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日本共産党の立身万千子です。
冒頭に、私が、今強く感じていることを少し述べてから、質問に入りたいと思います。
7月10日に投票が決まった参議院議員選挙に向けて、安倍首相は消費税を引き合いに出し「今、引き上げれば低所得の方々に支障を来たしてしまう…」と10%引き上げの先送りを公表しました。
消費税は、平等ではなく、低所得者に大きな影響を及ぼすものであることを自ら白状したことになります。また「消費税は社会保障の財源にするために必要だ」と言いながら、これまで私たち国民が支払った消費税額は、大企業の法人税を減税した分とほぼ同額であり、トヨタなどは輸入戻し税等々によって一円も消費税を税務署に支払っていないという事実も、最近では多くの国民に知られるところとなってきました。
さらに、昨年9月19日に閣議決定し、それが議事録では採決されていないまま施行になってしまった安全保障関連法制により、自衛隊が南スーダンにPKOとして派遣される時期が近づいています。しかも派遣される部隊は、ここ東北の駐屯地からであることが決まりました。地元にいる自衛隊員家族の方々は「国を守るために身を挺して頑張ってくれることは身内の誇りだけれども、よその国の紛争に巻き込まれてしまうのはなんともやりきれないし、米軍の兵站活動の危険さを思うと就職させるべきではなかった…」と悔やんでおられることを聴いています。絶対にあってはならないことですが、自衛隊員が1人殉職すれば1億円かかるという予算計上がなされていることも事実であり、その原資は私たちの血税です。
今日から始まった参議院選挙に際し、マスコミをはじめ様々なところで住民の意識調査がされていますが、どれも「社会保障」と「経済発展」を望む結果が際立っていることは注目に値するのではないでしょうか。
そもそも「社会保障」とは、病気や貧困、失業など自己責任ではどうしようもない問題への社会的対応のことであり、家族や地域での助け合いでも対応できないからこそ生み出された仕組みです。
今から56年前の朝日訴訟第一東京地裁判決で「社会保障は予算の有無ではなく、むしろ予算を指導・支配すべきもの」と断言された事実を、私たちは今一度考える必要があるのではないでしょうか。
そして平成20年版の厚生労働白書で既に「社会保障の経済波及効果・雇用誘発効果は、公共事業などの他の産業よりも大きいことが実証されている」ことも重要です。
市長は昨日「社会保障とは?」という質問に「独立・自尊の生き方を全ての市民が持つべきである。これまで人々は地縁血縁で支えあってきた。如何ともし難い場合はいずれかのセイフティネットにかかればいいが、その手前で救いあうもの。」という内容の答弁をされたと認識しています。
しかし、社会保障を自己責任や助け合いに帰結することは歴史に逆行するものと言えるのではないでしょうか。「社会保障はムダ」とか「経済成長のジャマ」という非科学的な考えとは決別し、正しい認識に基づいた政策展開が必要であると私は思います。
それでは通告に従って質問します。
1、 はじめに、社会保障のうちでも、今の議会で今年度の保険料が決められる国民健康保険について伺います。
昨年5月に国民健康保険制度の改正が国会を通りました。
これにより平成30年度から国保の運営が市町村の手を離れ、都道府県に移管されることになりました。しかしその後の具体的な問題については議論されていないのが現状ではないでしょうか。
市民の暮らしと健康を守る保険医療がどうなるのかは重要なことであり、国民健康保険以外の保検に加入している市民にとっても係わりが深いことから、私たちはもっと関心を持たなければならないと考えます。
@ そこで、まず現在の状況と今後のスケジュールがどうなっているのか伺います。
また、横手市はここ数年、国保の保険料については据え置く状況が続いていますが、国保制度の改正により、新しい保険料がどうなるかが最も市民の関心の集まっているところです。
実際、全国の多くの市町村において、国保運営が厳しいと言われている中で都道府県への移管が実施されることになるため、各自治体の現場では国保の運営がどうなるのか懸念されている状況があります。以上のことから
A 番目に、都道府県に運営が移管されることにより保険料がどのような考え方や仕組みで決められてくるのか、さらにはそれによって市民が負担する保険料がどういうものになる見込みなのかを伺います。
2、 次に、後期高齢者医療制度について質問します。
この制度は導入された平成20年度当時の状況から、所得の低い世帯の方は、世帯主及び被保険者の所得に応じて保険料の均等割の額が軽減されています。
一方、後期高齢者医療の保険料率は、2年毎に改正されることになっており、平成28年度からの保険料率が先般決定されました。
今回の改定では、平成26〜27年度と同様に保険料率が据え置かれました。同時に所得が一定以下の世帯に適用される保険料の軽減措置については平成27年度と同じ割合で継続されることになりました。
しかしその一方で、平成29年度から保険料の9割軽減等がなくなるなどのことが決まっているわけで、市民、特に収入の限られた高齢者では影響がどうなのか、非常に心配されます。
そこで質問ですが、まず現在の保険料はどういう状況にあるのか、その状況を踏まえ国民健康保険が制度改正される中で、今後の後期高齢者医療の方向をどう展望するかについて、広域連合の議員でもある市長のお考えを伺います。
そして、平成29年度に軽減措置がなくなることの影響は、横手市においてはどの程度になる予想かもお聴かせください。
3、 次に、健康医療保検を通じて地域づくりをするための横手市の課題と対策について質問します。
地域の医療需要や市民の健康生活に関する問題を分析・把握することはまず第一歩であり、市民が主体性を持ち、行政とともに地域づくりを進めることが必要不可欠と考えます。特に秋田県では罹患する疾病の中でも脳卒中と胃がんが全国worst 1という不名誉な実態があります。
これに対し、合併以前から各自治体では、それぞれ工夫をこらして対策を講じ実践してきたと聞いております。
8市町村がひとつの横手市になり、4つの総合病院・8つの食生活改善協議会・JA健康推進協議会など様々な組織との連携で取り組んできた実績と教訓を踏まえて、医療費の抑制や健康寿命を延ばす具体的な政策をどう展開していくか市長のお考えを伺います。
以上が私の通告した質問ですが、市民が健康でイキイキ暮らせる地域をつくっていくことこそが今、極めて重要な課題であり、定住促進や少子化対策を進めるためにも重要な政策課題であると私は考えます。
国は、今後介護保険でも、要支援のみならず要介護1や2の認定者さえも介護保険の適用から外そうとし、地域ケアシステムや自助・共助といった概念を社会保障の理念にしていこうとしています。
始めに述べた通り、社会保障とは、国の責任を投げ捨てて「地域社会で助け合いなさい」というものではなく、この国に住む「私たちが心と体それぞれに合った働き方ができ、暮らし続けることができるためのセイフティ・ネット」なのだと私は考えます。
その意味で地域社会の人々が様々な立場から助け合うことが必要となり、国に対して働きかけていくことが重要となるでしょう。
8年前、後期高齢者医療制度が成立された時に、地方自治体や国民の大きな怒りの声によって、国は保険料について9割もの軽減策をとらざるを得なくなりました。
さらには農業のみならず国民生活全般に大きな影響を及ぼすTPP問題。医師会の方々が憂慮しているように、日本がTPPに加盟してしまえば、混合診療は益々増え、ジェネリック医薬品は使えなくなる恐れがあります。
世界的にも優れた私たちの国民皆保険制度をなんとしても守り抜くため、この横手からも切実な声をあげていくことを呼びかけて質問を終わります。
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