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         2019年6月議会一般質問

 日本共産党の立身万千子です。
 この5月、元号が平成から令和に変わりました。
 元号とは、もともと中国に由来し「君主が空間だけでなく時間まで支配する」という思想に基づくものであり、日本国憲法の「国民主権」の原則に馴染まないと、私共は考えています。ただ、国民が慣習的に元号を使用することにけっして反対するものではありません。
 今の憲法第一条には、天皇を「日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴である」と明記されています。つまり戦前の天皇の地位の根拠は「万世一系」…天照大神の神勅にあるとされたのですが、現憲法では主権者である国民の総意がその根拠であると捉えられているわけです。その点を踏まえ、先般地元新聞の広告に、議会の総意を図ることなく予算計上して一遍の報告もないという議会無視の問題に加え、市長の所信説明の中に「令和の御代」という文言があったことに対し、私は違和感を覚えます。「御代」という言葉には「天皇の治世」という意味があることを承知の上で使われたのならば、時代錯誤も甚だしく、国民主権すなわち市民が主人公の市政を貫くべき立場の市長として極めて不適切ではないでしょうか。
 今回私は、日本の主権者である市民の暮らしと健康を支える基盤となるべき国民健康保険制度、そして市の将来を担っていく子どもたちの幸せな成長を願っての課題を市長に質問いたします。

1、 初めに国民健康保険税の市民負担についてですが、これは出来得る限り軽減をするべきではないでしょうか。
市長が今議会に提案された内容は、保険料率は据え置き、5億円を基金に積み立てし、法定外繰入はしないというものです。収納率94%を維持したことを始め、諸課題を総合的に勘案されての努力の結果が表れていると私は受け止めます。
 都道府県化初年度の昨年度は国も様々な激変緩和策を講じてきました。しかしそれは一時的な手立てであり、そもそもなぜ国保財政の運営権限を、市町村から都道府県に移したのか?その狙いは都道府県ごとの医療費の抑制であることは国の様々な施策を見ても明らかです。しかも国保税には医療費を賄う医療分の他、後期高齢者医療制度への支援金と40歳以上65歳未満の人の介護保険料も含まれているので、高齢化に比例して保険税が上がることになる仕組みです。さらに加入者は、半世紀以上前の国保制度発足時と比べて農林水産業者や自営業者が減少し、年金受給者・非正規労働者が増加したため所得水準が低いことから保険税の負担は年々重くなってきているのが現状ではないでしょうか。現に厚生労働省の調査では世帯主の職業構成を見るとき、国保加入者の8割が、無職の人と、年収200万円以下のワーキングプアという実態が浮き彫りになりました。にも拘らず、国保税額は、協会けんぽと比べ6割も高い実態があり、全国知事会が国に要望した1兆円の国庫補助に加えて横手市としても出来うる限りの軽減策を講じる必要があると思います。

1)そこで質問の第一点は、法定外繰入についてです。
このように高過ぎる国保税を、払いたくても払えないという加入者の問題解決のために、市町村は一般財源から法定外の繰入をしてきました。しかし国はそれを段階的に解消させる意図を明らかにしています。横手市は昨年と同様に「今年度も必要ないと判断した」と先般、部長の答弁がありました。最後の砦と言える法定外繰入に対して、通り一遍の「必要なし」ではなく、柔軟な対応が必要と考えますが市長はどのようにお考えでしょうか?

2)質問の2点目は、子どもの均等割の廃止あるいは減免について、その提案背景ならびに既に実施している自治体の例を参考に、再度提案いたします。
ご承知の通り、国保税の仕組みには、所得割や資産割といった加入世帯の負担能力に応じて算定される「応能制」と、加入世帯の所得の違いに関係なく、多人数世帯ほど高くなる均等割や、各世帯に一律に求められる平等割からなる「応益制」があります。
 そのうちの均等割について前回の私の質問に対しては「人数が多い世帯は少ない世帯に比べ国保で医療保障の利益を多く受けるから国保加入者の間で不公平感が出る」という理由の下に、前向きな答弁を頂けませんでした。
 2018年度の試算では、横手市に住む年収400万円で4人世帯の場合、保険税額は42万8000円ですが、均等割と平等割を除けばそれが約28万円となり、差し引き年額14万8000円が軽減されることになります。ちなみに類似世帯の協会けんぽ保険料は年に約20万円で、所得の低い国保世帯がその額より23万円も高く支払っているという状況です。
 前回の一般質問では、横手市の18歳以下の国保加入者は1月末で770人(474世帯)と説明されました。その60%が2割・5割の法定軽減対象とのことですが、残り40%を占める子どもたちの均等割減免は実施できないものか伺います。
 岩手県宮古市では、子どもの均等割減免申請にあたっても「これまでの国保の申請をもって減免申請と見なし、改めての申請は不要」という仕組みをつくったそうです。宮古市の場合は全額免除で1833万円の財源は、ふるさと寄付金「市長におまかせ」というものから充当し、国保特別会計の中ではなく一般会計でまかなっているとのことです。
 国や県の動向を見すえるといっても国は既に1~2年後に実施する課題として議論しているわけですから、少しでも横手市が子育て世代の応援策として先鞭をつけることを要望します。市長、いかがでしょうか?

3)3つ目の質問は、保険者努力支援制度についてです。3月議会の答弁では「保険者努力支援制度」というのは取り組み状況によって国や県から調整交付金が交付される制度だということでした。
 まさに国が自治体の取り組みを誘導して医療費抑制に努めたことが成果となって見えればご褒美をあげるというものですが、市民の健康増進は誰かに強制されなくても必要ですし、この制度を有効に活用することは大事な施策であると考えます。その施策を効果的に展開するための、例えば特定検診未受診者への受診勧奨や健康の駅特に中小規模駅の普及と利用者の追跡調査・子どもや若者、高齢者等各世代の居場所づくりなど、決め細かな構想についてお尋ねします。以上の3点は、前の議会でも提案したつもりですがこれまでに検討された経緯や結果を踏まえて答弁を期待するものです。      
 次の質問に移ります

2、10月からの幼児教育・保育の無償化にむけて3点お尋ねします。
 先般5月10日に「無償化のための子ども・子育て支援改正法」が成立しました。それを受けての新聞報道は「保育ニーズ増加不安・質の低下・人手不足」(読売)。「子育て支援見切り発車・待機児童後まわし・保育の質たなざらし・給食費は微増・現場混乱」(毎日)。「対象300万人・保育士不足に拍車懸念・自治体の事務負担増」(東京)といった見出しでした。ここに問題点が露呈されています。
 本来、幼児教育・保育の無償化は子育て世代の願いであり、歓迎すべきところですがマスコミはこぞって不安要素を指摘しています。
 理由は「財源」で、無償化の負担割合が公立の保育所は100%自治体負担のままであり、社会福祉法人や株式会社などの私立園は国が1/2、県が 1/4、市が 1/4負担で、認可外保育施設も同様となりました。様々な問題が出てきていますが、まずは2018年12月28日法改正前の関係閣僚合意をみると次のように書かれています。
 「実費の取扱いについて、①現在、保護者負担になっている通園送迎費・食材料費・行事費などは従来どおり無償化の対象とはならないものとする。②食材料費の取扱いについては、幼稚園・保育所等の3歳から5歳までの子どもたちの食材料費を主食費・副食費ともに施設による実費徴収を基本とする。③生活保護世帯やひとり親世帯等についてはこれまでどおり公定価格内で副食費の免除を継続し、さらに免除対象者の拡充(年収360万円未満相当の世帯)を図る」以上が国の合意事項となっています。

1) そこで、この合意を踏まえて実費となる給食費について2点伺います。

①これまでの通り3歳から5歳までの主食であるご飯は家庭から持参し副食材費を徴収することによって生じる問題、例えば多子世帯はむしろ負担増になる可能性が高いことなどが挙げられます。しかしとりわけ乳幼児とその保護者にとって「食育」は極めて重要であり、施設と市の折半にするとしても副食材費は実費負担を避けるべきと考えますがどうでしょうか?

②給食費実費により徴収事務は、各施設の負担増に繋がります。
ただでさえ、人手不足の折、個人情報保護の観点もあることから各現場ではスタッフのやりくりが相当難しいだろうと懸念されます。やはり給食費は公定価格の中に組み入れて無料化を実施することがベストであると私は思いますが、横手市としては、学校給食のように納付書で市が徴収することを考えておられますか?

2) この改正法で特徴となる点のもう一つが、認可外施設についてです。その施設が認可されるまで5年間の経過措置を設けて市町村が支援することになるので市が条例を制定し、設置基準の遵守義務遂行状況などの指導監督等々を行うようにと改正法58条で謳っています。今後企業内保育所等が横手市においても整備されていくものと考えますが、平成30年9月21日に改正されている「横手市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例」とも関連して具体的に行政としてどう進めていかれる方針でしょうか?

③最後に保育士の処遇改善について質問します。
 横手市では4月から最低賃金との兼ね合いで事務補助の非常勤職員について時給を一律30円引き上げました。そのように非常勤職員の処遇改善がなされて2か月余りが経過したところですが、とりわけ人手不足の著しい保育の現場では成果が見られているでしょうか? 
 日本の認可施設基準は、ご承知のとおり保育士の配置については、0歳児3人に1人、1~2歳児は6人に保育士が1人、3歳児は20人を1人で、4~5歳児は30人に保育士が1人、幼稚園は4~5歳児を先生が1人です。この基準はoecd諸国の中でダントツの最低です。有資格者の潜在保育士は65万人以上と推計されています。
 責任と負担の重さに対し待遇とのアンバランスが原因と言われて久しい昨今でも、子どもたちに接している方々は、皆さん前向きに頑張ろうとしています。しかし実際は、仕事を継続することができないでいる現実を打開するためには、せめて最も身近な市町村行政ができることを積極的に実践していく。これが必要ではないでしょうか?消費税増税があってもなくても保育の質の向上が必要なことには変わりません。横手市の将来を担う子どもたちを大事にする行政であってほしいと切に願うものです。
 今、社会では、元号が変わったことや、消費税がどうなるだろうか、選挙はどんな結果になるだろうか、地上イージス問題での安全はどうなのか、人口減少・高齢化等々挙げればキリがないほど市民生活にとっての話題が山積みです。国がやるとか県がやるとかではなくて、市民を守るため横手市がどう立ち向かっていくのか、市民みんなで知恵を出し、議論をし、施策を推し進めていきたいと心から願って私の質問とします。







  
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