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    2014年12月議会の一般質問
 
  日本共産党の立身万千子です。総選挙真っただ中での一般質問となりますが、私は横手市が直面する様々な困難を乗り越えて、市民が豊かに生きていけるまちづくりを目指す思いから発言します。
 今、国政に目を転じると、安倍首相は、圧倒的多数の与党勢力を有して安定しているはずの政権を、任期途中で解散させました。
そしてその費用はおよそ600億円、我が横手市でも4200万円の血税を使い、何ら大義のない党利党略の総選挙に突入したわけです。
先日、テレビの街角インタビューでは「景気が悪い」「仕事がない」と答える国民の声に「おかしい。選んでおられる」とイキリ立つ首相が放映されました。国民に追い詰められて安倍内閣は2年と持たずに衆議院を解散せざるを得なかったと言えるのではないでしょうか。
それでも「過半数は獲得できる」と見込んでいる安倍首相が目玉政策としているひとつに「地方創生」があります。
市長の所信には「国は、政府一体となって取り組む“まち・ひと・しごと創生本部”を設置し、人口を維持するための“長期ビジョン”と、制度や政策を総点検し、改革を実施するための5か年計画である“総合戦略”を年内に取りまとめるとしているが、具体的には不明。地方自身がやる気やアイディアを出し、国は様々な形でそれを支援する…としている」と期待をにじませた説明がありました。
この「地方創生論」の源は、今年5月に民間研究機関の日本創世会議・人口減少問題検討分科会が発表した調査結果であり、座長が増田寛也元総務大臣でした。「地方消滅」という所謂“増田レポート”です。
「秋田県は大潟村しか残らず、すべて消滅する可能性がある」と発表されました。
現実として人口減少は、我が横手市にとって極めて重大な喫緊の課題です。しかし私たちは、もう少し冷静に、この「地方消滅論」を分析する必要があるのではないでしょうか。
特に「東京一極集中への歯止め」を強調しながら「若者に魅力のある地域拠点都市」を中核とした「新たな集積構造」を構築するという問題があげられます。地域拠点都市や地方中核都市とは、人口20万〜40万の県庁所在地などを指していて、それより小規模な所は「広域の連携」を進めるというのです。
増田レポートでは「農林水産業の再生で地域経済を支える基礎づくり」を提起していますが、それも地域拠点都市のことです。農村空間・農村自治体は必要とせず「世界で最も企業が活動しやすい国」を目指す安倍首相の方針を表したものと言えるのではないでしょうか。
さて、所信説明の中で、市長は「農業が横手市の基幹産業」「農地山林をフル活用」と市政運営の決意を示されました。まさに今、来年度の予算編成を煮詰めていく時期にあたり、横手市が消滅するのではなく、存続し、次の世代に継承発展していくための施策が必要であり、そうした観点から、次の通り質問します。

1. 組織機構の再編にあたって「まちづくり推進部」を新設するという提案がなされました。それぞれ歴史と特色ある文化を持つ8つの地域が横手市として発展するためには、この部署の位置付けが大きな意味を持つと、私は期待します。その上で、この部署の担うべき役割について3点お尋ねします。

@ まちづくり推進部の職務は「市民と地域の力を活かしたまちづくり部門を担当する」として具体的には、地域づくり機能を集約し、各地域局を配置する。生涯学習とスポーツ関連業務を教育委員会部局から移管する。増田の伝統的建造物群の推進室を含む歴史まちづくり課を配置する・・・とのことです。私はこれにより、地域づくりの担い手にとって、より年代的に若い層の受け皿ができ、幅広い市民の参画ができるだろうと期待するものです。
 その中で、特に各地域局との組織展開・組織強化を図るための具体策について、現在の地域局と違う点は何かということも含めてお聞かせください。

A このまちづくり推進部が、市民協働や男女共同参画の推進も担当するとのことです。昨年度制定された横手市自治基本条例には、第2条「まちづくりとは、市民一人一人が生き生きと活躍でき、安全で安心な住み良い豊かな地域社会を実現するための公共的な活動である」と定義づけられています。第3条には「主体は市民である」と謳っており、市民はお客様ではないのであって、前文にも掲げてあるように「まちづくりの主人公は市民」なのだということを、私たち市民は再認識するべきではないでしょうか。この点を踏まえて、地域づくり協議会の位置付けを中心に、市民協働の具体策を伺います。

B まちづくりの大きな課題に「地域包括ケアシステムの構築と運営」があると考えます。高齢化率が3割を超えている我が横手市において、福祉部門のみならず、すべての部署で関わるべき重点施策である地域包括ケアシステムを、どう実効性のあるものにしていくか、お聞かせください。地域住民の中に最も深く入り、問題を発見し、関係各部署に繋ぐことができる任務の一つに保健師の業務があると思われます。行政だけでは限界があり、様々な地域の力と保健師を主体とした職員とのチームワークが問われる課題を、市長はどのように実践されるのでしょうか。来年度から本格的に実施を迫られている地域包括ケアシステムについてのお考えを伺います。
今回は、まちづくり推進部に言及しましたが、組織再編にあたって留意しなければならないのは、市民にわかりやすい組織にすることではないでしょうか。ネイミングひとつにしても、市民目線で組織再編するべきと考えるものです。

2. 次に横手市において深刻で重要な課題である「雇用」について質問します。市長は来年度の予算編成にあたり、最重点項目の一つに「産業を育成し雇用を創出する」と位置付け、一般財源の追加配分を想定するとのことです。産業の育成だけでも様々な継続や新規事業に取り組まなければならない課題ですが、私は雇用の一方策として、次の三点について市長のお考えを伺います。

@ 生活困窮者自立支援法が来年4月から施行されます。これまで十分ではなかった生活保護受給者以外の生活困窮者に対する「第二のセイフティネット」を拡充するものという位置づけですが、就労その他の自立に関する相談と、失業により住宅を失った人に対して家賃相当の住宅確保給付金を支給する等々の事業によって仕事に就き自立できた事例を、私たちは厚生常任委員会の釧路市での視察などで学んできました。
 不安定な派遣や非正規労働が増大している昨今の社会情勢下では、生活保護に至る前の段階から早期に手立てをする必要性は理解するものですが、横手市ではこの生活困窮者自立支援制度を、どう活用するお考えか、伺います。

A 次に、若年無業者いわゆる「ニート」「引きこもり」と呼ばれる15〜34歳の労働力人口のうち家事も通学もしていない人は、2012年の総務省調査では全国に63万人いると推計されています。個人情報のカベにより実態は詳しくわからない状況でしょうが、横手市の現状とその対策について質問します。
行政はつなぎの役目を果たす立場として、どのように引きこもりの若年世代を雇用に結びつけて支援していく考えかを伺うものです。

B 最後に「農地山林をフル活用する」と重点政策に掲げられた市長のお考えを伺います。さきの9月議会で、私は代表質問の中で「バイオマスによる自然エネルギーで山林と耕作放棄地を含む農地を、これからの宝にするべく活用し、雇用を創出してはどうか」と提案いたしました。バイオマスだけではもったいない山の資源・林業資源の活用は今、全国の中山間自治体で本気度を増しており、積極的に取り組んでいる市町村がどんどん増えています。彩り葉っぱの徳島県上勝町。住宅産業との連携を強める高知県梼原町。“ゆず”だけではない馬路村の木製ガードレール。そして「消滅市町村」に該当した島根県邑南町は、横手市と同様に高齢化が頭打ちになっていく所ですが、定住促進対策に全庁一丸となって取り組み、合併10年目に人口が増え、平成25年には定住人口が128人増加、合計特殊出生率2.65と発展しています。
このように、総合的に全住民が取り組んで町が活気づくのであり、環境と住民自治を大切にした持続可能なまちづくりによって、農山村は消滅どころか発展を遂げるのだと、これらの自治体は10年先、20年先の総合計画を立てています。横手市として、市長は「農地山林のフル活用」をどう進め、雇用の見込みを立てていかれるのかお尋ねします。

以上で私の質問を終えますが、先般、市内の共助組織の活動を通じて行政と議会が研修した際に講師を務められた川北氏の提言にある通り、世界・日本の20年後、横手市の20年後はどうなるか、人口や高齢者率、生産人口等々のシミュレーションは客観的に打ち出すことが必要と考えます。その上で、自分たちが住み続ける地域の未来のために、本当に大切なことを実現できるよう、全力を尽くすことは困難であっても目指さなければなりません。   それは「行政任せ」では決してできないことであり、市民が協働することで生き抜けるモデル自治体は全国各地に存在しています。それらの事例は横手市でも既に、職員による「人口減少対策プロジェクト会議」で検討されていることと推察します。
NPOや企業の社会事業活動を支援されている川北氏は、1対1の業務・責任分担である「協働」から、これからは多様な主体による協働・小規模多機能自治でみんなが働く「総働」へステップアップしていきましょうと呼びかけられました。小規模多機能=小さい自治体でも、いや、小さい自治体だからこそ住民が輝いていける横手市を築いていくことを私も呼びかけて質問を終わります。


 






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