第36回市町村議員研修会
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「第36回市町村議員研修会」
5月16〜17日、やって来ました岡山へ!
初日は先日「議員の学校」で早口京都弁の講義をして下さった川瀬光義先生の記念講演。「三位一体改革後10年を振り返り自治体財政の未来を展望する」というテーマです。
夜行バスと新幹線の乗り継ぎでボーっとした頭を冷やす意味で学んだことをフィードバックします。
1、日本における地方分権の取り組み
1993年6月、地方分権の推進に関する決議(衆参全会一致)
*明治維新、戦後改革に次ぐ第三の改革と意義づけられ2000〜2006年に「三位一体改革」実施。三位とは地方税、国庫補助、地方交付税。
2、日本の地方財政の特徴と改革の課題は?
[特徴1] 国家財政より大きい(軍事と年金以外の全分野)
[特徴2] 裁量権限が乏しい…1/3が国庫補助で2/3が単独事業だが多くは機関委任事務(国の下請け)
[特徴3] 国から地方への大規模な財源の再配分…例)2014年度決算の場合、国の歳出純計は41,7%,地方は58,3%だが、税源配分は国が57,8%、地方が38,4%で19,4%の不足分埋め合わせのため、一般財源である地方交付税と、特定財源である国庫支出金が配分されている。戦後はこのように国が地方へ財源保障をするようになった。しかしそのため地方が国の財源に頼りがちになったのも事実。
*改革に至った背景
・行政の需要がハードからソフトに移ってきたこと。
・多くの自治体が公共事業予算を増やしたツケで地方の借入金残高が増加したこと。
3、三位一体改革って?
地方交付税と国庫補助の削減。NPOや営利企業の役割重視。
*加えてもうひとつの改革
:市町村合併…分権の受け皿を目指すものだったが…・社会関係資本(対人サービス充実)に有利な条件を持つ小規模自治体を狙い「自治権の放棄」に関わる問題に充分な時間を保障しなかった。・時限措置として、有利な財政措置(合併特例債)をちらつかせた…合併を選択しなかった自治体との公平性が問われる。
4、「三位一体改革」後の地方財政はどうなったか?
地方財政規模の縮小により社会保障関係費の増額を給与関係費と投資的経費の減少で補わざるを得なくなった。このように地方の債務残高が減らず、公共事業費が削減されたことで条件不利な地域の衰退と東京一極集中の促進→自治体消滅論の登場となる。
5、2007年「頑張る地方応援プログラム」〜2015年「まち、ひと、しごと創生事業」との共通点
具体的成果に基づいて予算措置する=地方交付税の趣旨に反する(どんな自治体でも全国一律に交付税を措置されることは法律で決まっている)。10年前の施策によく似た「地方創生」の問題点を深刻に検証すべき!
*財政を良くする王道は「税収を増やす」こと。福祉や教育など基礎的サービスを充実させて住民の信頼をえる=地域経済力(担税力)を向上させることで税収は増える。そのカギは再生可能エネルギー!
*今さら国に言われなくても地方自治体は持続可能な社会づくりに取り組んできた。国が提示する地方創生メニューを上手に使うことも一策! と横手市議会でも私達が話し合っている考えを強調して下さった記念講演でした。
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