「幼児教育・保育の無償化と保育行政」午後の部
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1月30日特別研修 午後の部
「保育研究所主催:幼児教育・保育の無償化と保育行政〜保護者・住民が求める保育施策とは」
午後は、5人のシンポジストによる報告と質疑応答でした。
「報告1」伊藤周平鹿児島大学教授のお話です。氏は元中央省庁の官僚で、当時は残業や休日出勤が続き、あのブラックな働き方は現在の公務労働も同じだろうと言われました。「働き方改革法」で解決できるか⁉ということです。
テーマは「消費税10%増税で保育・社会保障施策はどうなる?」です。ここでのポイントを報告します。
1)無償化の問題点
①消費税増税とセット……これまで低所得世帯には自治体独自等で軽減策を講じてきた。ゆえに当該世帯には無償化の恩恵は少なくて逆に消費税増税による家計の負担が増えることになる。
②待機児童の解消や保育士の処遇改善に、充分な財源が回されなくなる。
③給食費の実費徴収は、公的責任の後退になる。
2)子ども子育て支援
制度は、保育制度の「介護保険化」への布石……これは非常に明らか!
①給付金方式=支給認定を受ける子ども・保護者への現金給付と施設・事業者による代理受領
②直接契約方式=施設・事業者と子ども・保護者との契約 ◆民営化を進めると共に市町村の見届けが難しくなる。
3)子ども子育て支援制度の改善を!=保育所における市町村の保育実施義務を明確にし、認定こども園や地域型保育事業(企業内保育所 など)についても市町村との契約という形にすべき。
女性の就労から始まる制度になっているが、本来は子どもの「保育を受ける権利」が一番に掲げられなければならない!と力説されました。
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