地方議会特別セミナーin秋田~議員の資質向上と政務活動費活用策
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「地方議会特別セミナーin秋田
~議員の資質向上と政務活動費活用策」
10月6日秋田市の通称アルヴェで自治体議会研究所の高沖秀宣氏による研修がありました。「議会改革の底辺から底辺の改革へ」というテーマで元三重県議会事務局長をされていた経験から議会を構成する議員としての基本を教えて頂いたと思います。心に留め置くべきことを報告します。
①議会の役割・機能について
●議事機関=審議・熟儀する機関(憲法93条)…議決し、監視し議案提出を通じて政策形成機能を担う。しかし現状は政策形成機能が発揮されず。
②議員の役割・資質について
●「議員力」=市民の立場から様々な問題点や課題を捉え解決するための審議能力・監視能力・政策形成能力・政策立案能力など。「議会力」=二元代表制の一翼を担う議会として、市民の負託と信頼に応えていくために備えておくべき意思決定機関としての機能並びに執行機関に対する監視機能・政策形成機能・政策立案機能など原則的かつ総合的な機能。
●議員に求められる資質=「専門性」(特定の分野に関する高い専門的知見を有する。地域の政策課題を的確に把握し、必要な情報収集を行いながら議会において政策提言・政策立案を行う。合議体の議会において意見集約し、合意を得るための調整能力)研修・公聴会や意見交換会・参考人制度等の活用をするべき…そのためには通年議会が必要。
●二元代表制=地方公共団体の統治構造について、国のそれとは異なり基本的に議事機関である議会および執行機関である知事・市長などが住民による直接選挙を通して住民の意思を反映する仕組み(憲法93条2項)…議会は首長の追認機関ではない。住民に開かれ住民とともに歩む議会であるべき→執行機関への質問だけから議員同士の討議を中心として議会運営へ=監視型から政策提言型へ。
●「議会改革」とは=二元代表制を追求すること(定数削減・議員報酬減額は行政改革であり議会に持ち込むのは誤り)
●一人の議員の意見は議会の意見ではない(自治体議会の多様性を踏まえれば、全ての議会にあてはまるような議会の活性化に向けた単純な解決策は存在しない)
③政務活動費
=議会の議員の調査研究その他に資するための必要な経費の一部(地方自治法100条)であり全額有効に使うべき(必要性・合理性の根拠を持たないと住民に説明困難)→研修費・広報費使用ではなく調査研究をし、その調査研究の結果、何らかの政策に練り上げ、条例の提案まで持ち込むことができるか!
=第二の報酬ではない。政策立案・提言機能を発揮するために使途を制限し、質の充実強化が必要である!
……肝に銘じた研修でした。
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