第16期自治政策講座in横浜…第三報
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「第16期自治政策講座in横浜…第三報」
11月2日最後は「新たな地域医療を目指して〜病院完結型から地域完結型への再構築」と題し、長野県厚生連佐久総合病院診療部長で地域ケア科医長の北澤彰浩氏の講義でした。
かつては農民の生活と健康を守る拠点として厚生連の病院が地域医療と急性期医療の二本足で住民福祉に貢献していたと思います。しかし地味な地域医療をめざす医師が減少し都会での高度医療にシフトする傾向が強くなるといった単純な現実ではないことを、これまでの一連の研修で学びました。
全国的な高齢化や国の新自由主義医療政策に伴う医療情勢の変化を冷静に見る必要があると思う時、この講義は大変有意義でした。
佐久総合病院は老朽化した建物の建て替えにあたり、近隣自治体との合併がからんで市長選挙にまで影響する大問題になり、病院職員が一斉に地域住民を訪問して直に話し合いを重ねたそうです。診療活動をしながらの訪問で大変な努力をするなか、創立当時の若月院長の言葉を再確認したというのです。
「医療は民衆のもの。民衆がつくるもの」…住まいを中心に自分がどう暮らし、人生を全うしたいのか…民衆が望む形=まちづくりをするのが地域に根差した医療の役割〜であり、多職種連携の地域包括ケアでは、診療所が地域との橋渡しをする役目を持つ。とのことです。
普通は医師の研修で地域保健医療は2週間やればいいことになっているが、佐久病院では3か月間義務づけているそうです。首都圏であっても一人の医師、ひとつの病院が急性期医療と地域医療の「二足のわらじ」をはくのはムリであり、だから[連携]せざるを得ないということを強調されました。
その中で、佐久総合病院は、信州大学病院や県立病院とともに「都市型医療圏」域と、どこまでも住民のいる所に足を運んで行く「里山型医療圏」域の両方を担っていく、住民本位の「地域包括ケア」を進める〜という講義でした。
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