第12回地方から考える社会保障フォーラム2日目の講義2
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「地方から考える社会保障フォーラム…2日目の講義2」
4月20日、このセミナー”〆”の講義は、元宮城県知事で神奈川大学特任教授の浅野史郎氏でした。テーマは「地方議員は首長、行政のチェック機能を果たしているか」という厳しいお題です。ユーモアを交えながら(これだけ厳格なお話は、少し笑いがなければ固まってしまいそうですから)わかりやすく説いてくださいました。
まず、議会の役割=政策策定機能と首長(行政)のチェック機能を果たすこと! ついついマイクを握りしめて演説をしたがる議員がいるけれど(えっ?私のこと?…と地方議員である受講生たちはみんなギクっとしたでしょう)、政策策定は、住民の要望・不満を聞き出すことから始めるのだから、imput=御用聞き⇒民意の吸収・・・首長はいろいろ忙しい:議員は地元活動が本業!。
日本で初めて制定された栗山町議会の「議会基本条例」に明記されている骨子を紹介されました。「町民や団体との意見交換のための議会主催による一般会議を設置する」「請願・陳情を町民からの政策提案と位置づける」・・・この主語は「議会」であると。
さらに、政策策定ではないが、地方自治法第99条を引き合いに出され「普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を国会又は関係行政庁に提出することができる」とあるとおり、”意見書”について住民もしっかりと理解するべきであるし、国民投票をしなければならない国政の課題(憲法改正など)についても住民は「知らない」では済まされない。それらについて住民説明会や意見交換会を開催するのにこそ政務活動費を使うべきであるとも強調されました。
チェック機能として、日常業務の中で継続的に「地方版事業仕分け」を議会ですることが必要だとも。改めて二元代表制の意味についても「住民によって選挙で直接選ばれる首長」と「住民により選挙で直接選ばれる議員からなる地方議会」が、ともに住民を代表する仕組みであり、議会と首長は切磋琢磨する良きライバルであるべきと。そして「地方自治は民主主義の学校」であり、住民が地方自治の学校に入って学び、行動し、身につけていくことが大事だと言われました。
最後にフロアからの「道州制」についての見解を問う質問に対し「道州制は為政者の論理であり、県民のアイデンティティが尊重される問題であって住民の意見が無視されている。従って道州制はやるべきではない」と力強く断言されました。 |