幸せに生きるチカラ
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「幸せに生きるチカラ」
平成26年度「男女共同参画社会づくり基礎講座」9月17日、群馬県立女子大教授の佐々木尚毅氏の講演がありました。
県民に対して男女共同参画の意識啓発を長年にわたって尽力されてこられた先生は「秋田県に戻ると大館弁になるばって〜」と聴き手をリラックスさせてくださりながら、グラフや表をわかりやすく使ってお話されました。
はじめに「”当たり前”を疑おう…見ようとしなければ見えないものがある。聴こうとしなければ聴こえないものがある」と提起されました。安倍首相が「女性が輝く社会」にすると女性大臣を5人登用したことは一見進歩?しかし登用という言葉は上から目線。なぜ任用と言わないのか?という疑問も呈されました。
1999年6月23日「男女共同参画社会基本法」が成立したけれどそれから15年経ったが進まない〜諸外国に比べ、男女格差が狭まらず国別順位は下がる一方。この背景は政府も認めている3つ@少子化A高齢化B労働力減少。これを乗り越えることが必要だが、そのために男女共同参画が必要なのだっ!と解説してくださいました。
急激な高齢化は日本が世界のモデルだけれど、少子化と労働力増加をもたらすために政策を講じてきた国に学ぼう!とフランスやオランダ、スウェーデンの例を紹介されました。
*長期にわたる家族政策…雇用主負担の保険料を財源とする手厚い家族手当。
*男女平等の推進とワークライフバランスの見直し…
この社会にはジェンダー(生物学的性差以外の性差)というものが存在する。そのジェンダーには偏りがあり不平等である。そしてそのジェンダーは作られたものである…このことに気づきましょう。例)ノルウェーでも1980年代には出生率が落ちた。育児休暇を取得する父親がほとんどゼロだった。そこで政府は給与全額支給の休暇期間の内4週間を父親に割り当て(パパクオータ)、それを取得しなければ権利が消滅するという半強制的な制度をつくった。
*次世代育成政策(特に教育をめぐる精神的風土)を進めた。…フィンランドの教育方針=どんな所に住んでいても、また性別や経済的な事情、母国語の違いなどには関係なく平等な教育。一人一人が向上する方針に基づいて生徒を評価するのでランキング付けもしない。皆で社会を築いていこう!という学習概念。
結論:なぜ男女共同参画=男女平等が必要か?・・・
@出生増加のため(人間は男女共同で働き、子育てする生物であり人口激増への対処で近時分業していただけ)
A労働力確保のため(移民受け入れの前に女性と高齢者に活躍してもらう場を確保する)。
B財政の健全化(自分でできることは自分で、他人のためにも喜んで…高度経済成長期以前のムラでは当たり前だったこと。それを知っている人たちは”地域の宝”)というお話でした。
Bは難しいことですが、行政がサービスのばらまき政策をするのではなく、地域に根差した「住民」が地域の資産を活用する制度設計をすることで「協働」と「共生」のできるゆるいムラ社会になれば人は生きやすい。多様な価値観と利害を持った人たちが生活する地域がムラであり、だから繋がり(ネットワーク)ができてくるのだというところが納得できました。 |