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       2016年12月議会一般質問
 
 「2016年12月議会一般質問」


 日本共産党の立身万千子です。
 9月議会から今日まで3か月がたちました。その間に予期せぬ様々なことが次々と起こったように思います。
 我が会派の議員団長である齊藤勇議員が突然亡くなるという、私にとっては非常に辛い現実に遭遇しました。ご遺族からは、私のところに議員各位や職員の皆様への深い感謝の言葉が届けられていることをお伝えしておきたいと思います。
 今、日本の政治は、安保法制の問題や、医療と介護保険制度の問題、TPPの問題、いわゆる年金カット法案の問題、さらにここに至ってはカジノ法案の問題等々、多くの国民の反対と不安をよそに、強行採決を続けております。
 国民を無視した国の為政者による強権政治が、私たちの住む日本の国と地方自治を破壊する道に突き進んでいると受け止めざるを得ないことに、私は強い怒りを覚えるものです。
 けれども、ただ嘆いてばかりでは、暮らしは良くなりません。地域社会も発展しません。国の制約は一層強くあり続けると思いますが、これに打ち勝つためにも、私たち地方自治体に暮らす人間は、なんとかして知恵を出し合い、助け合って生きぬいていかなければなりません。困難でもこの国の情勢をしっかりと見据え、横手市を「輝く地方自治体」にしていくことへの強い思いを込めて、今回私は2つのことについて、市長に提案し、お考えをお聴きしたいと思います。              

1. 人口減少克服の方策について、質問します。
@ 全国の都市が持ち回りで開催してきた「日本女性会議2016」という大きな行事が10月28~30日秋田市で行なわれました。北海道から沖縄まで自治体職員や男女共生の活動を展開している方々など約2000人が秋田市を訪れ、山内出身のメイクアップアーティスト藤原美智子さんによる「違いこそが個性を作る、自信を作る、魅力を作る」というテーマで多様性(ダイバーシティ)についての記念講演がありました。私達県南の実行委員会は10ある分科会のうち第5分科会の企画と運営を担当しました。
 そのタイトルは侃々諤々話合いをした結果「 “地域消滅トップランナー”秋田の今とこれから〜〜そもそも男女共同参画って何?」と決まりました。120名の分科会参加者を迎えてのパネルディスカッションを企画し、その資料として秋田県の状況と課題を把握し分析するために、県内全部の市町村長にアンケートを依頼しました。我が横手市の高橋市長も、快くご自身のお考えを回答書に書いてくださいました。そのアンケート結果の発表やフロアからのパネラーへの質問等々を通して指摘された課題をもとに、次の2点を質問します。


1) 県内全市町村長のアンケート結果では、どの市町村長も「若者の定着」を人口減少対策のトップに掲げていました。その一方で「男は一家の大黒柱」だとか「家事育児は女性の役割」といった精神風土の根強さも認めていることが挙げられました。
 そこで現実をみるとき、非正規労働者が4割を占めている昨今このような「男は一家の大黒柱」とする精神風土は、男性への無言の経済負担圧力あるいは中高年男性の経済的理由による自殺の多さに結びつくこと、また今や既婚女性の60%が働いている状態の下で「育児や介護は女性の仕事」などの精神風土がいかに大きな(負)の影響を与えているか…という事実を私たちは深刻に受けとめなければならないのではないでしょうか。
 雇用創出や子育て支援など制度そのものは国の指針に従って形作られてきています。しかし、こうした精神風土を残したままでの、若者の地域定着策では成果を得ることが難しいのではないかと私は懸念します。
 市長は来年度も重点政策として「人口減少に歯止めをかける」ことに力を入れると表明されていますが、この政策を実行されてのこれまでの成果と問題点をどのように捉えておられるか、お尋ねします。


2) さらに、今述べたような、この地域における精神風土への働きかけも含め市役所庁内の各部署との連携や、市民活動の推進を総合的に進めるために、新年度に向けて男女共同参画を担う部署を組織機構の中に明確に位置づけることが必要と考えますが、こうした部署の設置について市長のお考えを伺います。


2. 次に、農家を始め多くの市民が非常に危惧しているTPP問題に対する市長の姿勢についてお尋ねします。


@ 現在TPPをめぐる状況が目まぐるしく動いています。ほんの数年前の衆議院選挙では「TPP絶対反対。自民党はウソつかない」という大きなポスターが目につきました。けれども安倍首相は「それは選挙区のポスターであり、自分は一貫してTPPを進めてきた」と先週、国会の委員会で答弁していたのです。「トランプ氏に対しても日本がリーダーシップを発揮して説得していく」とまで言っている安倍政権はトランプ氏だけではない世界各国の自由貿易反対の動きに対し「保護主義」だとレッテルを貼ってきました。けれどもその「自由貿易」とは多国籍企業のもうけを最大化するための「自由貿易」になっているからこそアメリカでもヨーロッパでもそして日本でも大きな国民の反対運動が起きているのではないでしょうか。
 農産物の重要5項目のうち3割が関税を撤廃され、残りの7割も「無傷」なものは無いことを政府は認めました。「重要農産物の聖域確保を優先し、それができない場合は撤退も辞さない」と衆参の農林水産委員会で決議したにも拘わらずです。
  医療医薬品分野での影響も深刻です。日米2国間の交換文書で、将来の保険医療制度について「協議する」ことを日本は受け入れました。これでは「国民皆保険制度が壊され空洞化する危険がないとは言い切れない」と医師会も反対しています。
 さらに外国企業に政府を訴える権利を与えるISDS条項は、国の主権が脅かされる重大なものであり、その仲裁人は多国籍企業で働く弁護士が多いため判決は強制力を伴います。現に、TPPの大筋合意に加わった国々で、この条項への懸念が高まっています。一例をあげるとオーストラリアでは別の貿易協定で、たばこの箱に「吸い過ぎに注意しましょう」と書こうとしたら、巨大タバコ産業であるフィリップモリス社から国が訴えられました。他にもどう考えても理不尽なことが起こっています。
私は、このように自国の国民をないがしろにしてしまうTPP協定を“進める”と言い張る安倍首相には憤りしか感じませんが、市長は以前、故斉藤勇議員の一般質問に対し「国を信じたい」と答弁されました。現在のお考えはどうですか?お尋ねします。


A これまで述べてきたように、アメリカの次期大統領は「TPPからの撤退」を表明しましたが、日米2国間の自由貿易協定(FTA)でもっと日本の国益譲歩を迫らせる恐れは大きくあります。そのような事態の中でも、地方自治体は住民を守らなければなりません。自治体に直接関与することのひとつに、電子入札で多国籍企業が権力にものを言わせ、横手市のような小さな町にさえ進出するケースは十分にあります。地産地消の政策についてもいえます。それを打破するには、中小企業を守るための中小企業振興の基本条例と、もうひとつ公契約条例の制定が必要と思いますが、市長はどうお考えでしょうか。
 私は、今議会においては、今、市民が最も期待する人口減少克服についてと、最も危機感を持っているTPPについてという2つの問題を掲げましたが、世界の政治経済情勢そして国や県の状況は懸念することばかりで多くの人々が心配しています。
 ぜひ率直な市長のご答弁をお願いするものです。
 もとより、どんなときにも市民の暮らし・生業を守っていくのが行政・議員の使命であることは変わりません。来年度の横手市を少しでも暮らしやすい町にしていくために、今、歯を食いしばってでも知恵を出さなければならないと思います。それには市役所職員の皆さんのモチベーションをあげ、市民との率直な交流、意見交換、情報共有をすることが不可欠ではないでしょうか。
 自治権を放棄しない限り地方自治体は絶対に消滅することはありません。大きな都市になる必要もありません。小さくても住民みんながイキイキと暮らせる横手市をつくっていくために、みんなが少しでも満足度を高めていけるよう、今こそ力を合わせる時であると確信します。あくまでも市民の願いに寄り添った市政の精神を訴えて質問を終わります。                    







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