議会のようす 
                                      

         2020年3月議会一般質問

 日本共産党の立身万千子です。
 雪がなく、気候変動が著しい中で冬を乗り切り、伝統行事をようやく実施できた今、コロナウイルスによる新型肺炎が世界中で猛威を振るっています。卒業式や歓送迎会等々、市内の飲食業界などが一年で最も活気の出る時期である3月が、折しも9年前の東日本大震災の記憶を呼び起こす事態になってしまったことに対し、私たちは深刻な危機管理に向け、決意を新たにして取り組まなければならないのではないでしょうか。新年度を迎えるにあたり、横手市という私たちの住む地方自治体が、市民生活を守り向上させるための行政サービスを着々と行使していけるよう、私は次の3点について質問します。

1、 最初に「横手市まち・ひと・しごと創生総合戦略」特に「成長産業支援事業」についてお尋ねします。
 横手市役所では、商工労働課の企業誘致室が企業誘致課となって一年が経過しようとしています。この間、市の第二工業団地には、自動車関連の大橋鉄工やオロテックス秋田、またLED照明などの製造企業である株式会社アスター、そして高卒女子の事務職を雇用のメインとするプレステージ・インターナショナル等の企業が誘致されました。このことは大きく評価されるものと思います。その中で来年度は成長産業支援事業として2つの事業が特筆されます。

① ひとつは「ビッグプロジェクト支援事業」で、「新規立地企業又は既存市内中小企業等に対し、設備投資などに係る経費の一部を補助する」として、新規立地企業には対象経費の10%、上限5000万円、そして既存の市内中小企業などには対象経費の5%、上限5000万円と定め、2020年度に新規立地企業であるオロテックスに対し5000万円を交付予定とのことです。その際に、事業内容の変更を検討するということですが、その新しい内容について、わかりやすくご説明願います。
② 二つ目は「地域経済牽引事業」についてお尋ねします。
この事業は「経済的波及効果の高い地域経済牽引事業の確実な実施を後押しし、産業振興による地域経済の振興と雇用の創出拡大を図るため市内企業1社に対し、設備投資に係る費用の一部補助を行う」として対象経費の30%、上限1億円を補助するという内容です。2019年度に投資及び雇用要件の実績を確認し、2019年度と2020年度の2カ年に渡って株式会社アスターに1億円ずつ交付するというものです。そこでお尋ねしますが、確認された実績はどういうものか具体的にわかりやすくご説明ください。実は、当該企業に対しては、一部業界や市民の間では、実績に対する評価が非常に厳しいものとなっていると聞いております。「これでいいのか?」と疑問を呈する声も少なからずあります。ぜひ、なぜこの企業を選定したのか、具体的に実績内容等をお聞かせください。
③ この項の最後に各企業の事業計画についてお尋ねします。
今や国をあげての「働き方改革」が叫ばれていますが、企業として事業計画の中に、雇用計画とそれに伴う労働契約や就業規則等が明記され、かつ、いわゆるハラスメント対策がしっかり採られている企業こそが、働きやすく、従業員が永住できて長く発展する企業であると言われています。そうした中で、横手市成長産業支援事業という一大事業に選出されるような企業においては、総合的、模範的な事業計画が確認されたものと期待しますが、横手市が企業誘致をする際に、企業の事業計画を評価する点はどのようなことか具体的にお聞かせ下さい。

2.次に、会計年度任用職員制度について、前回に引き続き質問します。今議会には市長から施政方針が出されました。その中で、この制度の導入について言及されました。「4月から導入される当該制度については現在、手続きを進めており、対象職員数を1360人と見込んでいること」「一般会計と各特別会計を合わせ、処遇改善に要する額を3億5500万円と見込み、全体として26億8400万円を当初予算に計上していること」「任期については、応募の機会を確保しつつ高度な知識や技術を有する人材を確保するため、公募によらない任用を連続2回までとし、どの職種においても3年ごとに公募による更新を行うこと」が方針に明記されています。

①そこで、質問のひとつ目は、財源についてです。国からの交付税額は見込み通り充当されているのか、あるいは今後にわたり国から地方自治体に何らかの手当があるのかを伺います。
②次に3年ごとに公募による更新を行うとなれば、取得してきた時給額は3年ごとに当初の時給額に戻って最低額となるのかをお尋ねします。市役所の部署によっては、働いてきたキャリアによって時給額が数段階に及ぶことから、現在非常勤で働く職員の皆さんは不安にかられています。もう少し、わかりやすく説明をお願いします。

3.最後の質問です。
①高齢者支援の一つとして補聴器購入に公的補助を求めるものです。
聴力について「障害がある」と医師の診断を受けた方々には補装具費用の一つとして補聴器購入費が支給されており、来年度予算案にも補装具費支給事業の中に、障碍者用補聴器80件分420万円、障害児用補聴器は2件分17万5000円が計上されていますが、私が求める対象は、それとは別に「聞こえのバリアをなくそう」という難聴問題を解決する意図からのものです。
 自覚のあるなしに関わらず、聴力が正常の感度よりも下がった状態がいわゆる「難聴」です。耳鼻咽喉科の医師によれば、聴力は30代からすでに加齢の影響を受けていて「モスキートサウンド」という蚊の羽音のような高い音が聞こえなくなるそうです。若い世代でもイヤホンやヘッドホンで大音量を聴き続けることによって起こる「騒音性難聴」が指摘されています。一方、両耳が聞こえにくくなって会話に支障が出る「加齢性難聴」は誰にでも起こる可能性があり、70代を過ぎると3人に1人、80代になると3人に2人が難聴と言われているとのことです。そのように聞こえが悪くなるとコミュニケーションに差し障りが生じ、その状態を放置しておくと「閉じこもり」「寝たきり」「認知症」になっていくことは、昔からよく知られています。2017年のアルツハイマー病協会国際会議で出された「難聴対策は認知症を予防する一番大きな因子」という報告は非常に注目されました。我が横手市でも、迫り来る超高齢社会の中で認知症予防が可能な因子には、生活習慣病や鬱の改善も含まれますが、その中でも難聴は対策を講じることで認知症を予防できる一番大きな因子であることが明らかになったわけです。従って補聴器で早いうちに対策をとるのが認知症の予防に効果的と考えられます。まずは自己点検やチェックリストなどで判断することや、周りの人が気づいて本人に勧めることが大切と言われています。
 2018年4月からは、補聴器相談医の診断を受けて、認定補聴器専門店あるいは認定補聴器技能者のいる店舗で補聴器を購入すれば、医療費控除を受けられる制度もできました。様々な工夫を凝らして公的な補助をしている自治体も増えてきています。昨今では国も労働力不足を補うためとのことで、高齢者の社会参加を促していますが、会話が成り立たなければ社会参加はできません。ですから補聴器は必需品となります。補聴器の購入に対し、公的補助を求めることについて市長のお考えを伺います。
②さらにこの項二つ目の質問は、公共施設や市役所窓口などにおける、磁気ループまたはヒヤリングループという器具の活用についての提案です。これは床に這わせたループ状の専用アンテナを使ってマイクの音を電気信号に変え、直接補聴器に届けるものです。それによって周りの騒音や雑音が入らず、きれいな音で聞くことができます。秋田県では2007年の若杉国体の時、県全体で一式を業者からレンタルして活用したとのことでした。携帯式のものもあり、ぜひ横手市が導入し、高齢者支援の一環として市民のコミュニケーションを豊かにし、認知症予防に役立てる施策を提案するものです。

 以上が私の壇上での一般質問です。こうしている間にも、新型肺炎の影響はさらに拡大し、「正念場」がいつまで続くかわからないと報道されています。安倍首相は独断で全国一律に小・中・高校と特別支援学校の休校を要請すると突然表明しました。この唐突な方針に子ども達や子どもを持つ働く親たちから悲鳴が上がっています。大企業では正社員だけがテレワークをするなど、一定の対策が講じられているようですが、雇用が不安定な立場にある人達は、子どもの休校に伴う欠勤や早退などで不利益を受けない施策や休業補償が急務ですし、子どもの居場所が見つからずに仕事を休まざるを得ない医療従事者が出ることで医療機関の体制が取れなくなる事態も起きつつあります。今が医療体制の拡充・強化が必要だという時に深刻な逆行と言わなければなりません。 横手市では保育園や学童保育の受け入れなど苦渋の決断をしてくれていますが、文部科学省を例にとっても、休校対策に充てる財源の3分の1を市町村の持ち出しにすると言って批判されると又すぐ変わるという一貫性の無さが目立ち、国は初期対応からして無責任の極みと言わざるをえません。
 先日のFBには「日本人は子どもから教育を受ける権利を平然と奪っている。日本国民のレベルの低さが露呈された」と衝撃的な記事が掲載されていました。あべ首相の記者会見はわずか8分で打ち切り、取材者の質問を封じた後は、出身大學の飲み会に2時間もかけて楽しむという不誠実さには与党内からも批判が出ています。さらに自らの失態を利用して「新型インフルエンザ等対策特別措置法」の対象疾病に新型コロナを加える改正案を来週にも成立させ、首相の意のままに「緊急事態宣言」を出すことを念頭においていると報道されています。これには菅官房長官も「不必要に人権を制約することのないようにする必要がある」との認識を示しました。金は出さず口は出して国民には問答無用という危険な方向が見えています。
 この国で働く人々の四割がたを占める派遣労働者をはじめ自営業者や中小企業支援も含めて国に財源を保障させなければ大変な被害が地方自治体に及ぶのは必至ではないでしょうか。
 コロナウイルスによる新型肺炎の対策費はアメリカが2800億円、シンガポールが5000億円に対し、日本は153億円とあまりの違いです。なんといっても国の思い切った財政措置が必要であり、市長には国に対して迅速に、全国市長会等を通じて要請するなど、この際、各地域の実情を踏まえた地方自治体からの強力な動き、ボトムアップが求められているのではないでしょうか。

 以上、私は今回も、質問と提案をいたしました。市長には市民に分かりやすい積極的な答弁を期待するものです。
 このような混乱状態のさなか、この3月をもって市役所勤務を全うされる職員の方々には、長い間大変お世話になりました。時にはカンカンガクガクと論議を交わしたり、時には情報を交換したりと、横手市の発展、そして市民生活の向上を目指すという共通の目的に向かって、これまでお知恵を出して頂いたことに深く感謝申し上げます。今後とも地域に根差し、健康第一でご活躍されることをご祈念申し上げ、私の質問を終わります。                                                                                                                          








  
これまでの記事

12月議会が終りました

2019年12月議会一般質問Q&A

2019年12月議会一般質問

11月15日臨時市議会

9月議会を振り返って

2019年9月議会が終わりました

2019年9月議会決算 総括質疑

2019年9月議会一般質問Q&A

2019年9月議会一般質問

2019年6月議会が終りました

2019年6月議会一般質問Q&A

2019年6月議会一般質問

2019年3月議会一般質問Q&A

2019年3月議会一般質問

12月議会が終わりました

2018年12月議会一般質問Q&A

2018年12月議会一般質問

9月議会が終わりました

2018年9月議会一般質問Q&A

2018年9月議会一般質問

6月議会が終わりました

2018年6月議会一般質問Q&A

2018年6月議会一般質問

3月議会が終わりました

3月議会のゆくえ

「陳情30第3号」核兵器禁止条約に署名・批准を求める自治体意見書採択についての陳情に賛成討論

2018年3月議会一般質問Q&A

2018年3月議会一般質問

臨時議会が開かれました

12月議会が終わりました

12月議会厚生常任委員会での討論

イージス・アショア(地上配備型弾道迎撃ミサイル攻撃システム)の秋田県配備計画撤回を求める陳情  賛成討論

「消費税を10%に増税することを中止すること 
を国に求める」ことについて賛成討論


大和更生園・ユーホップハウス・2グループホーム指定管理者の指定について反対討論

2017年12月議会一般質問Q&A

2017年12月議会一般質問

新しい議会の体制が決まりました

9月議会が終わりました

9月議会総務文教常任委員会

2017年9月議会一般質問Q&A

2017年9月議会一般質問

6月議会が終わりました

健康の駅システム改修費補正...予算案に賛成・or 修正案に反対討論

2017年6月議会一般質問Q&A

2017年6月議会一般質問

3月議会が終わりました

平成29年度一般会計予算案に対し 総務文教分科会における賛成討論

議案第44号 平成29年度横手市後期高齢者医療特別会計予算案に反対討論

テロ等準備罪反対の陳情に賛成討論

2017年3月議会一般質問Q&A

2017年3月議会一般質問

臨時議会がありました

12月議会が終わりました

2016年12月議会一般質問Q&A

2016年12月議会一般質問

9月議会が終わりました

決算特別委員会が開かれました

2016年9月議会一般質問Q&A

2016年9月議会一般質問

6月議会が終わりました

2016年3月議会一般質問Q&A

2016年3月議会一般質問

3月議会が終わりました

2016年3月議会一般質問Q&A

2016年3月議会一般質問

12月議会が終わりました

2015年12月議会一般質問Q&A

2015年12月議会一般質問


9月議会が終わりました

9月市議会決算審査…厚生分科会

2015年9月議会一般質問Q&A

2015年9月議会一般質問

臨時議会がありました

6月議会が終わりました

2015年6月議会一般質問Q&A

2015年6月議会一般質問

記録的に長い一日…臨時議会

3月議会が終わりました

2015年3月議会厚生常任委員会

2015年3月議会一般質問Q&A

2015年3月議会一般質問


>