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         2020年9月議会一般質問

 日本共産党の立身万千子です。
 残暑というにはあまりにも暑く、私たちの住む横手市では連続の猛暑で健康被害が心配され、さらに新型コロナウイルスの猛威は第2波として私たちに襲い掛かっている現状です。このような中「日本政府の、国民を守る対策は迷走している」と海外から批判を受けるほど、日本の政府は医療体制の逼迫に対応するための確立を待たずに経済刺激策を導入したりと、右往左往の状態が続いています。実際、景気は予想以上に落ち込み、特に中小零細企業は死活問題に直面しています。そのような状況の中で政府は「Go to travel」の事業を前倒ししました。その結果、宿泊先から感染者が出始めるなど、コロナ禍が収束する道は未だ遠いことが懸念されます。
 ここ秋田県でも夏休みやお盆の時期に「県外から来ないように、県内から出ないように」との知事の要請があったとはいえ、今後の見通しは容易ならざるものと誰もが憂慮するところです。コロナ対策や熱中症はまだまだ続くことでしょう。加えて秋から冬にはインフルエンザの流行が想定され、コロナ禍の下で市内の医療機関は対応に苦慮することが目に見えています。にも拘らず国は未だに大森病院をはじめとする全国の公立・公的病院の再編・統合を取り止めるとは言いません。こうした状況を踏まえるとき、積極的に国に施策を提案しつつ個々の自治体独自にあらゆる工夫を凝らして住民の暮し・生業・命を守っていかなければならないのではないでしょうか。
 通告した質問に入る前に、まずは今議会で学校の普通教室に冷房設備を設置する議案が上程されたことを歓迎します。その理由に市長は「災害時の活用」という言葉を使われました。振り返ってみたとき、昨年度の市政懇談会で中学生の切実な「教室への冷房設置要望」に対し、市長は「我慢することが大切」という理由で却下された事実があります。それについて昨年の一般質問で市長の真意をお尋ねしたところ、市長は「サバイバル」という言葉を使われました。横手の子どもたちに「たくましく育ってほしい」という願いを込められたご発言だろうとは察します。
 その「サバイバル」とは「遭難・災害などの命の危機から何とかして生き残ることである」と辞書には書いてあります。さらにサバイバルにおいて最も重要な事は、安全な場所を確保することであるとも書かれており、続けて「暑さや寒さで消耗してしまえば、たとえ充分な水や食料があっても絶望してしまう」と明記されています。
 市長は1976年生まれの世代だと存じますがその頃の夏の気温はまだ危険な暑さではなかったと思います。しかし1990年代以降は気温30度以上の真夏日や、35度以上の猛暑日そして最低気温が35度の熱帯夜が頻繁に出現しています。秋田地方気象台によれば21世紀末は20世紀末に比べ、真夏日が43日増えると予想されます。明らかに異常気象が常態化している下で、命の危険にも及ぶリスクを無視した市長のご発言は看過できないと言わざるをえません。今議会に際し、後付けの理由としても「災害時に活用する冷房設備の意義」は認めますが、まずはその前に、当時の中学生に対して市長は率直な反省の表明をするべきではありませんか。横手市の将来を担う子どもたちがしっかりと科学的知見を身につけ、根性論や精神主義に陥らない本来のサバイバル、即ち今後現れるであろう様々な新型ウイルス等々から人類の命を守る大人に成長していくことを切に願うものです。
 それらを踏まえ、今回私は「コロナ禍の下、市民を守る方策について、市のやるべきことは何か」を市長に質問し提案をしていきます。

1、 はじめに、市民の健康管理に重要なPCR検査の拡充を市独自に進められないか質問します。
 具体的には、かかりつけ医や保健所の対象外でも希望者や必要性のある立場の市民が検査を受ける際の費用負担を補助するように望むものですが市の方針はどうか伺います。
 横手市では医師会や担当部署との度重なる協議を経て、7月から「帰国者・接触者の発熱外来センター」が設置されました。協定書の締結にこぎつけた関係各位のご努力と、感染の危険をかかえながら業務に当たられるスタッフの方々に感謝と敬意を表したいと思います。
 言うまでもなく、新型コロナウイルスの感染再拡大あるいは再再拡大に歯止めをかけるには、無症状者や発症前の患者を把握する必要があり、早期発見にPCR検査が不可欠と言われています。しかし必要な人が検査されていない恐れが指摘されており、そのPCR検査も日本の場合は人口比で世界159位と極端に少なすぎることが報道されています。一方で世界最悪の感染者と死者の記録を続けていたアメリカのニューヨーク州では1日6万件に上るPCR検査を徹底して劇的な変化を遂げたことも注目されました。現在、日本ではPCR検査を実施すべき「濃厚接触者」について国立感染症研究所が①発症2日前以降に②1メートル以内で感染対策なしに15分以上接触した…などと定義していますが、この定義を超える範囲に検査を広げて効果を上げる自治体も出てきました(墨田区・世田谷区・長崎県)。群星沖縄臨床研修センターの徳田安春センター長は「検査機器や資材、人員、待機用宿泊施設に大規模に投資し、検査対象の優先性を考慮しながら無症状者へ段階的に検査を広げるべき」と以前から訴えています。「いつでも、だれでも、何度でも」のPCR検査体制を目指す世田谷モデルを超党派で政府に提言していくことと同時に、自治体としてどう体制整備を進めていくかを追求することがきわめて重要であると言われています。
 そこで横手市として市長はどうお考えでしょうか?
先般、横手市で陽性者の窓口対応にあたった職員の方々は、濃厚接触者ではないが疫学的対象者という保健所の判断の下、公費で検査を受けられました。4ヶ月後の今、一層緊迫した情勢下において自治体が柔軟に自主的な対応をすることは可能であり、日を追って国も動いています。ぜひ市民のため前へ進むお考えを期待します。

2、 次に、子ども達をはじめとする、市民への手立てを拡充できないか、3つの項目で質問します。
1) 国の第2次補正予算では「緊急包括支援交付金」の中から「児童福祉施設等における新型コロナウイルスに係る支援」として、新たに1施設当たり50万円が支給されるなどの重点支援策が出されていますが、せっかくの国からの交付金を横手市ではどのように活用しているか伺います。
 この場合の児童福祉施設とは、認可外の保育園を含む保育園や認定こども園・ファミリーサポートセンター・放課後児童クラブ・児童センター・サンハイムやドリームハウスなどが対象です。特に保育園や放課後児童クラブ(学童保育)は、小中学校のように一斉休校にはできず、保護者が医療関係者やいわゆるエッセンシャルワーカーのお子さんは保育や支援が必要であり、スタッフをはじめとして感染の心配がある中での業務をしなければなりませんし、家族から感染したお子さんも他の自治体では発出しました。国の第1次補正予算、さらには第2次補正予算について、この問題に横手市ではどのように取り組んでこられたのか、また今後どういう課題があるのかお聞かせください。

2) GIGAスクール構想が実現されるにあたり、来年度予算の編成が開始される今の時期にぜひ要望するものです。電磁波の影響から子どもや教職員を守るため、無線LANのルーターにONとOFFのスイッチを装着することと、教育委員会としてモニタリングシステムを設置することを提案します。いかがでしょうか?
 前回の本会議でも質問しましたが、この構想自体は、ひきこもりがちなお子さんにとっては非常に積極的に発言できるようになった等々の効果が見られ、導入することの意義は理解しています。しかし電磁波による影響は、以前から訴えが厚生労働省にも届いており10年前から調査や研究はなされて来たと聞きました。今や5Gの社会到来に向けてもさらに強化された電磁波が飛び交うことになり、今後は化学物質過敏症の対策が必要になってくると思われます。国の指針を待つのではなく、せめて市として出来ることには取り組んでいくべきと思い提案するものです。

3) 最後に、この課題も一般質問を繰り返してきましたが、とりわけコロナ禍の下で収入が減少している市民を救済する手段の一つとして、国民健康保険に加入している世帯における18歳未満の子どもの均等割を免除することを、再度提案します。
 前議会で、国保加入世帯の収入減が前年の3割に至った場合の減免制度が条例で決まりました。それ以来、市では様々具体的な市民の相談に応じて保険料の減免をしてくださっていることに感謝します。しかし、一方で少子化克服を叫びながら、子どもが一人二人と増える度ごとに均等割が増税されることに、大きな矛盾を感じます。この提案に対し市長の答弁は一貫して「均等割の廃止は国のやるべきこと」(であり、地方自治体は全国知事会で要望している状況)というものでした。しかし乳幼児医療費の無料制度は未だに国として着手しておりません。そればかりか交付金の減額といった国からのペナルティが課せられる現状でも全国の市町村がそれぞれ必要に迫られて実施し、横手市も中学生まで無料にしています。子育て支援の一環としてもぜひ来年度には協会けんぽの世帯と同等の保険料になることを目指し、国保加入世帯における子どもの分だけでも均等割をなくしていただくことを再度提案します。

 以上で私の質問は終わりますが、自然災害・人的災害と次々に襲い掛かる難題に立ち向かうには科学的知見をもって検証し、それを踏まえて動いていくことが必要と考えます。根性論や精神主義では絶対に立ちゆきません。特に、これから成長し、社会を担っていくべき子ども達に対してコロナ禍にまつわる様々な対策が全国的に叫ばれていることは見過ごすことができない課題ではないでしょうか。国立成育医療研究センターでは過去2回、本日9月1日から3回目の「コロナ×こどもアンケート」を実施し、0歳から17歳の子どもと保護者がHPから参加できます。2回目までの調査では、全体の72%に「眠れない・マスクがいやだ・目標がない」など何等かのストレス反応があったそうです。「勉強ばかりで行事がなくて悲しい」「おうちの人に、すぐ怒らないでほしいと伝えたい」など自由記述欄にはたくさんの思いが寄せられているとのことです。横手市としても子ども達の将来に備えて部活動や進級・進学・就職などの節目を不安なく明るく乗り切れるよう準備をする必要があると思います。
 新生児から高齢者まで9万弱の横手市民を誰ひとり取り残すことなく、命と暮らし・生業を包括して市政を進めていかれるよう市長にはぜひともお願い申し上げます。












  
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