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         2021年6月議会一般質問

 日本共産党の立身万千子です。
 今や全世界が揺れ動いているオリンピック・パラリンピックですが、新型コロナウイルス感染症は一向に収束の兆しが見えず、それどころか変異株の続出によって東京大会実現が危ぶまれる状況です。それでもなお「先に日程ありき」として開催の方向に固執する中央政府に対し、専門家やアスリートを始め多くの国民が中止を叫ぶようになってきました。
 こうした状況下にあって「ワクチン接種の拡大普及こそが安全安心の東京大会の切り札だ」として政府は全国の自治体に強硬なワクチン接種の展開を迫っています。ある地方自治体では「高齢者のワクチン接種は8月までかかる」と表明したところ、厚生労働省ではなく総務省の交付金課長から「高齢者は必ず7月末までに終わらせるように」との一方的な通達が来たと報道されています。
 1992年からの15年間、日本では「ワクチンは国民の健康を守る武器」という位置づけが弱く、企業も国も研究者に対して開発資金を出さず予算も付けてこなかった結果が現在の事態を招いたと言われていますが、この期に及んでワクチンの供給メドも示さず裏付けのない目標を自治体に押しつける国のやり方は、当然ながら大変な混乱を来たしています。わが横手市としても医師会との協働を強め、予約方法や接種方法について懸命に取り組んでいることと思いますが、5月当初の接種予約を巡る混乱が、6月1日の全戸配布チラシによって個別接種可能の医療機関一覧と申し込み葉書などを機に除々に改善されてきているようには感じます。高齢者の接種が一定程度終了すれば若い世代の接種そして子ども達へと続きます。市民が安心でき、納得できる対応策を強くお願いするものです。
 しかし、ワクチンの主な目的は感染症に対する免疫をつけたり免疫を強めたりして「重症化を防ぐこと」であって、どんなワクチンも感染を完全に抑えることはできません。従ってPCR検査は無症状感染者を隔離・保護し、感染拡大を抑えるため、さらに変異株の状況を捉えるためにも必要だと、ワクチン学会理事の方々が強調しておられることを、政府も私達国民も真剣に受け止めるべきではないでしょうか。
 今、必要なのは「ワクチン・検査・十分な補償と生活支援」の三本柱であり、これを国の責任で実行することを強く求めるとともに、横手市で何をどうすれば市民の負担を少なくして実践できるのかを追求していくことが重要と考えます。
 それでは通告に従って質問を致します。

1、 はじめに、コロナ禍で一斉に交付金が位置づけられた「GIGAスクール構想」ですが、このもとで進められている、小中学校の児童生徒1人1台のタブレット導入について伺います。
1) 新年度がスタートして2か月が経過した現状を、まずお尋ねします。その一つとして
① 指導にあたる教員の状況と、受ける子どもたちの状況はどうでしょうか? 次々と課題や研修が増えていく先生方にとって、タブレットでの個別指導やデジタル学習の指導にあたる時間とエネルギーは相当大きいものと懸念します。私はこれまで2回にわたり一般質問で「GIGAスクール構想におけるメリットやデメリット」をお尋ねしてまいりましたが、実際に渡されたタブレット端末を手にして子ども達は、楽しく前向きに新しい学習方法に向かっているかどうかを伺います。その状況をお知らせください。
② 2014年に文部科学省が「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック」を発行し、これまでに数回更新されていると聞きますが、これに照らしてハード面やソフト面がいずれも整備され、十分ICTの活用が進んでいるでしょうか?
③ 私はこれまでの一般質問で、主に電磁波の影響を心配することからお尋ねしてきました。今日、電磁波による心身の症状は明らかに存在していても医学的診断基準がなく、未だ病気としては認定されておりません。けれども、例えば便利さを謳う台所の電子レンジをはじめとする電磁調理器やスマートフォンを使っている人達の近くに行くと、眩暈や頭痛・吐き気に襲われるなど電磁波の影響を大きく受ける過敏症の方は、横手市内でも実際に苦しんでおられます。
 学校での無線LAN導入が進んでいる諸外国では、そのような健康への影響が問題になり、子どもを守るガイドラインが発表されていますが、日本では、有線LANの導入は交付金の対象にならず、すべて無線LANの仕様になるとのことで昨年の6月議会で「授業が終わったら学校の大元にあるアクセスポイント(AP)のスイッチをオフにすることが可能かどうか」との私の質問に対し「建物全体のスイッチなのでそれはできない。国の指針が出たら検討する」と答弁されました。しかし全国的には様々な工夫がみられ、札幌市では全ての小中学校で「電磁波被ばく対策」として個々の教室に設置されたアクセスポイントの電源をこまめに切るという方法をとっています。また画面から発するブルーライトに対し、目を保護するカットシールの活用など予算と照らし合わせながらも、子ども達そして先生方への、健康被害からの対応策が急を要するものと思いますが、どうでしょうか。
④ さらに、前回の質問でモニタリングの必要性を申し上げましたが、やはり「タブレット使用前後の健康質問調査」を児童生徒と保護者に実施することが重要と考えます。タブレットを保管庫から出し入れするだけでも時間を要し、子ども達や先生方の負担が増すなどの影響を配慮してせめて1週間に1度の簡単なアンケート方式にして実施し分析する必要があると思いますが。如何ですか?

2、 次に「会計年度任用職員」制度について伺います。
この制度が開始されて1年が経過しました。現在の市役所の状況を質問します。
 年々増加する公務労働における非正規職員に対して年間の所得を上げるということで一時金を支給し、3年目からは公募の形をとるが、希望すれば長年にわたり勤務できるというシステムがつくられました。短時間勤務の1号職員と、長時間勤務でかつ退職金も支給される2号職員の2つの形態で採用するということが、国で決まった制度です。昨年の12月議会に続き、今回は2点お尋ねします。
1) 今年度は公募によらずに任用を更新したものと考えますが、コロナ禍の下で、全国的に非正規職員の雇い止めなどが増えています。我が市役所では、そのような影響はどうでしょうか?
2) 1年間にわたってフルタイムの正職員と同様の勤務時間になっている2号職員について、前回の質問に対する答弁は「長時間働く非正規職員の労働実態を見た場合、最長の労働時間で正職員よりも1日に55分短い計算になりフルタイムの非正規職員はいないと判断し、非正規職員全員をパートタイムの会計年度任用職員とする予定だが、今後状況を見てから再任用の時点で判断する」という内容でした。事務部門のみならず施設の現場での働き方についても、1年間でどう分析され、2号職員の位置づけをどう捉えておられるのかお尋ねします。

3、 最後に「生理の貧困」問題を解決するため次の点を質問します。
5月28日は「世界月経衛生デー」という聞きなれない言葉が世の中に出現しました。「すべての人の月経衛生・健康を促進するための日」として「沈黙を破り、生理に対する否定的な社会の意識を変えよう」「月経衛生を政治の優先課題にしよう」と、国際NGO「WASHユナイテッド」が2013年に提唱し翌2014年から取り組みが続いています。このNGO事務局によると、今年は700以上の国際・政府機関、NGOや民間企業が参加しオンラインで交流したとのことです。
 「生理の貧困」問題について「plan international」という国際NGOが、わかりやすく解説していますので紹介したいと思います。①生理用品の購入費②月経衛生・健康についての教育の欠如③生理にまつわる羞恥心(スティグマ=負の烙印)・タブーの存在といった3つの要素があり、この問題の根本解決のためには「教育や社会的な認識の変化」が必要だと指摘しています。
 では日本ではどうかというと、今年3月4日、20代女性達による「#みんなの生理」が公表したon lineアンケートが日本社会に衝撃を与えました。5人に1人の若い女性たちが「金銭的理由で生理用品を買うのに苦労した」という結果です。この問題が取り上げられた3月の参議院予算委員会において、菅首相は「対応にあたるNPOの活動を少しでも後押しできればいい」と答弁しました。これを受けて3月23日、コロナ禍の女性支援交付金の使途に「生理用品無償配布」が含まれることになり、予備費から13憶5,000万円が充当されたわけです。
 その後、様々な女性団体が各省庁に要請をした結果、内閣府は「地域女性活躍推進支援交付金として生理用品も支援対象だということを、明確に地方自治体に通知を出す」と回答しました。また、文部科学省は「自治体の取り組みを聴き取り、今後対応を決めていきたい」「生理のことをタブー視されない意識づけが大事」として「性教育の大切さ」も認めました。このように女性団体の要望提出が続き、政府は4月に「生徒・学生への支援」や「手に取りやすい場所」「保健室の他にも学校トイレへの配置も含む」と通知を出し、初めて政府が自治体の状況を調査しました。その結果は学校配布が95自治体、学校トイレへの設置が13自治体となっています。
 かくして日本政府も世界の流れに呼応し、5月28日に内閣府男女共同参画局が地方自治体の取り組みに関する調査結果を発表しました。5月19日の時点でナプキン配布は全国で255自治体(検討中も)。調達先は防災備蓄が184件で全体の65%を占め、予備費の活用を含む自治体独自の予算措置が55件19%、企業や住民等からの寄付が44件16%とのことです。こうして「健康」や「教育」に影響する「生理の貧困」は、コロナ禍で可視化され、全国に支援が広がっている中で秋田県内では大仙市・湯沢市・鹿角市も取り組んでおり255自治体の内に含まれています。
 こうした社会的な動向の中、横手市において「生理の貧困」問題をどう解決するか、次の点を質問します。
1) 子ども達の救いのカギは保健室であり、小中学校での養護教諭と学級担任との連携状況そして課題は何かお尋ねします。
2) コロナ禍の下で決定された「地域女性活躍推進交付金」を有効に活用すべきと思いますが、市長はどうお考えでしょうか?
3) コロナ収束後は、とりわけ非正規労働が大半を占める女性の失業実態や自殺率が可視化され、より大きなダメージを女性たちが受けるであろうと憂慮されています。そうなってから取り組むのでは遅すぎるとの懸念から、次の3点を提案します。
① 災害備蓄用の生理用品を、必要とする希望者に無償配布し、常に100セットを備蓄してローリングすること。
② 長期的な施策として、保健衛生・男女共生の教育を、学校・職場等で徹底するための具体化を進めること。
③ 中学校や高等学校、専門学校を出た20~30代の、生活が困窮している女性たちが気がねなく生理用品を入手できるよう、市の男女共生担当や各地域局、保健センターに相談に繋がる窓口を置くこと。以上を提案したいと思います。

 これで私の質問を終了しますが、秋田県の新型コロナウイルス感染者は、今のところ目立った増加はないものの、他県ナンバーの自動車は目に見えて増えて来ました。夏季休暇やお盆には昨年の分も一緒にと帰省する計画を立てている人達もいると思われます。
 ここ横手市では、8月に2年越しの成人式を迎えることになり、更に9月にはこれも2年越しの全国発酵サミットを予定しています。準備は滞りなくするべきですし、当日に向けて日々努力してこられた参加者の方々へのリスペクトも大切です。しかし今沖縄で起こっている爆発的な感染拡大がGolden week時の観光客流入に起因していることを思えば、人の流れを最少に留めるなどのあらゆるリスク対応は真剣に考慮するべきではないでしょうか。
 市長は、今後の横手市政運営にあたり、予想される危機に大変な重い決断を迫られる場面もあるかと思います。しかし市民の暮らし・福祉の向上あってこそ、横手市の産業発展に繋がることを念頭に置かれ、市民の様々な声に真摯に耳を傾けて、各種イベントを実行するか否か決断を下して頂きますことを、心からご期待申し上げて質問を終わります。









  
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