|
|
日本共産党の立身万千子です。
今や、社会は令和のコメ騒動といった状況で、早朝から5キロ2000円のコメを買うためにスーパー前で並んでいる報道がみられました。
コメどころであるはずの我が横手市でも、例年のようにはたやすく手に入らないのではないだろうか?と市民の焦りが出てきている上に、田植え真っ盛りの現状のもとでさえ、後継者不足が深刻になり「もう今年から田んぼをやめる・・・」という声も聞かれます。
そもそもコメの価格高騰はなぜ起きたのか?
根本には、コメ生産の総量が圧倒的に足りていないコメ不足が原因になっているにも関わらず、供給量不足を認めない政府の姿勢が備蓄米の放出を後手後手にしてしまった結果が明白になっています。
政府は毎年、コメの消費が減ることを理由に減反・減産を農家に押し付け、この10年間だけでも46万軒の農家が減り、生産量は年間135万トン減っています。
その一方で、日本政府は1995年のWTO世界貿易機関設立に際し、義務でもないのにミニマムアクセス米として毎年77万トンの外国産米を関税なしで輸入してきました。その他にも民間貿易によるコメの輸入が昨年2月末に1497万トンと、368万トンだった前年度輸入量の4倍にもなっています。
今年1月、政府がようやく備蓄米を放出することを決断しました。それも、91万トンある備蓄米のうち、これまでに放出したのは61万トンだけです。少なくとも2023年のコメ需要量は705万トンですから間に合うわけがありません。
大幅な増産によって供給と価格の安定に国が責任を持ち、これまでコメの価格と流通を市場任せにしてきた方針を転換しなければ解決しないことが明らかです。
市長はコメを巡る情勢について、所信説明では「伝統的産業緊急支援事業の補助金」を創設して市内の酒造業者や麹・味噌などの食品製造業者の原材料米仕入れに際し、経営支援を打ち出されました。
この施策は歓迎するものですが、さらに農業を基幹産業とする横手市として国に意見書を提出しながら、市独自にコメ作りを支援する方策を出していくことを切に要望します。
また、所信説明でも明記されていますが、市長は令和7年度市政懇談会を市内10会場で開催され、私も5か所の会場に参加しました。
市長は冒頭に、横手市の大きな特徴として、少子高齢化の顕著さと人口減少の問題をグラフで示して報告されました。「10年先、20年先も存在感を持ち続けながら力強く凛々しい横手市であり続けられるよう、取り組んでいく」と決意を述べられましたが、私は今回、昨年度に市民アンケート調査を行った「引きこもり」問題の対策について、全国レベルを大幅に上回る実態であることをどう解決し、力強い横手市を存続させるかという取り組みについて、まずは質問します。
1. 今年度より市役所本庁1階に社会福祉協議会から派遣して頂き「ふくしの窓口」が開設され、また、ワイワイプラザ1階に「子ども・若者相談窓口」が開設されました。特に、5月17日には横手市生涯学習館Ào-naで開催された孤独・孤立対策推進フォーラム「子ども・若者ミライラボ」では会場が満員になる参加者で、パネリストの方々の丁寧なディスカッションやフロアからの真剣な質問が印象的でした。そこでの市長の挨拶では「開設間もない期間にも関わらず、多くの相談者が来訪されている」とのことでしたが、
1)まずは、その2か所への来訪者数と、相談内容について概況を教えてください。
① テーマが「ひきこもり」のために、当事者が直接相談に来られることは難しいのではないかと思います。家族や関係者からの相談に対応することはもちろん必要ですが、孤独・孤立の状態にある本人への働きかけ、いわゆる「アウトリーチ」をどう進める方針かを伺います。
② 「地域の支え合い」が基本になると考えますが、市長は地域での担い手育成をはじめ、支え合いをどう具体化していかれるかを質問します。
例えば、高齢者についていえば、敬老の催しや冬期間の雪寄せ雪下ろしなど、必要な資金を調達することが事務手続きを含めて難しくなっている状況があります。市の予算をもっと充当することが必要ではないかと考えますがいかがでしょうか?
2)次に「子ども誰でも通園制度」について伺います。
これは来年度の令和8年4月から全ての市町村で実施が義務づけられることになった制度であり、0歳から3歳未満で保育所等を使っていない子どもが対象です。市町村は、今年度中に基準を決め、条例を制定しなければなりません。そこで、市民のニーズをどう調査し、事業者を募集し認可して実施体制をどのように整えるか?ということと並行して、市民に対し、この新たな制度をどう周知するかという課題に、今から着手することが必要と考えることから次の質問をいたします。
① 現在行われている2つの制度・システムについて、3年ほど前からの変遷と現況について伺います。
ひとつは保育園・認定こども園で行われている「一時あずかり」保育について、もうひとつは「ファミリー・サポート・センター」の取り組みについての状況はいかがでしょうか?
② 横手市では、就学前教育・保育について,民営化の方向を進めています。しかし「子ども誰でも通園制度」は国が決定した法律に則り、それぞれの自治体毎に条例を制定するものですので、市長はこの制度を実施するにあたり、公的責任を、どう捉えておられるか伺います。
以上で私の通告した質問は終えますが、人が生まれてから高齢に至るまでの道のりをどんな風にたどっていこうとも、けっして一人では生きていけません。
「こどもが誰でもマッチングにより通園できる」という仕組みについて、国は、「一時預かり保育は保護者の都合を優先するが、この制度は子どもファーストのシステムである」と言及しています。
これまで全国でモデルケースを実践してきた事例を見てみると、各現場で様々な工夫をしておられます。それを踏まえて改正案が出るのか、それとも各自治体独自の施策に委ねることを多くするのか、切迫した時期ではないかと懸念し、質問をした次第です。
保育施設に入所が決まった子どもに対して行われる、いわゆる「慣らし保育」もしないまま、知らない場所にポンと置いて行かれる子どもの不安を私は大変心配するものですが、0歳から始まって、その後の小学校に入学する際の子どもにとってのハードルを、まずは取り除かなければならないと痛感します。
この10年間で小中学校でも不登校が3倍に急増し全国では35万人近くになっていると政府が公表しています。私共は、今年5月に「こどもの不登校に対する提言」をしました。これは2つの柱からなります。
第一は、今、学校への行き渋りや不登校で悩んでいる子どもと保護者が安心できる支援策であり、その基本は「子どもの心の傷の理解と休息・回復の保障」とし、フリースクール等への公費助成や親たちのつながりへの支援も課題としています。
第二の柱は、「全国一斉学力テスト」など過度の競争と管理の教育を見直し、教職員の多忙化を解決して子どもたちが自ら通いたくなるような学校をつくることです。
軍事費は青天井で教育予算はあまりにも少なすぎる現状を、国民みんなで力を合わせ、安心できる教育と社会に変えることが重要ではないでしょうか。
よく言われる「8050問題」も、義務教育を経て高等教育さらに就職先でどうしても馴染めず、精神的に辛くなって引きこもってしまう場合や、親の年金が目減りする改定案が現在国会で議論されているように、安心して日々の生活ができない状況に追い込まれる場合が増えてくるだろうと心配します。
訪問介護の事業所に対して国の保障を減らしたため、全国の自治体では在宅での介護予防の段階でも困難な事例が目立ち始めました。
中央政府のカベは厚く、地方自治体での予算措置が難しくなっている中で、独自に様々な工夫をしている自治体に学び、市民生活の向上に最も重点を置く横手市にしていくことを、市制20周年を迎えるにあたり、切に要望して質問を終ります。
|
|
|