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「2015年3月議会一般質問」
共産党の立身万千子です。今議会最初の一般質問をさせていただきます。
今回は、平成27年度の施政方針とそれを裏付ける予算を決定するという責務をもって臨むものですが、いやおうなしにおおもとである国の予算に制約されるのが地方自治体です。まさに今、審議されている国家予算案は過去最高の96兆3420億円にのぼり、それを評した一般新聞の見出しには「生活支援の実感薄く・・・」「目立つ安倍カラー」「暮らし抑え、防衛重視」等の言葉が並んでいます。
わが横手市はどうでしょうか。
「来年度は合併10年目であり、普通交付税の合併算定替特例が終了となる節目の年度である」と市長が施政方針で述べておられます。「今後当面は一般財源が減少し、市財政は厳しさを増していくが、持続的なまちづくりに限りある経営資源を有効に投入すべく努める」という決意も表明されています。そのひとつとして「福祉医療」の分野において、長年にわたる市民の切実な要望である「子どもの医療費拡充案」が出されました。
4月からは、中学校卒業まで入院に限るものの医療費が無料になることを評価したいと思います。今後も少子化傾向の著しい横手市において、若い世代が定住し、安心して子育てができる環境整備に、あらゆる方面から考慮し、手立てを講じて頂くことを要望します。
今回、私は、市長の施政方針に対し、次の点を質問いたします。
1. 新たな組織機構について、2点伺います。行政のトップである市長が交代すれば、新しい市長のお考えのもとで行政の組織機構も再編成されることはあり得ます。しかし市民にとっては、馴染む暇もなく「また変わるのか」と遠のいてしまう市役所になるのではないかと懸念しつつも、私は今後の横手市を展望して、先の12月議会において組織機構再編に賛成した経緯があります。その後様々な意見が集約されて職務分掌の調整を行い、4月からのスタートを待つばかりと市長は述べておられます。そこで
@ 総務部・まちづくり推進部・総合政策部の3つの部局における再調整後の職務分掌と、部局横断の具体策をお尋ねします。
A 市長が述べておられる「市民が利用しやすい地域局の体制」とは、従来に比べて、どのように違うのか伺います。
2. 施政方針で謳われている、生活環境施策の中の「マイナンバー制度」について質問します。
これは「赤ちゃんからお年寄りまで住民登録をしている全ての人に一生涯変わらない12桁の番号を割り振り、納税や年金など行政にかかわる個人情報を国が一括管理する制度」であると、全国版の一般新聞で報道されています。つい2週間前に掲載されたこの記事には「10月以降に通知。2年後本格始動」だが「システム開発、大幅遅れ・・・・・マイナンバー間に合うか?」という見出しがついていました。
市長の施政方針では「市民にとって役所での煩雑な手続きが簡単になって便利になり、公平かつ公正な社会を実現する社会基盤となる」ものがマイナンバー制度なのだと述べられています。
そもそも社会保障・税番号制度導入の動きは平成24年に閣議決定されてから翌平成25年に国会で関連4法が成立したことに端を発しますが、20年ほど前から国民総背番号制度の導入が懸念されていたことを、ご記憶の方もおられるのではないでしょうか。
イギリスでは2008(平成20)年に当時の労働党政権が「国民IDカード制」を導入しましたが2年後の政権交代により、新連立保守政権は「国家は必要以上の国民の個人情報を収集しない。国民の人権を踏みにじる制度であるから」として廃止法案を成立させています。
日本では「いずれ全ての情報が、正確な所得把握に必要」と言っており、日常の買い物などが番号によってデータ化され収集される可能性があります。既に「社会保障番号」を導入しているアメリカで、個人情報の大量流出・不正使用が大問題になっている事実を、私たちは深刻に認識するべきではないでしょうか。
国は、番号法67条〜77条に罰則の強化を謳い、「情報保護の様々な措置をとっている」と言ってはいますが、私は次の5点を質問します。
@ 従来の住民基本台帳システム特に「住基カード」の取り扱いの現状と、それについての市の評価を伺います。
A 今年10月に実施される通知カードの送付については、住民登録をしている全国民に郵送されるとのことですが、例えば住民票のない人やDV被害にあって住所を公にしていない人など特別な配慮が必要な事態が予想されます。今後どんな事態を想定し、どんなトラブル未然防止策を検討されているのか、お尋ねします。
B 通知カードを受け取った後、希望者には顔写真やICチップが入った「個人番号カード」を交付するとしていますが、その手数料を国民が負担するかどうかは国で検討中とのことです。横手市は個人番号カードの交付に際して、市民に負担してもらうという方向でしょうか?また交付する際、本人確認はどのようにするのか伺います。
C マイナンバー制度の実施に向けて自治体で必要な導入の準備があるといわれています。住民基本台帳や税務、福祉などのシステム改修・中間サーバーの設置等々のシステム改修を始め、先に述べた番号通知や個人番号カードの交付体制、住民へのPR、職員の研修等実に多くの作業を地方自治体がしなければなりません。
中でも既に様々作られてある団体の宛名について重複された個人名を削除した上で付番された団体内統合宛名番号と、個人番号さらに宛名情報を管理する「団体内統合宛名システム」を自治体で整備しなければなりません。それらに要する経費と市の負担はどれほどになるのかお尋ねします。
D この、マイナンバー制度は住民基本カードとは違い、法定受託事務であって「横手市は導入しない」と拒否することはできません。
それなのに国民の7割が「よくわからない」とアンケートに答えている状況をみれば、従来のシステムと比べてどんな利便性があるかなど、住民への周知が大きな課題になると思われます。この対応策を伺います。
3. 雪祭りの総括について質問します。
全国的に知られる「かまくら」と、市内各地で様々に繰り広げられる 「ぼんでん」といった伝統文化行事を継承発展させるために、今冬、 成功理に開催された雪まつりの総括と、今後の課題、そしてその課題解決の具体策をお尋ねします。
私は、この十数年間、横手南小学校横に設置される「かまくら通り無料休憩所」のお手伝いや、地元町内のぼんでんづくりから旭岡山神社に奉納した後の賄い手伝いをしてきました。
今年はとりわけ「かまくら祭り」に際し、3Dプロジェクション・マッピングという大がかりな取り組みで集客が大幅に得られたことや、ぼんでんコンクールで初めて「観光客特別賞」が設けられ、我が安田原昭和会がその栄誉にあずかったことも記念すべきことでした。
地域の人々や横手を訪れてくださった人々と交流する中で話されたことを踏まえて質問します。
今回のかまくらまつりは休日の開催があったことも大幅な集客ができた要因と思います。かまくらやぼんでんは、昔から日程が決められている小正月の伝統文化行事ではありますが、今後、祝祭日や休日をどう活用するか当局のお考えを伺います。
加えて、少子高齢化が著しい横手市においては、伝統行事の担い手をどう確保し次の世代に伝えていくかが大きな課題であると思われます。そのためにどのような手立てを講じていくお考えか伺います。
以上で私の質問を終了しますが、この3月をもって市役所勤務を終えられる職員の皆様、長い間、本当にお疲れ様でした。
これからは、市民協働で「小さくても輝く自治体」をつくっていくという地域から発信する課題が、お住まいの地元で皆様のお力を待っています。
どうか今後豊かな人生をおくられるにあたり、地域づくりのカナメや支え手としてご活躍くださいますようご期待申し上げて、これまでお世話になったお礼に代えさせていただきます。ありがとうございました。
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