第4回 病院給食の大切さを考える学習会
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「第4回 病院給食の大切さを考える学習会」

7月25日(土)秋田市の県総合保健センターで、元同僚の平鹿総合病院栄養科技師長である木村京子さんが「郷土の味を病院給食に生かして」という講演をされました。
彼女はフェイスブックでいつも様々な伝統食や地元の行事にちなんだ献立を紹介しています。 医療情勢が厳しく、日常的な人手不足の中でどんなふうに効率的に業務をこなし、患者さんから毎日のように「感謝の手紙」が届くのか、市民・県民の一人として学びたいと思い、土砂降りの高速道路を走らせました。平鹿総合病院の「行事食・伝統食」は年間46回も提供し、昼食と夕食の選択メニューは毎日です。
日々、郷土の味を大切にしながら手間を惜しまず病室の患者さんに「旬」を届け、「口からの食事を楽しんで元気になってもらう」ことを目標にしているそうです。そのためには出勤前に山で笹の葉や山菜を採る日もあるとのこと。その努力が報われて、今年「日本医療機能評価機構」から一位を意味するspecialランクを認定されています。

例えば地元の二番米(いわゆるクズ米)で作る「こざき練り」という昔ながらのおやつを、飲見込む力の弱っている患者さんのために「嚥下食」にして提供するなど「こざき練り」だけでも6種類の口当たりに工夫する努力は参加しているフロアの専門家たちからも称賛されていました。
栄養科技師長の力強いリーダーシップによって、不可能に近い困難な取組みを「どうすれば実現できるのか」と栄養科39人がみんなで意見を出し合い、カベを乗り越えていく実践が素晴らしいと思います。管理栄養士や栄養士、調理員、事務職さらに、少ない正職員と大勢の非正規職員が一丸となって頑張ることは容易ではないはずです。
しかし木村さんは「農協病院は”食”を守る砦」だし、県内産の食材を使って県内に住むスタッフが献立をつくっていく直営でなければ私たちの仕事は成り立たない!それをスタッフが積極的に外へアピールしていくべきであり、院外からの評価を得て栄養科・食の地位を向上させることが必要!」と強調されました。
秋田県厚生連は「給食調理業務等の委託化を促進する」と2009年11月27日に経営改善計画で示しています。横手市にある公立病院はすでに民間委託になっており、早急の対策・県民みんなの運動が重要だと思います。
人口減少そしてその主原因である雇用の問題を解決するためにも、外部の資本を入れ過ぎず、県内でお金を回す「内部循環型経済」の確立が必須と誰もが認めるところをこの機会にぜひ発信しなければ!と思いました。主催した県厚生連労働組合も、もっとマスコミ対策などを活発にしてほしい!という声も大きく上がった意義深い学習会でした。
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