横手おやこ劇場へメッセージ
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「横手おやこ劇場へメッセージ」

全国のおやこ劇場にすてきな芸術文化を届けてくれている、アートプラン代表 金谷さんよりメッセージが届きました。
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世界に類のない劇場組織が日本に誕生して半世紀以上たちます。 その間日本社会は、発展し続けた経済優先の社会を経てバブル崩壊を経験し、様々な形で市民生活を巻き込み変化してきた日本社会です。
そんな社会はいつも弱い立場の人間が真っ先に影響を受け、特に子どもの生活・環境は一変していきます。たえず他人と比較され、競争を強いられ一日たりともゆったりと過ごす事のない毎日。いじめ、自殺、果ては親による子どもの虐待死。加えて7人に1人の子どもの貧困家庭。これらを自分の問題として考える余裕すらなく忙しさに追われる大人。「人間の幸福度」で云えば世界の中で56位という低い我が国です。
そんな日本社会の中で劇場は会員減という形でもろに影響を受けながらも「子どもたちの成長発達にとって何が大事か」と言う高い意識を持った親の集団が必死で劇場を支えているのです。
劇場は「人間を育てる」という命題を持った素晴らしい社会活動を行っている会であると、私は常々主張してきました。 本来「人間を育てる」と言う視点は国や教育が担わなければならないのに、残念ながらそこには期待できないのが現状です。そこで「世界一の教育」と呼ばれているオランダの教育をご紹介しようと思います。
まずクラスは異年齢集団で構成されています。学校での活動は①会話⇒日本で云う教師に当たるグループリーダ―と生徒が共に参加して行う(サークル対話) ②仕事⇒学習 ③遊び⇒企画されたもの、自由遊びなど様々な形態が用いられる ④催し⇒行事や祝い事等を通して、喜怒哀楽の感情を共有する目的 という4つのパターンでなりたっています。そして宿題はなく、成績表は自分の内面に対して自分の言葉でまとめると言うスタイル
勿論教育費は無償です。教育制度の異なる日本では考えられない内容です。
お気づきでしょうか。子ども劇場の活動そのものじゃありませんか! 劇場はただお楽しみの会ではなく(楽しいというのは大前提ですが)、知性と意味を持った社会活動であると私が言い続けている所以です。
これからも劇場を継続維持していく上で困難さを伴うでしょうけど、子ども達を助けるのは劇場しかないと言う事を強く思って、どうか子どもの未来に向けて自信と誇りを持ち続けて頑張って下さい。
今後も、暫くの間はコロナが終息するまでは、忍耐を必要としますが、明けない夜はありません。先に希望を繋げて皆様との出会いの日を心待ちにしてます。
演劇企画オフィス・アートプラン 金谷秀美
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