第36回議員の学校
---講義2
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「第36回議員の学校---講義2」
元日本図書館協会事務局長の松岡要氏による「公立図書館の基本原則と、直面している現実的な課題~民間委託、職員の非正規化、図書資料費の削減etc~」というテーマです。
まず、図書館と図書館を取り巻く状況は著しく変化している!と断言されました(1950年に図書館法が制定されてからこれまで20回以上の改悪)。
平成の大合併後ですら図書館未設置市町村は23.4%にものぼり、複数館設置の市町村は4割だけ(我が横手市は6館)。住民の生活圏域(徒歩可能な場所)にあるべきでかなり身近なコミュニティ施設となるのが図書館なのだと(かつて東京都は700㎡に1館あった)。地方公務員の削減方針の下、1館当りの職員は激減し非正規職員は増大(横手市も正規司書はゼロ)。図書館費総額も減額傾向。
そもそも図書館の役割=住民から求められた資料、情報を確実に提供する自治体の事務であり、それを支える要件がコレクションの形成(単年度ではなく末長く読まれるものを)、司書集団の存在、周辺図書館との連携協力の仕組とのこと。図書館の管理運営=自治体が設置し教育委員会が所管し管理する。教育機関としての図書館が自立して運営する(司書集団の専門性が中核となる)。公共施設の中で、不特定多数の人が利用する唯一の施設であり安全管理上、各館に責任者は絶対に必要❗️かつ、地域間の独自性は尊重しつつサービスもコレクションも一元管理すべき。
住民の知る権利を保障するため無料の原則を有する。図書館協議会は図書館法に定められた教育委員会の付属機関である。しかし近年は地方分権一括法により、教育委員会から首長部局へ移管が可能になった。地方創生と相まってまちづくり、複合施設化、指定管理者制度への誘導が、文科省の中教審からも答申されるに至った。指定管理としては株式会社が8割近くに及ぶが、図書館サービスの基本である資料貸出数は減少している施設が多く10箇所以上の図書館で直営に戻している。商業施設との複合化は国交省は奨励している...と、貴重な情報を頂きました。
先般TVで紹介された情報も(山梨県の小さな自治体が日本一健康長寿を誇っている。そこの住民の図書館利用率がダントツに高い)! この研修会場も東京都立多摩図書館です。武蔵野の森に囲まれ、とてもきれいで親子連れがいっぱいいます。1万3千冊の絵本をはじめ、明治、大正時代の貴重な資料や他では所蔵していない児童書もあるという素晴らしい図書館です。
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