子育て先進町!奈義町に学ぶ
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「子育て先進町!奈義町に学ぶ」
5月18日、市町村議員研修会参加者中16人が、岡山市からバスで1時間半の奈義町を視察しました。事前講義をされた、保母武彦島根大学名誉教授がコーディネーターです。
増田寛也氏らによって「消滅可能性が高い」自治体と分類された奈義町が、2015年、合計特殊出生率2,81で全国トップになりNHKでも報道されました。この「奇跡」の教訓を現地で学ぶことが目的です。
TVの取材では「全国どの自治体も子育て支援策を2〜3は実施しているが奈義町では考え得る施策をトコトン実施してきた」とのことでした。人口6000人を維持する方針としても、町予算の枠内で民生費しかも子育て支援に特化してできるものなのか?
様々な世代の住民はどう参画してきたか? 行政と住民とがまちづくりをどう意思統一してきたのか?…わが横手市のまちづくりを持続可能なものにするヒントをもらいに行ってきました。

奈義町は昭和30年に3村合併して誕生(当時の人口8925人)。平成14年に合併の是非を問う住民投票で「単独町制」決定=ここで町民の地域づくりに対する覚悟ができた!と説明されました。
平成24年に子育て応援宣言が採択され、その文言中「〜子ども達は次代を担うかけがえのない存在で、奈義町を守り支えてこられたお年寄りとともに、奈義町の大切な宝です〜」…を、同席された町議さんが誇らしく解説してくれました。町の面積69,52km2.のうち11,94km2が自衛隊駐屯基地と演習場で、自衛隊員の家族さんも若い世代が多く、楽しそうに親子で子育て支援施設「なぎチャイルドホーム」で活動していました。
町独自の子育て支援事業が多く、不妊・不育の治療〜在宅育児手当〜医療費助成は高校生まで〜高校通学費助成や大学進学育英金などの施策が24事業。子育て支援の予算が1億2000万円で高齢者福祉の予算はその3倍!定住政策も進み、分譲地6ヶ所で様々な町の補助あり、賃貸住宅も入居率93%で173人が入居。鉄道や高速道路にも近いので製造業の企業誘致をし、畜産業がさかんとのこと。400人の自衛隊員も含め就労の場が確保されていることも「安心子育て」の背景です。
限られた予算を「削って」ではなく「使い方」を工夫し「ハードよりもソフトを重視」してこれからもまちづくりを進めるという町長、職員、議員、町民総意の覚悟が伝わってきました。町の総合計画も総合戦略も、高校生全員が参画して素案をつくったそうです。

視察の途中、すごい山の中に登っていきました。900年前、浄土宗の開祖である法然上人が植えられたという「菩提寺のイチョウ」を見学しました。役場職員を始め住民が丹精込めて「お世話をしている」姿に触れ、子どもとお年寄りを大切にする奈義の人々の精神(DNA)がここに現れている〜と感心しました。
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