第25回議員の学校
第2弾報告
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「第25回議員の学校…第2弾報告」
2日目は、寺西俊一(一橋大学名誉教授)による講義から始まりました。テーマは「地域社会の持続可能な発展をどう展望するか〜”自然資源経済論”から見た”地方創生”」冒頭、熊本地震について言及されました。
氏は阪神淡路大震災から東北の震災・津波・原発事故そして現在の九州における地震の現地調査を続けておられます。この20年来、世界は「災害多発時代」に入ったと。
人災もテロも含むが特に自然について、今までは例外的に安定していたのであってこれからは地殻変動の時期に入ったとみるべき。そこで「地震」と「震災」とは区別しなければならない。
避けられない自然現象と避けることができる社会現象とに。そのためにも地域社会が主体的に日常生活から連携・連帯していることが必要なのだと!。
熊本地震を絶好のチャンスとばかりに「緊急事態法」を適用し本部長となる総理大臣に国民誰もが逆らえないようにしてしまおうとする政府の魂胆は絶対にやめさせなければ、実態を知る地元自治体が主導にならなければ国民は悲惨な目に遭ってしまう…安倍首相に近いはずの樺山熊本県知事でさえ、今回の安倍首相の態度に立腹している事実をみれば明らかです。
寺西氏は、大学と農林中金とで自然資源依存型産業(農林水産業)の意義と地域社会の今後における持続可能な発展を支えるための研究を2009年から始めており食料とエネルギーを地元調達し地元にお金を落とすことが必要と強調されました。

島根県の益田圏域の地域産業連関表をもとに調査して写真のような「地域内経済循環」を再生していくことで効果は明らかと説明されました。(我が横手市では産業連関表によれば、もっと”外貨”を稼げるはず…との結論でしたが)。
平たんな地形が多いドイツよりも山岳・森林の多いオーストリアとの比較調査をし、これからの基本課題は「個性的で豊な顔(face)を持つ自治的地域社会づくりをしよう!」即ち食food.農agriculture.文化culture.エネルギーenergy.環境environment だとまとめられました。
今回最後の講義は池上学校長による「18歳選挙権が地方自治に問うもの」でした。
まず世界では18歳選挙権行使の国が多く、韓国、カメルーン、モロッコなど数えるくらいが20歳。「日本では選挙権をめぐる歴史はどうだったのか」…明治憲法下では25歳以上の男子で15円以上納税者だけ(男子の1%)。1900年に女性参政権を掲げる平民社が結成され、その10年後に青鞜社に引き継がれ、1919年に新婦人協会結成し、婦人参政権運動を展開したが、長い運動の末、戦後1945年に女性を含む20歳以上の参政権が認められた。
しかし1971年まで沖縄は植民地状態にあり選挙権がなかった。今、改めて子ども(未成年者)の権利を学ぶ必要がある。
日本国憲法の前文と第3章には「人類」「何人」という主体の言葉がたくさんある。子どもを含む何人の意味。子どもだって請願ができる! 学校教育法に見る高校教育は第51条3項:個性の確立に努めるとともに、社会について広く深い理解と「健全な批判力」を養い、社会の発展に寄与する態度を養うこと…という目標を定めている。・・・
ここまで学んで考えるに、国は高校生の政治活動を制限する動きがあり、どこかの公民館では「政治的中立に反するイベント」とみなして使用拒否をしたというニュースもあります。
最後の質疑応答で「中立論」について出ました。答えは「憲法の立場に立つ以外の中立はない!」「法の下に平等であり、権力の下に平等なのではない!」という意味であり、特定の政党・宗教でなく全会派でのイベントなら、おおいに結構というのが公民館なのです。
今日は、参加者は3つのグループに分かれて各自治体の地方創生について話し合いました。国がお金をちらつかせて期限を迫るから”金太郎飴”の施策が多いことが再認識されました。しかし人口減少は増田レポートができるずっと以前から地方では対策を考えてきたことであり「地域レベルで社会をもう一度組み立てよう」と論議しあって帰途につきました。
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