原水爆禁止世界大会
in広島 分科会
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「2015年原水爆禁止世界大会in広島 分科会」

二日目は18の分科会に分かれました。私は県健康福祉センターの「核兵器と原発」に参加しました。
300人の中には郡山市から東京に避難している小学生もいて、家族別居や訛りからのイジメなどに耐えながら健気に頑張っている報告もありました。助言者の野口邦和氏は、学術的見地から「福島第一原発事故の現状と脱原発運動の課題」をお話されました。
1、環境への放出量:大気放出量の7〜8割が海洋、2〜3割が陸土に降下.沈着。セシウムの監視が必要である。
2、廃炉:廃止措置終了予定は2041〜2051年だがこのロードマップに科学性はない。予想し得ない困難があるだろう。作業者の安全最優先で進めることを求める。
3、汚染水:高濃度汚染水の安全保管はALPS(多核種除去装置)導入で改善されつつある。建屋地下への地下水などの流入量低減はバイパス設置等を行うも成果なし。海への漏洩防止は海側遮水壁構築等を行うも成果なし。
4、住民の被曝:雨風による流失と除染の進展で低下しているが、内部被曝線量は調査中。除染とは別に、斜面や盛り土からのセシウム流出防止対策が必要。
5、小児甲状腺がん:エコー検査実施中。先行検査で112人の疑いも含む発見があったが情報が不確かであり、しっかりと本格検査を続けることが重要。
6、震災関連死と福島の復興再生:避難に伴って相当数の犠牲(1760人?)が生じている。福島は特に早急なガレキ処理が求められる。
7、原子力発電の4つの問題
ア)発電用原子炉が十分に安全でない。
イ)放射性廃棄物を安全に処分できる見通しがない。
ウ)軍事利用転用の歯止めがない。
エ)原発テロ…もっと安全な国際社会が築かれない限り原発はつくれない!
[結論]
脱原発運動は、原水爆禁止運動に学ぼう〜
1954年3月1日未明のビキニ事件(アメリカの水爆実験でマグロ漁船第五福竜丸が被曝)が出発点で1955年8月第一回原水爆禁止世界大会開催。
1960年代のソ連と中国の核実験に対する評価等をめぐり意見対立→運動分裂…しかし核戦争阻止。核兵器全面禁止。被爆者援護連帯の基本目標を確立して現在に至っている。
脱原発運動も、意見の違いはあっても原発をなくす。原発事故被害の根絶、原発事故被害者の救済連帯という基本目標で運動を統一しよう!…と確認した分科会でした。
運動が分裂することをなによりも安倍政権は望んでいるのですから。
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