|
|
「9月議会が終わりました」
9月17日、市議会の最終日は、2014年度の決算認定や多目的アリーナ構想の調査にかかる費用などが盛り込まれた補正予算など、48の議案の採決がありました。
私は一般会計の決算認定について反対討論をしましたが、賛成が23で可決されました。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
平成26年度一般会計決算認定に反対の立場で討論します。
この年度は、公営企業会計を除いた一般会計・特別会計が全部黒字の結果となりました。まずは、職員の皆さんのご努力に敬意を表したいと存じます。
しかし、一般会計についてみると、これまでの決算審議、総括質疑に表われているように、市長が言われる横手市の基幹産業である農業の施策について言及すると、当該年度は豪雪による被害等で果樹農家は、貸付では返済のメドがたたず、続けることが困難だ〜という声を上げていました。
県や農協との連携を密にすること、市独自の手立てをより手厚く講じること等の必要性・重要性がこの決算から導きだされるのではないかと思われます。
また、今後、地方創生の事業を展望するにあたって顧みても、発酵文化に関する事業や自然再生エネルギーに関する事業などは雇用や子育て、人口問題解決になくてはならない地域内経済循環を実現する重要な要素であると考えるとき、眼に見える具体的な成果がなければ、これからの足掛かりにできないのではないかと懸念します。
財政健全化判断比率の状況に照らしても、当該年度は有利な起債の活用等で基準財政需要額の算入額が増加し、実質公債費比率は低下しました。しかし、クリーンプラザ建設、学校統合を皮切りにこれから予定されている地域局の改築や地区交流センター建設、最終処分場整備など、市民生活に必要ではある大型事業の影響により、今後は元利償還額がさらに増加することが見込まれるため、近い将来、実質公債費比率が悪化することは確実です。
税収の減少が予想される中でも、広範な面積を持つ横手市の各地域で暮らす住民のニーズをしっかりと把握し、その声を少しでも大きく反映させることができるよう真摯に事業を展開していくために、敢えて警鐘を鳴らす意味で、この決算認定に反対するものです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その他の主な議案審査結果を報告します。
@新婦人と革新懇から「安全保障関連二法案の撤回・廃案を求める」陳情が出されていましたが、総務文教委員会で「継続審査」にするべきものと話し合われ、私と齋藤勇議員はきっちりと採決するべき緊急の課題であることを鑑み、継続審査に反対しました。本会議では「継続審査に賛成か反対か」の採決が行われ、2対23で「継続審査」となってしまいました。
議員各自のブログ等々では「安倍のやり方は危険だ」「審議が不充分なまま採決するのはおかしい」などと表明しているのに、いざとなれば国に意見をすることができない自治体では、住民の安全安心に責任を持てないではないか!と残念に思います。同時に議員達を説得できない自分にも情けない・・・の思いに尽きます。
A秋田民主商工会から提出された「マイナンバー制度の実施の延期と改正案の凍結を求める」陳情は、齋藤勇議員が賛成討論をしましたが「法律で決められたことだから地方自治体で反対しても、どうにもならない」といった理由により賛成は私たちの2、反対が23で不採択になりました(上小阿仁村議会は採択)。
また、同団体から提出された「所得税法56条の廃止を求める」陳情は、私は次のように賛成討論をしましたが、陳情趣旨に人権と税の問題を関連させることには無理があるなどという理由により賛成2、反対23で不採択になりました(上小阿仁村議会・五城目町議会・にかほ市議会は採択)。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「所得税法第56条の廃止を求める意見書」の提出についての陳情に賛成の立場で討論します。
この法律は明治20年に制定され、第1条の但し書きに「同居の家族に居するものは総て戸主の所得に合算するものとす」と明記されています。つまり戦前の「家」制度に寄っているわけです。
戦後の新憲法24条「家族における個人の尊厳と両性の本質的平等」によりその「家」制度は廃止されました。ところが課税当局の言い分は「もともと我が国の中小業者は家族全体の協力で成り立つものが多く、家計と事業経営が充分に分離されてない。さらに家族の分の給料を必要経費に認めると、租税回避の手段として利用される恐れがある」というもので、中小業者の家族とくに業者婦人の役割が認められてきませんでした。
しかし業者婦人は、取引先への請求や資金繰り、従業員への福利厚生などを一手に担い、租税回避どころか家計を経営に繰り入れなければ事業を存続できない状況にきているのが実情といわざるを得ないのではないでしょうか。
青色申告にすればいいという声がありますが、青色申告の場合は所得税法57条により、特典の一つとして給料を必要経費とすることを認めています。この狙いは帳簿書類を基礎とした正確な申告を徹底させることにあるもので、2014年1月からは総ての事業者が記帳を義務付けられたため、課税当局が申告の種類に格差をつけて白色申告者に家族の働き分を必要経費として認めない差別を続ける理由は最早なくなっています。従って、所得税法56条は必要ありません。
国会でも、2010年には峰崎財務副大臣が「家族従業者の対価をどうするか考えたい」と答弁し、また当時の直嶋経済産業大臣は「56条は見直す意義がある。政策は省庁で横断的に実行したい」と答弁しています。
このように、政府の捉え方も変わってきており、今年6月現在でこの意見書を採択した自治体の議会が402にも上っていることから、我が横手市においても、地方創生の要となるべき「地域内循環経済」の中心的担い手である中小事業者の家族に対し、後継者の確保という点からも働きやすい環境を整備するために、この陳情の願意を妥当と認め、採択することに賛成します。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
B先の6月議会で市長が突然提案した、多目的アリーナ建設構想について、850万円の調査費を含む補正予算は、委員会で否決され、本会議で、修正案が議員有志から提出されました。
私達は調査費の850万円をすっぽりと削除する修正案を考えていました。しかしそれでは賛成票が過半数に達することが見込まれず止むをえない妥協策として850万円を予備費に組み替える修正案に同意しました。
結果はその修正案が1対24で採択されました。予備費を使ってまでアリーナの建設・運営・財源などを調査することは不可能であり、当局の深い反省を求めるという意味です。
7月に実施された各地域ごとの議会報告会でも、市民からの不安・疑問が必ず出た「多目的アリーナ構想」は、もっともっと市長も当局もそして議会も、市民の切実な声を真摯に聴ききること、財源と運営などを厳しく見ていくことが必要と思います。
市長は「リベンジして提案しなおす」と発言しました。来年度の予算編成がなされる12月議会、そして3月の年度末まで地方創生の総合計画・総合戦略とともに気を抜けません。
|
|
|