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       2015年9月議会一般質問
 

 日本共産党の立身万千子です。
記録的な暑さが続いたこの八月を乗り切ってこられたご高齢の方々は「70年前もこんな夏だった」と振り返っておられました。 そろそろ秋風が吹いてきましたが、とりわけお年を召した皆さんの健康を願うばかりです。
 70年といえば、天皇陛下による終戦が告げられ、命からがら満州から引き上げてきた家族。抑留生活からようやく復員してふるさとにたどり着いた人々。何千人にものぼる遺族の方々など、人々の記憶とともに甦る戦争の爪痕は、横手市内でも至る所に見られます。
 しかし、かけがえのない命を犠牲にさせてしまったことへの反省は、どこに消えたのでしょうか。
 「もう過ちは繰り返しません」「二度と戦争はしません」と誓ったはずの日本が、今また戦争への道を進むのではないかと危惧されるとき、世界の国々に平和を守ることを発信できる国にしていこうと、今まさに全国津々浦々で大きなうねりが起こっています。
 先の8月30日には、全国各地で100万を超える人々が安全保障関連法案を廃案にさせなければ!と声を上げました。この横手市でも29日に市内の公園を会場にして様々な考えの市民たちが、憲法違反の戦争法案はキケンだ、廃案にさせようという行動を起しました。
 自衛隊を、憲法でも認めていない「軍」と位置付けて憚らず、アメリカが他国へ侵攻するための武器・弾薬を運ぶ、非常に危険な兵站活動をさせることなど、次々と矛盾が明らかになってきている、この安全保障関連法案に対し、私達は傍観者ではいられない!と思います。
 残念なことに、佐竹知事はいち早く法案賛成の意を示しましたが、それに対し、秋田県議会の中では議員達で9条の会を結成し、秋田市で大きな集会を成功させました。
 市長はこの、「戦争」法案とも言える法案にどんな考えをお持ちなのか、冒頭にぜひ市長のご所見をお聴かせ頂きたいと思います。
 私は、横手市民の誰もが、平和の下に、不安なく住み続け、次の世代に引き継ぎたいと願っていると確信するものです。
 さて、そのような中で、地域を維持するための横手市の人口ビジョンが発表されていますが、年間に何世帯の増加が必要か・・という「政策的増加人口」を目安にすることはやはり必要です。
 そしてそのための裏付けとなるのが「所得政策」「雇用就業政策」さらに「自然環境」や「子育て環境」を含む“地域社会の住み良さの総合力”だと言われています。
 けれども国の地方創生政策について、片山善博・元総務大臣が次のように述べていることに、私達は注目する必要があるのではないでしょうか。
 「国が掲げる地方創生政策は、政・官・財各々の考えが集まっているタテ割り行政に好都合な“分野別の基本目標設定”である」と。
 その意味は「旧建設省の建設系や都市工学系官僚と、その業界の天下りOBはコンパクトシティを期待し、また総務省では、失敗した平成の大合併後の広域化を期待するなど、別々の省益・思惑が集まったのが、国の意図する地方創生政策だ」と片山氏は指摘しています。
 「しかしながら地方自治体は、そのような旧建設省や総務省、財務省、厚生労働省等の思惑に左右されることなく、地域住民のための総合施策にしなければならない」と彼は述べています。
  このように、国の「地方創生」に問題はある中でも、今年度末までには地方人口ビジョンと地方版総合戦略を策定しなければならない現実があり、地方自治体である横手市の職員の皆さんは大変困難な過密スケジュールをこなさなければならない状況にあるようです。
 しかし、市としては国の「地方創生」事業を主体的に活用して、住民と地域の利益を増進させることが必要という観点に立ち、私は6月議会に引き続き「地方創生」事業における今後の課題について、次の質問をいたします。


1. 市長は所信説明で横手市の地方創生事業の進捗状況を話されました。先日の遠藤議員による代表質問でも取り上げられたように「多子世帯向けのプレミアム商品券」が完売に至らなかったことや、消雪・融雪推進事業の二次募集を開始すること、市の基幹産業である農業の展望など、これまでに明らかになった課題を、どう解決していかれるのかお尋ねします。
@ まず、消費喚起・生活支援型事業についてお聞かせください。
A 次に、先行型事業について、今後の具体的方針を伺います。


2. 続いてマイナンバー制度についてお尋ねします。
 これについて、私は今年の3月議会で一般質問をしましたが、10月の法律施行を前にしての当局の取り組みをお尋ねするものです。
 先月、市内21か所で実施した議会報告会では、どの会場でも市民から「マイナンバー制度」というものに対する不安や疑問の声が出されました。
 市では、市報やHP、横手かまくらFMラジオなどで周知を図り、事業所向けの説明会も始めるとのことです。
 しかし、日本年金機構での個人情報流出事件、さらには、まだマイナンバーの通知カードすら届かないうちに日本年金機構が「住民票の住所申出書」の提出を求める書類を221万人の年金加入者に送っていたことが発覚するなど、連日マスコミを賑わしている状況では、市民の不安は募る一方と懸念せざるを得ません。
 そこで、1点目に「横手市においてセキュリティ対策は万全か」お尋ねします。具体的には次の3点を伺います。


@ 年金機構の情報が漏れた要因は、番号をつけた個人情報を保管
する「基幹系ネットワーク」と、インターネットに接続する「情報系ネット」が分離されているべきものをコピーしたことから始まったと報告されています。横手市では、この二つのネットワークの接続状況がどうなっているでしょうか。


A さらに当市では個人情報を情報系ネットワークに移動させて作業しているかどうかお尋ねします。


B 3つ目に、当市において個人情報保護のための措置である「特定個人情報保護評価」(PIA)を番号法に則って実施し、国の第三者機関である「特定個人情報保護委員会」の承認を受けているかどうか伺います。これは、情報システムが個人情報をきちんと保護できる仕組みになっているか否か、自治体などが作成した評価内容を当該委員会が承認し、公表することを義務づけて安全性の柱としているものです。
 ご承知のとおり、全国の自治体では、職員の数をどんどん削減している中で、一人の職員が様々な業務を掛け持ちせざるを得なくなっており、わが横手市においても同様です。
 そして今、国勢調査、さらにマイナンバー制度の実務など極めて重要な業務が重なってくることに市長はどう配慮されているでしょうか。ただ単に非常勤職員を増やして対応すればいいという問題ではありません。
 自治体によっては、今お尋ねした3つの質問項目すべてに手をつけずにいるところもあるそうです。横手市はそんなズサンな方法はとっていないと信じますが、市民が心配するようなトラブルを防ぐために、せめて法律に則った対策はしっかりと講じて頂きたいと願うことからの質問です。


次にマイナンバー制度実施にあたり、「市役所の受け入れ体制」は万全か、お尋ねします。
@ 市民課に窓口を特設し、2名で対応するとのことですが、厳しい罰則が明記されている番号法に則って非常勤嘱託職員に責任を負わせていいものかどうか危惧せざるを得ません。特に、3月や9月等の転入転出が多い時期は住民票の変更などにより、個人カード交付手続きを始め大変な混乱が予想されます。さらにDV関連等々で、住民票を明らかにできない市民に対し、万全に守れるか懸念しますが、地域局での体制も含めてご答弁をお願いします。


A この制度で非常に難儀をするのは、従業員の番号管理やそのためのシステム導入等に労力と高額な資金を要することになる中小零細企業ではないでしょうか。市報等々での周知だけでは不十分ではないかと考えますが、商工会・商工会議所で相談窓口を設置するなどの具体的対応を協議されておられるかどうか伺います。
 いずれにしても、繰り返しますが、個人情報の漏えいや悪用の危険性を一層高めることになるマイナンバー制度は、私としては反対ですが、横手市当局には、第二次総合計画のたたき台に示されているようにマイナンバーを活用した市独自のサービス提供等、あくまでも市民の立場に立ち、しっかりとした対策を強く求めるものです。


 以上で私の質問を終わりますが、今、まさに日本列島が騒然となっている時、国が安全保障関連法案を何が何でも成立させようとする狙いはどこにあるのか、私たち国民はしっかりと見据えなければならないのではないでしょうか。
 「国の問題だから地方は関係ない」という見方はあたりません。この法案は、地方に住む私たちを直撃する重要な内容を満載しています。
 国は、生産年齢人口に加え、うがった見方をすれば所謂「経済徴兵制」即ち「授業料や学資ローンを支払えなければ自衛隊で一定期間働くと減免できる」と文部科学省の審議会で提案されたように、貧困・生活苦から進んで軍隊に入る仕組みに対応できる世代も減少することに危機感を持ち、人口問題の解決を第一義として「地方創生」を打ち出しました。
 年々増加する社会保障に要する費用を削り、しっかりと税収を確保するために国民一人一人に番号をつけることを急ぎ、個人カードでマイナポータルを使えば確定申告も簡単にできる等々国民にも自治体にも利便性のみを主張しているのが現実といわざるを得ません。
 8月28日にはマイナンバー法の改正案が参議院で可決されました。日本年金機構には当面マイナンバーを扱わせないことに規定しましたが、3年後には個人の預貯金口座の情報についても、本人の同意を条件にマイナンバーに結びつけられるようになります。さらに予防接種の記録も結びつけるなど、国は税金のみならず範囲を拡大する方向で、市民・国民の不安や疑問はいっこうに払拭されません。
 国は、このマイナンバー制度改正案を成立させた後、安全保障関連法案を始め、労働者派遣法改定案や農協改革法案など、国民の大規模な反対を押し切り、今国会で次々に成立を図ろうとしています。
 けれども国民の声が最も身近に聴こえ、施策を工夫できる所が地方自治体であり、私達の住む横手市だと言えるのではないでしょうか。
 国家が先にあるのではなく、住民がいてこそ国ができていくのですから、冒頭申し上げたように、私たちは「市民誰もが平和の下に、不安なく住み続け、次の世代に横手の文化も歴史も産業も経済も引き継げる地域づくり、まちづくりをしていこう」と強く訴えて、質問を終わります。












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