矢口高雄さん 逝く
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「矢口高雄さん 逝く」
私たちの地元、横手の誇りである漫画家、矢口高雄さんが11月20日逝去されました。代表作「釣りキチ三平」はテレビアニメ化や映画化もされ、故郷増田のまんが美術館には40万以上の原画が所蔵されています。
私は29年前に赤旗日曜版に連載された「蛍雪時代」からのファンでした。27日の赤旗日刊紙の1面「潮流」コラムを、ウルウルしながら読みました。ぜひ紹介したいと思います。
~~「秋田県の山奥にあった中学。懐かしくも楽しかったあの時代をマンガエッセーとして描きたい」…「釣りキチ三平」で人気を不動のものにしていた矢口さんに、赤旗日曜版編集部の漫画担当者として、連載をお願いした時の構想です。
*矢口さんは「ボクの作風では2ページ10段は必要だ」とも。題名は、♪蛍の光 窓の雪 ふみ読む月日・・・と重ねた「蛍雪時代」です。1991年2月24日から2年半続けた連載は、単行本となり代表作に。
*野山や小川で遊び、手塚治虫にあこがれる漫画少年でした。地元銀行を辞め30歳で上京し漫画家を目指すいきさつについて「自由に、自分の思ったことを堂々とコメントできるような人間になりたいとの思いもあり“ボクには漫画があると辞表を出した”と日曜版のインタビューで答えています。
*「漫画は芸術」が持論。卓越した画力や構成力で「自然派」という漫画世界を確立。イワナ棲む清流や豊かな森林を破壊する開発を止める環境問題の講演も増えたと。97年5月には赤旗日刊紙1面に諫早湾干拓に反対する談話とともにムツゴロウのイラストを寄稿。
*散逸する漫画家の原画の保全にも尽力しました。故郷・横手市の「まんが美術館」で名誉館長を務めたが、旧増田町で1995年の開館にあたり、名称を「矢口高雄記念館」とする案があったそうです。しかし矢口さんは「日本の漫画は文化として必ず世界に認められる」と言い、自身の名を冠することを断ったとのこと。
*いまの「鬼滅の刃」ブームに至る漫画芸術の土台を担った矢口さん。
*約半年、病気と闘い、すごく辛くて苦しかったはずなのに、涙も見せず頑張っていらしたそうです。ありがとうございました。

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