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          2017年12月議会一般質問
 
 日本共産党の立身万千子です。
 2017年も師走の時期となりました。この一年を振り返るとき、世の中の動きはどうだったでしょうか。
 我が横手市では、比較的雪の少ない冬が終わった後、夏には予想を超える自然災害そして農業被害に見舞われました。「ここは景色もいいし、一生住みたいと思って家を建てたのに…」と落胆される住民の方々や「山が崩落したが民有地のために復旧は市や県には頼めない」と諦める方もおられました。心からお見舞い申し上げるとともに、私も農水省や国交省など省庁交渉に参加し実情を訴えて参りました。今後なお一層、国・県との連携を密にして復旧事業を確実に推進するよう私共も力を尽す所存です。
 しかし、肝心の国はどうでしょうか? 相次ぐ北朝鮮の不穏な動きに対し、中央政府は圧力一辺倒で対峙する方針を曲げません。特に、強力な電磁波で人体と環境に及ぼす影響が大きく、また地上に固定されるため格好の標的にならざるを得ないイージス・アショアを、何の説明も無しに秋田県と山口県に設置する計画が明らかになるという切迫した現状を、私たち秋田県に住む者として黙認するわけにはいきません。地元の安心・日本の安全を第一に考えたとき、どうするべきか、私たちはしっかりと声をあげていかなければならないと思います。
 そのような社会情勢の下、市長は、今議会の所信説明で「平成30年度の当初予算編成にあたり、市の総合計画・総合戦略上の基本目標の実現を目指し、7つの政策、34の施策を着実に推進するとともに新たな課題にも積極的に取り組む」と表明されました。
 今回私は、その中の「安心して子どもを産み育てられ、みんなが笑顔で住み続けられるまち」をつくるために次の質問を致します。

1、 はじめに、学校給食費の保護者負担を無料にできないか、市長のお考えを伺います。これは実現可能であり必要性が高いものと判断し、私は今回の市議会議員選挙において、そのことを公約に掲げました。
 日本の国の経済力は、中国の台頭はあっても依然として世界トップクラスといわれています。にも拘らず子どもの貧困が大きな問題になっており、その背景として大金持ちが増える一方で年間所得が200万円以下という国民も増えていることはご存じのとおりです。この大きな経済格差を解消することはもちろん必要ですが、まずは子どもを「衣食住」の「食」の分野から救わなければと、様々な取り組みがなされてきました。横手市でも旭地区やサンハイム等で行われている「子ども食堂」は、主催者をはじめ多くの市民団体が力を合わせて活動を展開し、子どもが一人で食事せざるを得ない「孤食」(子どもたちは、ぼっちごはん!と言っていますが)を解決するとともに、みんなで作って食べる「楽しい居場所」として大きな意義を持っていると評価されています。
 また、昨今はダブルワーク・トリプルワーク等を余儀なくされている親御さんも少なくありません。ですから調理の時間を逸してしまい、つい発がん物質を含んだ食材などの長期的な摂取によって健康を害する食品を食べさせてしまうという問題も指摘されています。
 実際にいわゆるTPPや日米FTAを締結しようとする動きが激しくなっている現在、協定を結ぶ前から遺伝子組換え食品など多国籍企業で扱う農産物や養殖漁貝類が日本の市場に進出していることはご承知の通りです。
 そのような環境から子どもたちを守るために行政ができることは何か?と考えるときに、学校給食の大切さが位置づけられるのではないでしょうか。地産地消を基本とする安全な食材や栄養バランス、そして保護者の負担軽減など行政が担うべき点はたくさん挙げられますが、秋田県ではお隣の東成瀬村、そして八郎潟町が学校給食費の保護者負担無料化を実施しており、大手新聞の調査によれば、いまや日本全体でも57自治体が取り組み始めました。その中には小規模自治体のみならず、人口74500人ほどの栃木県大田原市や11万6000人規模の滋賀県長浜市さらには69万6000人を擁する東京都江戸川区も、子育て支援と少子化対策の観点から学校給食費の無料化を実施しています。
 横手市においては小学校が1食275円、中学校が305円で年間185食と設定すれば小学生が一人年間50875円、中学生一人に付き年間56425円で、保護者の負担は合計で、年額3億1406万5250円と試算されます。
 一方では「低所得で生活が苦しい家庭は就学援助などで手当され、給食費未納は親の責任である。それを行政が市民の税金で補てんするのは問題だ」という声も確かにありますが、中学生にもなると、自分の保護者の状況を薄々感じ取り、お昼の時間に席を外して給食を食べない生徒もいると聞いております。親はどうであれ、子どもに罪はありません。約96億円の財政調整基金から3億円を取り崩してでも、将来の横手・日本を担う子どもたちを健康に育てていくことの意義を、市長には真正面から受け止めて頂きたいのです。市長、いかがでしょうか?

2、 学校や職場のメンタルヘルス対策について、2点質問します。
 例えば、引きこもりの状態が小中学校、高校、大学も含めると16年間にわたり、その延長で就職しても困難が続く子どもや、あるいは順調に学校生活を送り、いざ仕事に就いて頑張ろうと決意してから、何らかの理由で行動できなくなってしまう場合、本人はもちろんのこと、家族も周りの関係者も深刻に悩みます。それが所謂発達障害といった発達の特性に起因するものか、それとも長時間・過密労働の積み重ねによるものか、人間関係の問題か、原因究明は必要です。その問題解決のために行政がするべきことは何か、今が考えるときではないかと思い、重要課題として訴えたいと思います。
@ まず、市内における児童生徒の不登校・引きこもりの状況とその原因分析について伺います。また市内における企業の労働現場の実態はどうかお尋ねします。
A 次に、横手市として、包括的にそして学校や各企業に対し個別に、どう対策を講じておられるか伺います。これは、まさに緊急を要する課題です。市長の率直なお考えをお聞かせください。

3、 次の質問は、横手市において人口の35%を超えた65歳以上の高齢者についてです。
 第7期介護保険計画の下で横手市の目指す方向はどうか、以下の3点を伺います。とくに全国的には介護認定ではなく、安直なチェックリストによって判別し、要支援認定や要介護認定から外して介護給付を支給しない方向に進むことを厚生労働省が促している実態があります。その点を踏まえて
@ まず、横手市における年度毎の介護認定者数の推移を伺います。
A 次に横手市で実施している地域支援事業の取り組み状況はどうか、お尋ねします。
B 最近増加しているとみられる有料の高齢者施設などを含め、介護事業所の状況と、在宅介護との連携はどうなっているでしょうか。お答えください。

4、 最後に「まちづくり」としての地域包括ケアシステムをどう構築するか伺います。私は、以前からこの課題を質問してきましたが、市長のお答は「福祉」の分野と捉えての内容だったと受け止めて参りました。しかし、従来の予想を上回る速さでの少子高齢化や著しい人口減少など国民の実態が変化していること、それと市場経済を推進する中央政府の下で、公(おおやけ)の責任が薄くなって、その分地域住民による助け合い・共助や共生に依拠するように変遷していることもあり、法律の内容が変わってきていると思います。
 すなわち「医療介護総合確保促進法第2条1項」を見れば、地域包括ケアシステムとは「地域の実情に応じて、高齢者が可能な限り住み慣れた地域でその有する能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるよう、医療・介護・介護予防・住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される体制」と規定されています。それを掘り下げていえば高齢者がこれまで生きて働き、子育てし、地域社会を構築し、家族を見送ってきた経験と知恵を引き継ぎ、自立した日常生活を支え合うための本来の意味の「地域包括ケアシステムとは、赤ちゃんからお年寄りまで全ての地域住民の人生に継続的にかかわる支援体制」であると考えます。このことを踏まえて次の2点を質問します。
@ 横手市では、市内における各々の地域性を活かした協議体や直営の地域包括支援センター、そして公共交通ネットワーク、共助組織などが機能しています。民生委員や消防団員、町内の役員の皆さんがどの団体にも入って活動されている地域もあれば、様々な年齢・職業などで構成する団体で活動されている地域もあります。そのような中で、包括的な支援をするべき行政として、どう具体的に推進していくか? お尋ねします。
A 行政が支援体制を拡充していくために、介護保険制度開始と同時に市内を3ブロックに分けて業務している地域包括支援センターと、連携して活動するコーディネーターの存在が、現状では必要であろうと考えるものです。例えば昨今は、国の方針として、また当の本人の希望もありますが、在宅介護、さらに高齢者に限らず在宅看護そして病院以外での看取りという課題が大きくなっています。そのような状況の下で、在宅版トータル・ヘルス・プランナーの設置などができれば、より地域の実情が把握されて「まちづくり」に必要な地域住民の要望実現、課題解決の道が開かれるのではないかと思われます。市長はどうお考えでしょうか?

 以上が私の通告した質問ですが、今、改めて日本の国の基礎単位である「まち」を作るにあたって、そもそも「まちづくり」とは何か?を考え、議論するべきではないかと思います。私は「まちづくりとは、住む人が幸せに暮らせる地域をつくること」であり、そのために行政が中心になって「まちのあるべき方向性を目指し、現状の課題を解決すること」が必要と思います。では「あるべき方向性とは何か?」…私が思うに“誇りを持ち、心豊かに暮らせるまちの実現を目指していこう!”ということではないでしょうか。
 ある専門家のかたは「人口減少地域で何が一番困るのか」という問に「その地域に対する誇りを失うこと」だと答えられました。
 では、私たちはどうだろうか?と自問してみると「横手には何にも自慢するものがない」と、ともすれば言ってしまいがちな自分たちがいるような気がしてなりません。
 市長が所信説明で述べられたとおり「横手を愛する皆様が、横手の未来を常に意識しながら、持てる力を結集することで、全国に誇れるまちづくりを推進する」ご決意であるならば、ぜひ、この提案に耳を傾けて頂きたい! このことを強く訴えて質問を終ります。








  
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