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             2018年12月議会一般質問 

 日本共産党の立身万千子です。植田小学校の皆さん、ようこそ傍聴においでくださいました。この12月議会は「来年度の横手市をどんなまちにしていくか」を議論し合う、とても大切な議会です。皆さんは、横手市の将来を担っていかれるかたがたですから、ぜひとも貴重な時間にしていただければ幸いです。

 それでは通告に従って一般質問を行ないます。

 まず、私たちが住んでいる横手市をはじめ、今、私たちを取り巻く社会がどうなっていて、それが私たちの暮しにどんな影響を及ぼしているのかを、常にしっかり考えなければならないと思います。

 テレビや新聞で連日の報道を見るにつけ、憤りと残念な思いにかられるのは私だけではないと思います。日産の不正問題に伴うリストラによる大量の失業者、また、人手不足を理由にした外国人受け入れの問題、そしてそれ以上に考えなければならない、パートタイムやアルバイト、派遣社員という形で働かざるを得ない状況。さらに働くことができない状況にある多くの若い人たちの問題。結婚して子どもを産み育てたいと願う若い世代への対策などなど、あまりに多くの差し迫った課題があるにも拘わらず、安倍首相をはじめ、政府は解決に向かおうとしません。

 そのように国は根本問題に手をつけることもせず「少子高齢化が進む地域は自前で解決する工夫をしなさい」と、「地方創生」の名の下にそれぞれの自治体が消滅の危機から脱出するべく対策を講じるための「総合戦略」を一斉にスタートさせました。わが横手市でも総合戦略開始から3年たちました。

 秋田県そして横手市の人口は「少子高齢」が著しいことから、これまで様々な対策がなされてきたと思います。厚生労働省では昨年あたりから「地域共生社会」を築こうとさかんに言い出しました。2017年2月の「地域共生社会の実現に向けて」という通達には「制度・分野ごとの縦割りや、支え手・受け手という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が我が事として参画し・・・地域をともに創っていく社会」が「地域共生社会」だと定義づけています。

 私は、県や市町村といった行政自身の役割の大きさを常に念頭に置いて人口減少社会と向き合い、市民と行政が対等に知恵と力を出し合う「市民共同自治体」を具体化させて、まちづくりを進める必要があると考えます。そこで、大きく3つの質問をします。

1、 横手市における人口動態と予測について伺います。

7年後の2025年、さらに22年後の2040年には、どう予測されるでしょうか?

 2025年をいわゆる団塊の世代が75歳以上になる節目として、国は社会保障・税の一体改革が完了し、次を見据えた議論が必要と言っています。一方、これから生まれる子どもたちが社会に出る2040年を考えると「少子化の克服」も待ったなし!の状況です。

 今年3月31日の秋田魁新報では「2045年に県人口は60万人となり、県内の自治体はまちづくりに不安感がよぎる」と報道しました。これを受けて県内では「産業規模の維持に向け、即効性のある対策が必要」そして「この状況に対し悲観論と無関心が問題」との声があがっています。

 そうした中にあって私たちは、まず、自分が住むまちの予測を冷静に受け止めるべきであり、それをどう克服し解決できるかを模索しなければならないとの考えから、今後の我が横手市の予測について、どのようにお考えかを伺うものです。

2、 これまでの横手市の地方創生施策について質問します。

1 市では様々な施策を講じてきましたが、各施策の進捗状況と、中間総括を伺います。

2 その総括から導き出されると思われる今後の方向性を伺います。

 横手市では地方創生の施策を講じるにあたって市役所に勤務する正職員全員からアイディアを募集したり、総務省のメニューを検討したりと様々な取り組みをし、最終的に議会での議決を経て決めた「人口減少に歯止めをかけ、市の発展を見据えての施策」ではありましたが、現在の市長のお考えはどうか、お尋ねします。

3、 最後に今後の課題を具体化するにあたり、ぜひとも実践していただきたい2つのことを提案したいと思います。

1 横手市では、NPO法人の参画で2012年に誕生した共助組織が全国的に脚光を浴び、屋根の雪下ろし支援を皮切りに、買い物・通院の支援、野菜生産の後押しと活動は年々拡大しています。「行政頼みの考え方から抜け出し、住民たちは自ら行動を始めた」と新聞で紹介されました。このような市民参加の先進例に学び、さらに広げていくためにはあらゆる方策を取り入れることが重要ではないかと思います。 そこで総務省による「集落支援員」や「地域おこし協力隊」の導入が方策の重要なひとつと考えて、再度提案しますが、市長のお考えはいかがでしょうか?

 これについては数年前から何名かの議員や私も何度も提案しておりますが「失敗例が多いので取り入れない」とのお答でした。しかし、近隣自治体では、集落支援員の制度を効果的に導入することで、地域活性化が図られている例がみられます。

 総務省は2008年に集落支援員制度、そして2009年に地域おこし協力隊の制度をスタートさせました。

 「集落支援員」とは、地域の現状を地域住民と共に考え、地域の長期的展望を議論し、地域ビジョンを策定するという役割を担う存在であると定義づけられています。 その役割を担っているのは当該地域の自治会長などとの兼任が多いとのことですが、総務省ではわかりやすく例えて、集落支援員が「プロデューサー」であり、地域おこし協力隊の隊員は「役者」であると役割分担をし、各々の自主性を尊重しながら行政が支援していくと説明しています。 また総務省がさらに予算を充実させることも耳にしました。失敗例を恐れず、実施していくことが必要と思いますが、「集落支援員」と「地域おこし協力隊」について、どのようにお考えでしょうか?

2 2つ目の提案は、人口減少に歯止めをかける対策として、横手市内におけるひとつの自治単位である「地区会議」の範囲で各地区の人口1%増を目指すことを提案します。この考え方は、今年9月「地域資源の会秋田」の主催で開催されたセミナーの中で、全国に先駆けて人口減少対策に取り組み、成果をあげている島根県の藤山浩氏が提案されたものです。県や市町村単位ではなく、公民館単位など顔の見える範囲で具体的な目標を立てることが必要とのことです。地区の公民館あるいは交流センターを軸として市の職員を配置し、住民の活動を最前線でサポートすることが重要と私も考えます。

 市民生活というのは全面的なものであって、案内役だけのいわゆるコンシェルジュではなく、市民の日常生活に地域の公民館か、最低限でも地域局で対応できるようなフルセット型の行政が必要ではないでしょうか。効率的な行政をつくるのに必要なのは、民営化ではなく行政の権限をできる限り地域に移し、行政職員と地域住民が議論しながら地域の様々な課題を解決していくことだと考えます。行政の民営化や広域化ではなく「行政の地域化」を図ってこそ、市民共同自治体が具体化できるものと思います。

 しかし、残念ながら近年の我が横手市はそれとは逆の方向に動いているといわざるを得ません。それは今回の組織再編計画にも表れているのではないでしょうか。今こそしっかりと地域局の強化充実を図るために地域局の人員配置を重視する必要があると考えますが、市長のご見解を伺います。

 以上で私の一般質問を終わります。

 今年度は、市内でも様々な集まりがあり、8月に開催された「コンパクトなまちづくりに関する講習会」で、「コンパクトとは…農村と共生するまち育て」という県主催のパネルディスカッションが行われました。そこには市の建設部職員の方々も大勢参加されておりました。「コンパクトという言葉だけが一人歩きをしている状況が見られるが、まちを縮めるのではない」と強調されました。横手市としても、道の駅の取り組みや若者とのイベントの取り組みも紹介されました。このような事例を聴いて、今まで、横手市民も市役所も手をこまねいて何もしてこなかったのではないけれども、市民や議会と行政との議論が不足していたのではないか、さらには課題が共有されていなかったのではないかと私は思います。観光事業も建設業務もそこに住んでいる人たちが普通に幸せに暮らせる地域をつくるためにあるのだと痛感しました。

 「子どもたちは、この大地からの預かりもの」これはその時の講演会で紹介されたネイティヴ・アメリカンの言葉です。身の丈以上の建物を建ててしまって将来子どもたちの負担になるようなことなどをしてはいけないと、2025年、2045年を見据えてつくづく思ったところです。

 最後にもう一度言いますが、市役所の組織再編は、大変重要な課題です。

 何のために、誰のために、どこに向かって進めるのか、しっかりと市民や議会さらには市役所職員の声を大事にして進めてほしいものです。地域局の強化充実こそが必要なのではないでしょうか。以上で私の一般質問を終わります。










  
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