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         2020年12月議会 一般質問

 日本共産党の立身万千子です。激動の2020年も最終盤になりました。振り返れば、この年の初めに中国武漢で発生した新型コロナウイルスが瞬く間に世界中に広まり、わが国は、今から見れば思い付きとしか考えられないような、ちぐはぐな施策を次々と打ち出し、横手市でも深刻な影響を受けました。そのため市政も大きく変更せざるを得なくなり、卒業式・入学式・成人式など各種行事の縮小や延期が続いたことに伴って、市内のサービス業や飲食業をはじめ、多くの事業所が売り上げの減少傾向にあります。また人生の大きな節目となる進学や就職が決まってからも下宿先や自宅での待機を迫られるなど、しわ寄せを一挙に受けた若い世代の不安や不満は計り知れません。こうして慣れない土地でじっと我慢を強いれられ、夏のお盆に帰省できなかったからという理由で、年末年始をふるさとで過ごしたいと考えている学生や働く世代の家族は予想以上に多いと見られています。しかし高齢化率が4割に届こうとしているこの横手市で、感染経路が不明のまま無症状の人々が帰省した後にどんな事態を引き起こすか、緊張感をもってコロナ感染防止にあたらなければなりません。
 特にこの冬はインフルエンザと新型コロナの同時流行が心配されています。ご承知の通り、横手病院の感染症病床はわずか4床であり、コロナ禍の下では日常の診療の7倍から10倍に及ぶスタッフが必要で、他の医療機関にも設置を要請しているとは言え、病床数や医療機器を増やしても相当なマンパワーの集中が求められることになり、この横手市でも医療が逼迫してくる事態を私たち市民は深刻に受け止めなければならないのではないでしょうか。
 そうした状況の中で、横手市という地方自治体で今できることは何か? そのことを本気になって考え、市民みんなで情報を共有して、しっかりと対策をとらなければならないことを痛感し、私は次の点について質問します。

1) まずは9万弱の横手市民を守る責務を負っておられる市長の心構えをお尋ねします。
 「万全の感染防止対策が最強の経済対策」と主張する日本医師会会長の言葉を受け、以下の3点を伺います。

①第3波が到来しているコロナ禍の下、東京へ先月も出張していた市長は、高齢化率の高い横手市の市民に対し、どのように感染防止策をとっておられるかお尋ねします。先の9月議会で、PCR検査を受けず頻繁に東京出張を繰り返しておられた市長に、私はご自身の新型コロナウイルスに対するお考えを質問しました。その答弁は「マスク・手指消毒・うがいの他、疑わしい人には近づかない」という内容でした。しかし無症状者は傍から見て疑わしいかどうかの判断が難しく、また飛沫感染に対して医療用以外のマスクの装着は完璧ではないという実験結果もでています。それらの情報を聴いて市民の間では、市長のお答に対して心配し疑問視する声が聞かれます。
 佐竹秋田県知事も県民が東京に出張することへの危機感をもって記者会見しているように、高齢化率の著しい横手市の市長として最大の緊張感をもって感染防止の先頭に立って頂きたいと切に要望しますが、市長の心構えを伺います。

②現在、医師会や国民の間の様々な団体によって、医療機関や介護・福祉施設、保育園・幼稚園、学校や学童クラブなど、クラスターが発生すれば多大な影響が出る施設等の関係者に、いわゆる定期的な「社会的検査」を行い、感染拡大を事前に防いでいくことを政府の大方針に据えるよう提唱されています。現場任せでなく政府が先頭に立って推進することをもちろん要請すると同時に、横手市として何ができるのか、前向きに方針を打ち出す必要があると思います。せめて市内の医療機関と介護事業所において、重症者の発生予防につなげるために、最低でも職員のPCR検査を実施することを必須とすべきではないかと考えますがいかがでしょうか。

③新型コロナウイルスの感染拡大により、売上減少などの影響を受けた市内事業者を支援する事業を、市ではこの間様々実施してきました。「中小企業等休業対応支援」「経営持続化支援」「緊急雇用安定支援」「宿泊業等支援」と市内の事業者等を対象に補助金を手立てしてきたところです。
 その他に、国の支援事業として、新型コロナウイルスの影響で休業を余儀なくされたのに休業手当が支払われないというような実態の下で働く人たちに対し、賃金の8割を補償するという内容の「休業支援金・給付金」がありますが、これについて会社の協力が得られずに非正規で働く人々を中心に申請をためらうケースが相次いで発生したことから、厚生労働省が10月末に、会社が申請に協力しない場合でも支給を認めるという新しい基準を示しました。このことを市民へ周知徹底していただきたいと思います。なかでも特に重大なことは、女性は非正規の従事者が非常に多く、一人親を始めとしてコロナ禍の下で簡単に解雇されてしまう例が増えています。解雇されたら翌日から生活が成り立たなくなることから、先般の自殺防止県民運動大会での報告によれば、今年の10月一か月だけで全国で851人の女性が自殺しているとのことです。男性は1302人で昨年より21.3%の増加ですが、女性の自殺者数は昨年一年間の合計の82.6%も増加しているとの統計があります。そして過去の大震災や自然災害から見ると、その渦中にある時や渦中直後より、問題が一段落した時に自殺の急増がみられるという報告は、今後我が横手市の対策を講じる上で大変重要な点だと思います。国は年内をメドに低所得の一人親世帯に対し5万円、2人目以降に3万円ずつ、さらに臨時特別給付金を再度支給する方針とのことです。政府として前回と同様に、児童扶養手当を受けていない一人親でも、収入が大きく減ったことが確認できれば臨時特別給付金の支給対象とする方向ですが、横手市は国や県の方針を待つだけでなく、いち早く状況を把握して対応していただくことを提案します。
 さらに横手市出身で他の地域で頑張っている学生たちの実情を見るとき、学校は休講が続き、アパートの一室でリモート授業を受けるにしても経費は嵩み、アルバイト先もないなどのため、学費の支払いはおろか、生活もままならず、実家ともども困っているという声が聞かれます。そのような学生の居住先に食料を仕送りする支援策ができないだろうかと考えますが、いかがでしょうか?

2)横手市総合計画に位置付けられている施策の中の「活力ある地域と心豊かな人を創る生涯学習の推進」を実現する方策について質問します。
 「公の施設における使用料の見直しに伴う関係条例の整備に関する条例」が制定されて1年が経過しようとしています。その運用にあたっては、市民の文化活動・自主活動において円滑に進んでいない場面が多く見受けられるように思います。
 市の総合計画で、市民の文化・芸術・自主的な社会貢献活動を広く支援することを位置づけている横手市として、使用料・利用料の減免取扱いについては、利用団体等の実態を見ながら対応すべきではないかと思いますが、市長のお考えをお尋ねします。
 それぞれの長い歴史や伝統文化を育んできた8つの市町村が1つに合併してから15年が経過し、一つ一つの生涯学習登録団体の存在意義を確認して活動を支援していくことを目的に、使用料を始めとする、横手市として統一した決まりごとを整備するという必要性は理解できます。しかし登録する・しないに関わらず公共・公的施設の使用を希望する団体に対して一律に扱うべきではなく、あくまでも横手の文化を継承し発展させる意図を持って市民団体の自主性を向上させる支援策が行政に必要ではないでしょうか。その点を踏まえ、ぜひ前向きな答弁を期待します。

3)横手市総合計画の中にある「安心して暮らすことのできるまちづくり」の一つとして災害時(緊急時)の要支援者を中心に、地域でどう支え合うかお尋ねします。
 災害時に支援を必要としている市民について、去る10月に市内21会場で行われた「市民と議会の意見交換会」や、社会福祉協議会が主催し各地域で開催されている「小ネットワーク会議」等で様々な問題が出されました。特に、私の所属する厚生常任委員会では、今期の委員会が取り組むべきテーマとして「高齢者支援」を掲げており、今後さらに深く検証し論議して提言をまとめていく所存ですが、この間、私自身が地域の福祉協力員として色々な活動に参加することで組織的な課題に直面してきました。即ち個人情報保護の壁が厚く立ちはだかり、具体的な動きがとれないという実態があります。横手市の住民基本データから出された独居高齢者の名簿を、各地域の民生委員・福祉協力員・町内会役員といった構成で社会福祉協議会が中心になって協議し、要支援者の名簿を作り上げる作業をするのですが、地域によっては町内会の運営が困難で、小ネットワークの確立が難しい場合もあります。要支援者名簿を整備する中心となる社会福祉協議会の担当職員さんは各地域に出向いて忙しく活動されていますが小ネットワーク会議の開催にあたって、もっと横手市と社会福祉協議会との連携を強化していく必要があるのではないかと痛感します。その上でネットワーク会議の中においては個人情報のハードルを下げるか、あるいは取り払い、具体的な要支援者名簿の整備をして地域の見守りをしていくことが支え合いにつながるものと思うのです。この課題を、行政組織のトップとして市長はどう進めるお考えかを伺います。

 以上で私の質問を終えますが、これから本格的な冬を迎えるにあたり、基礎疾患のある市民や高齢者にとっては大変な苦難が待ち受けていると危惧せずにはいられません。そして高校・大学・専門学校の受験や就職を目前にしている若い世代をも、どう支援していくか、行政でできる限りの手だてが必要と思います。そうしてこそ「安全・安心のまちづくり」を少しでも進めることができ、コロナ禍を克服する社会をめざして、市民の健康と命を守り、豊かな自然の中で育んできた伝統芸術や文化を受け継ぎ、発展させていけるのではないでしょうか。
 先月逝去された矢口高雄さんは「漫画は芸術であり、日本の漫画は文化として必ず世界に認められる。」と確固たる信念のもとに、ご自身の名前を冠する記念館ではなく、漫画美術館を提唱されました。「自然派」として、イワナ棲む清流や豊かな森林を守ろうと環境問題にも積極的に関わってこられたそうです。そういう偉大な先輩に恵まれた私たち横手市民は、「みんなの力で 未来を拓く」そして「人と地域が燦くまち」と題した総合計画を後期の2年間、もっと充実した施策にするために全力を挙げていきたいものです。このことを最後に申し上げて私の質問を終わります。








  
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