議会のようす 
                                      

              2020年6月議会一般質問

 日本共産党の立身万千子です。
 今や、世界中を揺るがしている新型コロナウイルスとの闘いは、治療法が確立されない現状を踏まえ、第2波、第3波と起こりうることを見据えて先手先手と対抗策を打ち出さなければならないと思います。しかし、この時にあって、大国のリーダー達が自国あるいは自身の事情を優先させるあまり、一致協力して人類の危機を乗り越えようという気風がなかなか盛り上がらない現状では、解決の進展は望めません。原点に戻って人の命の重みを踏まえた上で、改めてあらゆる立場の人々が取り残されずに生活できる状態にしていくことこそが最優先課題とされるべきではないでしょうか。その観点から「自粛と補償はセット」だということをしっかり基本に据えて、まず、行政が覚悟を決めて進めなければならないと強く思います。国の施策が決まるのを待って県が取り組み、ようやく市町村がどう動くのか、あるいは「市町村の裁量でできる」と国が明言しながらそれに見合う交付金の予算は全く不充分…という矛盾の下に、市民のみならず地方自治体で働く職員の皆さんは大変なご苦労をされていることとお察しします。
 そうした状況を踏まえながら今回私はコロナ関連の施策と、国民健康保険について、そして小中学校のGIGAスクール構想について質問します。

1、 はじめに、新型コロナウイルス感染対策について、医療・介護の分野における従事者全員に対し、危険手当を支給してはどうかと提案するものです。市内には医療機関や介護事業所が数多くあり、必ずしも満足しているとは言えないスタッフの安全を保障するために工夫を凝らしながら事業を展開されておられると思います。
 また両市立病院では内部規定によってスタッフの安全確保や特殊勤務に対する保障が図られていると聞いております。
 横手病院の感染症病床が今後利用されずに済むことを願うものですが、これから発熱外来を設置するにあたり陽性者と接触の恐れがある消防士・保健師等、そしてまずは市が運営する介護事業所への危険手当をぜひ支給するべきと考えます。秋田市では感染者と同じ場所で搬送などの仕事をした職員に1日当たり3000円、感染者の体に接触する業務を行った場合は4000円を支給する条例案を提出したとのことです。当然その当事者へのPCR検査の実施・マスクや手袋、エプロンなどの防護具の徹底完備に加え、横手市においても危険手当の支給を強く求めるものです。市長はどうお考えでしょうか?

2、 次に国民健康保険について質問します。ご承知の通り、この6月議会で2020年度の国民健康保険の内容が決まりますが、横手市では保険料の据え置きが提案されました。国保の都道府県化3年目の今年度、法定外繰入を廃止させて国保料の値上げを迫る国の圧力の下に全国の約4割の自治体が値上げする方向にあって横手市が据え置きを掲げてくれたことを大いに評価したいと思います。その上で、次の3点をお尋ねします。

① コロナ禍の下、3密を避けるために健康診断の方法が制限されている今日、国の保険者努力支援制度をどのように活用していくのか工夫が必要と思います。活用の状況と今後の取り組みでどんな努力の成果を見込んでいるかお知らせください。市民の側からすれば、毎年受けてきた様々な健康診断が心配なく受けられるのか、そして再検査や精密検査は医療機関で希望通り受けることができるのかといった不安や疑問が払拭できない状況があります。市の広報のみならず市民の不安を解消するための方策をぜひ具体化して頂きたいと切に思います。

② 以前の議会でもお話したように、同じような家族構成で協会けんぽ加入の世帯と比べ、高過ぎると言わざるを得ないのが国保の料金です。加えて今の新型コロナウイルス感染症拡大に伴う減収が、非正規雇用の労働者や自営業者が多数を占める国保の加入世帯を直撃しています。そこで伺いますが、直近の保険料滞納の実態はどうなっているでしょうか。コロナ関連の診療は無料となりましたが、それ以外の診療においては国保料滞納者の受診料負担はどのような取扱いになるのかお尋ねします。

③ 被保険者の実態をお尋ねします。5月の臨時議会で、国保加入者のうち、お勤めをしている被用者について傷病手当が支給できる条例が成立し、大きな前進と受け止めています。しかし、国保加入者の多くは年金生活者や農業者、自営業者であり、国会では傷病手当支給対象者の範囲は「市町村の裁量で決められる」という答弁がなされています。その国会答弁を受けて市はどういう対応をするおつもりか、市長のお考えを伺います。横手市の国保加入者のうち、被用者以外の世帯数と割合はどれくらいでしょうか?また、18歳未満の子どもがいる世帯の数もお知らせください。昨年3月議会において私は国保加入世帯の子どもの均等割減免を提案しました。それに対し市長は「国保が目的税である・法定軽減世帯が多いためにカバーできている・国がやるべき施策であり全国市長会などで要望している」と、できない理由を述べられました。しかし今や全国で30を超える自治体で独自の子ども均等割減免を実施しています。その根拠は地方税法717条の「特別の事情」です。特別の事情の一つは、宮古市の市長の言葉を私が昨年3月議会で紹介したように「国保が協会けんぽと比較しても保険税が2倍以上という重い負担になっていること」。もう一つの事情は「均等割という言わば帝政ローマの時代に遡る人頭税は他の保険にはない制度であり、とりわけ収入のない子どもにまで課せられていること」です。この理不尽な制度を“子育て日本一”と評されたことのある横手市で、ぜひ無くしていくことを再度提案するものです。

3、 次にGIGAスクール構想について質問します。
 市長の所信説明にもあるとおり、市内全小中学校の高速ネットワーク環境整備を、前倒しで実行するとのことです。この背景にあるのは「教育のICT化を強力に推進する」という国の方針ですが、学校のICT化は従来「教育のICT化に向けた環境整備五カ年計画(2018~2022年度)」に基づき地方財政措置(単年度で1805億円)で進められてきました。2019年はコンピューター1台当りの児童生徒数が5.4人で普通教室の無線LAN整備率は41%という状況です。今回のGIGAスクール構想は、地方財政措置も継続しつつ更に19年度補正予算で補助金として2318億円を計上し合計4123億円と莫大な規模の予算の「一大国家プロジェクト」として、コンピューター1台当り4.5万円の補助、校内通信ネットワークは2分の1補助で学校のICT化を強力に推進する内容です。横手市では今年度5億7403万5000円を計上し5140台の端末を整備して、3年後には5589台を導入する見込みとのことです。確かに今年のコロナ対策で学校が休校となり、オンライン授業等の有用性が示されました。先日行われた本会議での教育指導部長のご答弁にもありましたように、より効果的な学習や遠隔地・病児・特別支援教育などの学習環境整備等でメリットがあることは私も理解しておりますが、
① 改めてこの構想を実行するにあたってのメリットとデメリットをどう捉えておられるかお尋ねします。
② 全教室へのネットワーク環境整備という課題について、次の2点について市長のお考えを伺います。

1) コンピューターの配置環境を整備するにあたっては、昨年9月議会での質問に引き続きますが、とりわけ横手盆地特有の厳しい暑さに器械が故障してはどうにもなりません。コンピューターの保全と児童生徒の安全の為にも普通教室の冷房設備が必要となることが予想されます。昨日の2名の議員の質問に対し「市全体の財政との関係を鑑みて少しづつ整備をしていき、まずは図書室などを共有する」とのお答でした。
 折しも国会では第2次補正予算で10兆円の予備費があまりにも漠然としていることで紛糾していますが、市長にはぜひ全国市長会等でイニシアチブを発揮していただくと同時に前向きなご答弁を期待するものです。いかがお考えでしょうか。

2) 子どもたちの健康被害を防ぐための手立てが必要と痛感しますが、その点をどうお考えでしょうか。電磁波過敏症と科学物質過敏症の患者会「いのち環境ネットワーク」の加藤やすこ代表は、学校無線LANでの健康被害に警鐘を鳴らしています。学校に導入されるのは、2.4ギガヘルツ又は5ギガヘルツの無線LANであり、その他携帯電話やスマートフォンで使われる無線周波数電磁波は、国際がん研究機関が「発がん性の怖れがある」と認めた周波数帯です。このような学校に導入されるLANの無線周波数に被ばくすると、DNAが傷ついて、神経変性疾患やがんなど多様な病気に繋がる・発達障害が増える・アトピー性皮膚炎が悪化するなどが報告されています。昨今は無線通信機器の普及に伴って、ごくわずかな電磁波にも反応し、頭痛やめまい、睡眠障害が起きる電磁波過敏症も世界的に増えており、過敏症の子どもへの影響も心配です。無線LANの導入が進んでいる諸外国での例はイギリスやカナダ、アメリカなどで報告されていますが、幸か不幸か教育に予算をかけない日本では他国の現状を学び、有線LANにするか、最低でもルーターに電源オフのスイッチをつけるべきと強調されています。今後はせめて、教育委員会や学校が校内の電磁波測定や子ども達の健康調査を実施し、調査結果を保護者と共有するなど、情報公開と開かれた議論を進めていく必要があると思いますが、市長はどうお考えでしょうか。

 以上が私の通告した質問ですが、まだまだ新型コロナウイルスの終息は見えてきません。私たちの住む横手市も、いつ、どういう事態になるかわからず、常に備えていなければなりませんし、休業を余儀なくされた事業者の方々は様々な休業補償をどう活用すべきか悩んでおられます。事業所の中では、昨年10月に消費税が10%に増税された影響が大きい上にこのコロナウイルスによって追い打ちをかけられ、事業の存続問題がかかっている深刻な場合も出てきています。更に高齢者がこれまでのように気軽に交流することも思うようにできない状況の中で、どうすれば地域での見守りや助け合いができるか、まさに今こそ行政が中心になって手立てしなければならないと痛感します。
 市長はこの秋に開催される予定の種苗交換会成功のために「コロナに打ち勝ち、横手モデルを全国に発信する」旨発表されました。感染者ゼロはもちろんですが、9万弱の横手市民の暮し・生業に支障をきたさず、誰ひとり心配なく安全で幸せを実感できる施策を横手市独自にでも具体化していくため市民の先頭に立ってご奮闘くださることを切に願って質問を終わります。







  
これまでの記事

臨時議会が開かれました

新年度を迎えて

厚生常任委員会の報告

2020年3月議会一般質問Q&A

2020年3月議会一般質問

12月議会が終りました

2019年12月議会一般質問Q&A

2019年12月議会一般質問

11月15日臨時市議会

9月議会を振り返って

2019年9月議会が終わりました

2019年9月議会決算 総括質疑

2019年9月議会一般質問Q&A

2019年9月議会一般質問

2019年6月議会が終りました

2019年6月議会一般質問Q&A

2019年6月議会一般質問

2019年3月議会一般質問Q&A

2019年3月議会一般質問

12月議会が終わりました

2018年12月議会一般質問Q&A

2018年12月議会一般質問

9月議会が終わりました

2018年9月議会一般質問Q&A

2018年9月議会一般質問

6月議会が終わりました

2018年6月議会一般質問Q&A

2018年6月議会一般質問

3月議会が終わりました

3月議会のゆくえ

「陳情30第3号」核兵器禁止条約に署名・批准を求める自治体意見書採択についての陳情に賛成討論

2018年3月議会一般質問Q&A

2018年3月議会一般質問

臨時議会が開かれました

12月議会が終わりました

12月議会厚生常任委員会での討論

イージス・アショア(地上配備型弾道迎撃ミサイル攻撃システム)の秋田県配備計画撤回を求める陳情  賛成討論

「消費税を10%に増税することを中止すること 
を国に求める」ことについて賛成討論


大和更生園・ユーホップハウス・2グループホーム指定管理者の指定について反対討論

2017年12月議会一般質問Q&A

2017年12月議会一般質問

新しい議会の体制が決まりました

9月議会が終わりました

9月議会総務文教常任委員会

2017年9月議会一般質問Q&A

2017年9月議会一般質問

6月議会が終わりました

健康の駅システム改修費補正...予算案に賛成・or 修正案に反対討論

2017年6月議会一般質問Q&A

2017年6月議会一般質問

3月議会が終わりました

平成29年度一般会計予算案に対し 総務文教分科会における賛成討論

議案第44号 平成29年度横手市後期高齢者医療特別会計予算案に反対討論

テロ等準備罪反対の陳情に賛成討論

2017年3月議会一般質問Q&A

2017年3月議会一般質問

臨時議会がありました

12月議会が終わりました

2016年12月議会一般質問Q&A

2016年12月議会一般質問

9月議会が終わりました

決算特別委員会が開かれました

2016年9月議会一般質問Q&A

2016年9月議会一般質問

6月議会が終わりました

2016年3月議会一般質問Q&A

2016年3月議会一般質問

3月議会が終わりました

2016年3月議会一般質問Q&A

2016年3月議会一般質問

12月議会が終わりました

2015年12月議会一般質問Q&A

2015年12月議会一般質問


9月議会が終わりました

9月市議会決算審査…厚生分科会

2015年9月議会一般質問Q&A

2015年9月議会一般質問

臨時議会がありました

6月議会が終わりました

2015年6月議会一般質問Q&A

2015年6月議会一般質問

記録的に長い一日…臨時議会

3月議会が終わりました

2015年3月議会厚生常任委員会

2015年3月議会一般質問Q&A

2015年3月議会一般質問


>