会」ができ、内蔵の所有者たちが情報交換をし始め、「蔵の日」を決めて内蔵を開放した・・・という経緯を話してくれました。その盛り上がりにより行政もきちんと位置付けて市長公室付けで専門チームをつくり活動を始めたのです。
その間、今日パネラーを務められた全国の先輩都市の担当者たちは幾度となく増田を訪れてこれまでも力を貸してくれたことがわかりました。
増田が文化庁から選定された理由は、内蔵は素晴らしく、ものすごい価値がある。しかし内蔵抜きでも在郷町として評価できる(主屋の素晴らしさ・敷地の使い方など近世に成立発展した地割が保存されている)ことで、街並みを歩くだけでも選定した理由を満足しているとのことです。これからの課題が確認されたことも今日のシンポジウムの大きな成果だと思いました。
保存するだけでは伝統は守れないのであり「住んで良し、訪れて良しの町づくり」が大切で、住民が満足していなければ観光客は来ない。全国にチャンネルが開かれたのが今であり、全国の保存地区を持つ自治体と住民が手を組み、相談しながら進めよう!と増田・横手のわたしたち住民に力強いエールが送られた一日でした。
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